基本情報技術者 2013年 秋期 午前(科目A) 問78
問題文
A社は、B社と著作物の権利に関する特段の取決めをせず、A社の要求仕様に基づいて、販売管理システムのプログラム作成をB社に依頼した。この場合のプログラム著作権の原始的帰属はどれか。
選択肢
ア:A社とB社が話し合って決定する。
イ:A社とB社の共有となる。
ウ:A社に帰属する。
エ:B社に帰属する。(正解)
著作物の原始的帰属(委託開発の場合)【午前2 解説】
要点まとめ
- 結論:契約で特段の取決めがない限り、プログラム著作権は制作主体である受託者(B社)に帰属します。
- 根拠:著作権は著作者に原始的に帰属し、受託開発では実際に制作した側(受託者またはその従業員)が著作権者となるのが原則です。
- 差がつくポイント:発注者が利用権以上に著作権を欲する場合は、契約で明確に「著作権譲渡」や「独占的利用許諾」を定める必要があります。
正解の理由
本問ではA社がB社に委託してプログラムを作成させ、かつ「特段の取決めがない」状況です。著作権法上、著作権は原則として著作者(作品を創作した者)に帰属します。受託開発の場合、実際に制作を行うのはB社の従業員やB社自体であり、職務著作や受託の形態により最終的な著作権は受託者側に属するのが一般的です。したがって選択肢はエ(B社に帰属する)が正解です。
よくある誤解
- 発注者が自動的に著作権を取得する:注文や対価の支払いだけでは著作権は移転しません。
- 委託=共有になる:委託で共同著作になるのは実際に共同で創作した場合のみで、自動的に共有にはなりません。
- 使用権と著作権を混同する:納品後の利用許諾は契約次第で与えられるが、著作権そのものの帰属とは別問題です。
解法ステップ
- 問題文の条件を確認:「特段の取決めがない」「A社が要求仕様を出しB社が作成」
- 著作権法の基本原則を適用:著作権は原則として著作者に原始帰属する。
- 委託開発の立場を整理:制作主体はB社(又はB社の従業員)であり、契約で移転がない限りB社に帰属。
- 選択肢と照合して正解を選ぶ:B社に帰属するもの(エ)が該当。
選択肢別の誤答解説
- ア: A社とB社が話し合って決定する。
→ 話し合い(合意)で決められることはあるが、本問は「特段の取決めがない」と明示されているため当てはまりません。 - イ: A社とB社の共有となる。
→ 共有となるのは両者が共同で著作物を創作した場合など特別な事情に限られ、自動的に共有になるわけではありません。 - ウ: A社に帰属する。
→ 発注者が仕様を出しただけでは著作権は移転せず、別途譲渡や契約で定めない限りA社に帰属しません。 - エ: エ: B社に帰属する。
→ 正解。制作主体である受託者側に原始的帰属するのが原則で、本問の条件と合致します。
補足コラム
実務では、受託開発でトラブルを避けるために次の点を契約書で明確にします:
- 著作権の帰属(譲渡するか否か)とその範囲(ソースコード、ドキュメント等)
- 使用許諾の範囲(非独占・独占、再許諾の可否、期間、地域)
- 納入物の管理(ソースコードの保管、リポジトリアクセス)
- 著作者人格権の行使の有無(行使しない旨の合意や実務上の取扱い)
これらを先に詰めずに納品だけ済ませると、後で利用や改変の制約に直面することがあります。
FAQ
Q1. 発注者(A社)は納品物を自由に改変できますか?
A1. 原則として著作権者の同意が必要です。契約で改変や二次利用を許諾していれば可能です。
A1. 原則として著作権者の同意が必要です。契約で改変や二次利用を許諾していれば可能です。
Q2. 著作権を発注者に移転する方法は?
A2. 当事者間の明確な書面による譲渡契約が必要です(利用許諾契約とは異なります)。
A2. 当事者間の明確な書面による譲渡契約が必要です(利用許諾契約とは異なります)。
Q3. 口頭の合意でも著作権は移転しますか?
A3. 法的には合意があれば移転は可能ですが、紛争防止のため書面化(明確な契約)を強く推奨します。
A3. 法的には合意があれば移転は可能ですが、紛争防止のため書面化(明確な契約)を強く推奨します。
関連キーワード: 著作権法、委託開発、職務著作、著作権譲渡、使用許諾、ソースコード、納品契約、利用許諾

\ せっかくなら /
基本情報技術者を
クイズ形式で学習しませんか?
クイズ画面へ遷移する→
すぐに利用可能!

