基本情報技術者 2013年 秋期 午前(科目A) 問63
問題文
情報戦略における全体最適化計画策定の段階で、業務モデルを定義する目的はどれか。
選択肢
ア:企業の全体業務と使用される情報の関連を整理し、情報システムのあるべき姿を明確化すること(正解)
イ:システム化の範囲や開発規模を把握し、システム化に要する期間、開発工数、開発費用を見積もること
ウ:情報システムの構築のために必要なハードウェア、ソフトウェア、ネットワークなどの構成要素を洗い出すこと
エ:情報システムを実際に運用するために必要な利用者マニュアルや運用マニュアルを作成するために、業務手順を確認すること
##: 情報戦略における全体最適化計画策定の段階で、業務モデルを定義する目的はどれか。【午前2 解説】
要点まとめ
- 結論→業務モデルは企業の全体業務と、それらが扱う情報の関係を整理して情報システムのあるべき姿を明確化するために定義します。
- 根拠→業務モデルは業務構造と情報の流れを可視化し、全体最適化計画の基盤としてシステム要件や方針の整合を取る役割を担います。
- 差がつくポイント→業務モデルは実装や見積り、運用手続きではなく「業務と情報の関係整理」に焦点を当てる点を区別して解答してください。
正解の理由
正解は ア です。業務モデルの定義は、企業全体の業務とそれに伴う情報の関連性を整理し、情報システムがどのように支えるべきか(あるべき姿)を明確にすることが目的だからです。全体最適化の段階では業務と情報の構造を把握してから、後段でシステム化範囲や技術的構成、運用手順などに落とし込んでいきます。よって「業務と情報の関連整理」を直接述べている選択肢が正解になります。
よくある誤解
- 業務モデル=見積りや開発計画と誤解し、期間や工数を答えるミスをしやすい。業務モデルは見積りの前段階です。
- 業務モデルをハードウェアやソフトウェアの一覧と混同し、構成要素の洗い出しを目的とする誤認。構成は後工程のアーキテクチャ設計です。
- 業務モデルを運用手順書やマニュアル作成と同一視し、手順の詳細化を目的とする誤り。業務モデルは上位の概念モデルです。
解法ステップ
- 問題文のキーワードを確認:「全体最適化計画策定」「業務モデルを定義する目的」。
- 業務モデルの定義を頭の中で整理:「業務と情報の関係を整理し可視化すること」かを確認。
- 選択肢を実行フェーズ(見積り・構成要素・運用)か概念フェーズ(業務と情報の整理)で分類。
- 概念フェーズを述べる選択肢を正答とする。実装・詳細化を述べる選択肢は誤答。
選択肢別の誤答解説
- ア: 正解。企業の全体業務と使用情報の関連を整理し、情報システムのあるべき姿を明確化することは業務モデル定義の本質です。
- イ: 誤り。システム化の範囲や開発規模、期間・工数・費用の見積りは要件定義〜見積り段階の活動であり、業務モデル定義の直接目的ではありません。
- ウ: 誤り。ハードウェア、ソフトウェア、ネットワーク等の構成要素の洗い出しはシステムアーキテクチャ設計の役割で、業務モデルはその前提情報を提供する段階です。
- エ: 誤り。利用者マニュアルや運用マニュアル作成のための業務手順確認は運用準備フェーズの作業であり、業務モデル作成の目的とは異なります。
補足コラム
業務モデルは企業の「何を、誰が、どのように扱うか」を高い視点で整理する設計図です。BPM(Business Process Management)やエンタープライズアーキテクチャ(EA)の中で用いられる概念で、BPMNで業務プロセスを可視化したり、概念データモデルで情報を整理したりするのが一般的です。業務モデルがしっかりしていると、後続のシステム化範囲決定や投資判断が効果的になります。
FAQ
Q: 業務モデルと業務フロー(手順)は同じですか?
A: 異なります。業務モデルは業務要素と情報の関係を高レベルで整理する概念設計で、業務フローは具体的な手順・処理の流れを示す詳細設計です。
A: 異なります。業務モデルは業務要素と情報の関係を高レベルで整理する概念設計で、業務フローは具体的な手順・処理の流れを示す詳細設計です。
Q: 全体最適化計画の段階でコスト見積りは不要ですか?
A: 完全に不要ではありませんが、見積りは詳細化フェーズで精緻化します。全体最適化段階では概算レベルの判断材料があれば十分で、まずは業務と情報の整合性を確立することが優先です。
A: 完全に不要ではありませんが、見積りは詳細化フェーズで精緻化します。全体最適化段階では概算レベルの判断材料があれば十分で、まずは業務と情報の整合性を確立することが優先です。
Q: 業務モデル作成に使う表記法は?
A: BPMN、DFD(データフロー図)、ER図、概念データモデルなどがよく使われます。目的に応じて適切な表記を選びます。
A: BPMN、DFD(データフロー図)、ER図、概念データモデルなどがよく使われます。目的に応じて適切な表記を選びます。
関連キーワード: 業務モデル、業務分析、全体最適化、情報戦略、エンタープライズアーキテクチャ、BPMN、業務プロセス、システム化範囲

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