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基本情報技術者 2013年 春期 午前(科目A)34


問題文

LANに接続されている複数のPCを、FTTHを使ってインターネットに接続するシステムがあり、装置AのWAN側インタフェースには1個のグローバルIPアドレスが割り当てられている。この1個のグローバルIPアドレスを使って複数のPCがインターネットを利用するのに必要となる装置Aの機能はどれか。
基本情報技術者 2013年 春期 午前(科目A) 問34の問題画像

選択肢

DHCP
NAPT (IPマスカレード)(正解)
PPPoE
パケットフィルタリング

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NAPT(IPマスカレード)【午前解説】

正解の理由

問題文はWAN側に1個のグローバルIPが割り当てられていると明記しており、複数台のPCがインターネットを利用するためには内部のプライベートIPを1つのグローバルIPにまとめてやる必要があります。NAPT(Network Address and Port Translation、IPマスカレードとも呼ぶ)は、ホストごとの送信元IPアドレスだけでなく送信元ポート番号も変換して、単一のグローバルIPで多数の内部接続を一意に管理する機能です。これにより複数PCは同時に外部通信が可能になります。
他の選択肢は次の理由で不適切です:DHCPはIP割当の仕組みで共有や変換を行わない、PPPoEはISPとの通信セッション確立に関わるプロトコルでアドレス共有機能そのものではない、パケットフィルタリングは通信の許可/拒否を行うだけでアドレスの合成はできません。

解法ステップ

  1. 図と設問から「WAN側にグローバルIPが1個だけ割り当てられている」点を確認する。
  2. 「複数のPCをインターネット利用させるには何が必要か」を整理する(プライベート→グローバルへの変換が必要)。
  3. 各選択肢の機能を整理する(DHCP=割当、NAPT=アドレス+ポート変換、PPPoE=認証/セッション、パケットフィルタ=許可/拒否)。
  4. 要件(1つのグローバルIPで多数の内部端末を同時に通信させる)に合致する機能を選ぶ。
  5. 結論としてNAPTを選択する。

選択肢別の誤答解説

  • ア: DHCP
    • 誤り。DHCPはネットワーク内でIPアドレスなどを自動割当する機能であり、1つのグローバルIPを複数端末で共有するための変換やポート割当は行いません。
  • イ: NAPT (IPマスカレード)
    • 正解。NAPTは送信元IPアドレスをグローバルIPに書き換えるだけでなく、送信元ポートも同時に管理して多対1の通信を可能にします。IPマスカレードやPAT(Port Address Translation)とも呼ばれます。
  • ウ: PPPoE
    • 誤り。PPPoEはユーザ認証やセッション確立、ISPとのリンク確立に用いるプロトコルであり、アドレスやポートの変換機能そのものを提供するわけではありません。FTTH環境でPPPoEを使うことはありますが、共有機能とは別次元です。
  • エ: パケットフィルタリング
    • 誤り。パケットフィルタリングはパケットの通過可否を判定するセキュリティ機能であり、アドレスを共有する機能はありません。

よくある誤解

  • DHCPを使えば複数端末が1つのグローバルIPを使えると考える誤解:DHCPはIPの自動割当だけで、共有や変換は行いません。
  • PPPoEがアドレス共有を担当すると誤解すること:PPPoEは認証とセッション確立に用いる技術で、NAT/NAPTの代わりにはなりません。
  • NATとNAPTの違いを無視する誤解:単純なNAT(アドレス変換のみ)ではポート管理できないため単一IPで多数の内部端末を同時に扱えない場合があります。

補足コラム

  • プライベートIPアドレス(RFC1918)とグローバルIPの役割:家庭内LANは通常プライベートIPを用い、ISPから与えられるグローバルIPを装置(ルータ)が使って外部と通信します。
  • NATの種類:静的NATは1対1のアドレス変換、NAPT(PAT)は多対1でポート番号も変換します。家庭向けルータは通常NAPTを実装しています。
  • 制約事項:NAPTは外部から内部への直接接続(サーバ公開)が必要な場合にはポートフォワーディング設定が必要です。またポート枯渇やP2Pアプリで問題が出ることがあります。IPv6ではグローバルアドレスが端末ごとに付与されるためNAPT不要になります。

FAQ

Q1: DHCPでインターネット共有はできないのですか?
A1: 直接はできません。DHCPはIPやDNSなどの情報を配布するだけで、WAN側の1つのグローバルIPを複数で共有する変換は行いません。
Q2: PPPoEを使えば1つのグローバルIPで複数台使えますか?
A2: PPPoEはISPとの接続方式です。PPPoE接続で得たグローバルIPをルータがNAPTで内部と共有する、という組み合わせは一般的ですが、PPPoE自体が共有機能を担うわけではありません。
Q3: NAPTとNATの違いは何ですか?
A3: 一般にNATはアドレス変換全般を指し、NAPTはポート番号も変換して多対一の同時接続を可能にする方式を指します(PAT=NAPTとも呼ぶ)。
Q4: 家庭用ルータの設定画面で「IPマスカレード」や「NAT」って見ますが、何を有効にすればいいですか?
A4: 家庭用では通常「NAT」や「IPマスカレード」がデフォルトで有効になっており、これにより複数端末が1つのグローバルIPを共有できます。外部からアクセスが必要なサービスにはポートフォワーディングを設定します。

関連キーワード: FTTH、NAPT、IPマスカレード、NAT、PAT、グローバルIP、プライベートIP、DHCP、PPPoE、パケットフィルタリング、ポートフォワーディング、RFC1918、ONU、ルータ、ハブ, ポート番号, インターネット接続
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