基本情報技術者 2013年 秋期 午前(科目A) 問57
問題文
データのバックアップ方法に関する記述のうち、最も適切なものはどれか。
選択肢
ア:業務処理がバックアップ処理と重なるとレスポンスが遅くなる可能性がある場合には、両方の処理が重ならないようにスケジュールを立てる。(正解)
イ:バックアップ作業時間を短くするためには、別のファイル名にしたバックアップデータを同一記憶媒体内に置く。
ウ:バックアップデータからの復旧時間を短くするためには、差分バックアップを採用する。
エ:バックアップデータを長期保存するためには、ランダムアクセスが可能な媒体にする。
##: データのバックアップ方法に関する記述のうち、最も適切なものはどれか。【午前2 解説】
要点まとめ
- 結論:アが正解。業務処理とバックアップが重複するとI/O競合やCPU負荷でレスポンス劣化が起きるため、適切なスケジュール管理が必要です。
- 根拠:同一時間に重なる作業はシステム資源を奪い合い、復旧性や業務可用性に悪影響を与えるため、夜間や休日にバックアップを計画します。
- 差がつくポイント:バックアップ方式(フル・差分・増分)や保存媒体(同一媒体か別媒体か)、RTO/RPO要件を踏まえて運用設計する視点が合否を分けます。
正解の理由
正解は ア です。業務処理とバックアップ処理が同時に走るとディスクI/Oやネットワーク帯域、CPUが競合し、業務レスポンスが低下する恐れがあります。したがって、業務に影響を与えない時間帯にバックアップを実行する、または負荷を吸収する仕組み(スロットリング、ストレージのスナップショットなど)を導入して重複を避けることが最も適切です。
よくある誤解
- 同一記憶媒体に置けばバックアップ時間が短くなる:物理的に同じ媒体だとI/O競合や媒体故障リスクが高まり、速度向上どころか信頼性が下がることが多いです。
- 差分バックアップは常に復旧時間を最短にする:差分は増分より復旧が速いことが多いが、フルバックアップ単体より復旧が遅くなる場合もあり要件次第です。
- 長期保存=ランダムアクセス必須:長期保存は耐久性やコスト、媒体の可搬性が重視され、必ずしもランダムアクセスが必要ではありません(テープ等の順次媒体が有利な場合もあります)。
解法ステップ
- 各選択肢の主張が「可用性」「信頼性」「復旧時間」「長期保存」のどれに関する記述かを把握する。
- 実運用での一般原則(バックアップは業務影響を避ける/別媒体に保管/復旧手順の簡潔さ/長期保存は耐久性重視)と照らす。
- 選択肢を一つずつ吟味し、運用上の利点と欠点を比較して最も妥当なものを選ぶ。
選択肢別の誤答解説
- ア(正解): 業務処理とバックアップを分離するスケジュールは基本的な運用設計であり、影響最小化という観点で最も適切です。
- イ: 同一記憶媒体にバックアップを置くと、媒体故障で本番とバックアップが同時に失われるリスクがあるほか、I/O競合で作業時間が延びる可能性があり、誤りです。物理的に別媒体・別ロケーションが望ましいです。
- ウ: 差分バックアップは増分より復旧が簡単である場合が多いが、フルバックアップのみの方が復旧は最短になります。差分導入はトレードオフ(保存容量増/バックアップ時間増)を理解して採用するべきで、「短くする」と断言できないため不適切です。
- エ: 長期保存では耐久性(劣化特性)、媒体のコストやオフライン保管の可否が重要であり、必ずしもランダムアクセス性が優先されるわけではありません。テープ等のシーケンシャル媒体が採用されることもあります。
補足コラム
- 実務ではRPO(許容データ損失量)とRTO(許容復旧時間)を定め、それに応じてフル/差分/増分の組合せと保持期間、媒体(ディスク・テープ・クラウド)を決定します。
- 3-2-1ルール(異なる種類の媒体に3コピー、うち2異なる媒体、1つはオフサイト)などの原則が有効です。スナップショットやレプリケーションは業務影響を抑えつつ短いRTOを実現します。
FAQ
Q. 差分と増分の違いは何ですか?
A. 差分は「最後のフルバックアップ以降に変更された全データ」を毎回保存し、復旧はフル+最新差分で済みます。増分は「前回のバックアップ以降の変更のみ」を保存し、復旧はフル+全増分を順に適用する必要があり、復旧手順が複雑になりがちです。
A. 差分は「最後のフルバックアップ以降に変更された全データ」を毎回保存し、復旧はフル+最新差分で済みます。増分は「前回のバックアップ以降の変更のみ」を保存し、復旧はフル+全増分を順に適用する必要があり、復旧手順が複雑になりがちです。
Q. バックアップは夜間に必ず行うべきですか?
A. 基本は業務影響の小さい時間帯が望ましいですが、24時間稼働やグローバル業務ではスナップショットやオンライブレプリケーション等の手法を使って負荷を分散します。
A. 基本は業務影響の小さい時間帯が望ましいですが、24時間稼働やグローバル業務ではスナップショットやオンライブレプリケーション等の手法を使って負荷を分散します。
Q. 長期保存に最適な媒体は何ですか?
A. 要件次第です。コスト優先ならテープ、即時復旧が重要ならディスクやクラウド、改ざん防止が重要ならWORM(書き込み後読み取り専用)やオフライン保管を検討します。
A. 要件次第です。コスト優先ならテープ、即時復旧が重要ならディスクやクラウド、改ざん防止が重要ならWORM(書き込み後読み取り専用)やオフライン保管を検討します。
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