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基本情報技術者 2013年 春期 午前(科目A)51


問題文

PMBOKによれば、WBSで定義するものはどれか。

選択肢

プロジェクトで行う作業を階層的に要素分解したワークパッケージ(正解)
プロジェクトの実行、監視・コントロール、及び終結の方法
プロジェクトの要素成果物、除外事項及び制約条件
ワークパッケージを完了するために必要な作業

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WBS(成果物分解)【午前解説】

正解の理由

PMBOK における WBS(Work Breakdown Structure)は「成果物(deliverable)を階層的に分解した構造」であり、最下位要素がワークパッケージ(管理可能な単位)です。選択肢 は「ワークパッケージ」という語を含み、WBS が階層的に要素分解される点を正しく表現しています。したがって、WBS の定義として最も適切なのは です。
重要な補足として説明すると、WBS自体は「何を出すか(成果物)」を基準に分解するものであり、ワークパッケージはその最下位要素として管理対象となる単位を示します。ワークパッケージに対して後続で「そのワークパッケージを完了するために必要な作業(アクティビティ)」を定義・見積もりする、という流れが PMBOK の整合的な考え方です。この点が選択肢表現の「作業を階層的に要素分解した…」と一見の不整合に見える部分を解消します。

解法ステップ

  1. 問題文で問われている対象が PMBOK の WBS であることを確認する。
  2. PMBOK の定義を思い出す:WBS = 成果物(deliverable)指向の階層的分解。
  3. 各選択肢を照合して、WBS の定義と一致するものを選ぶ。
    • 「階層的に要素分解」「ワークパッケージ」を含む選択肢が最有力。
  4. 用語の役割を厳密に確認(WBS=成果物分解、ワークパッケージ=最下位管理単位、アクティビティ=ワークを完了するための作業)。

選択肢別の誤答解説

  • ア(正答): 「プロジェクトで行う作業を階層的に要素分解したワークパッケージ」
    一見「作業を分解」とあるため誤解を招きますが、キーワードの「ワークパッケージ」と「階層的に要素分解」は WBS の本質(階層化された管理単位)を示しています。WBS は成果物ベースで分解され、その最下位がワークパッケージです。ワークパッケージに対して後で作業(アクティビティ)を定義するため、実務上「ワークパッケージ=管理可能な作業単位」と表現されることがある点を踏まえると妥当です。
  • イ: 「プロジェクトの実行、監視・コントロール、及び終結の方法」
    これはプロジェクトマネジメント計画やプロジェクトマネジメントプロセスに関する記述であり、WBS(成果物の階層分解)とは別物です。
  • ウ: 「プロジェクトの要素成果物、除外事項及び制約条件」
    これはプロジェクトスコープ記述(Project Scope Statement)に近い内容です。WBS は成果物を階層化して示しますが、除外事項や制約条件を直接列挙するのはスコープ記述の役割です。
  • エ: 「ワークパッケージを完了するために必要な作業」
    これはアクティビティ(作業)や作業分解(アクティビティ分解)に該当します。WBS 自体はアクティビティの一覧ではなく、ワークパッケージを定義するための構造です。

よくある誤解

  • WBS は「作業(タスク)リスト」と同じだと思う。
    → WBS は成果物(何を出すか)を分解する構造で、タスク(作業・アクティビティ)はワークパッケージを達成するために後で定義します。
  • ワークパッケージ=小さな単一作業と混同する。
    → ワークパッケージは「管理可能で計画・見積り・監視できる単位」。複数の作業(アクティビティ)の集合であることが多いです。
  • WBS の分解基準は「誰が行うか」「期間」という運用的な視点だと思う。
    → 分解基準は原則「成果物」ベース。担当者や期間は後続の計画(スケジュールや責任分担)で定義します。

補足コラム

  • ワークパッケージと WBS 辞書: ワークパッケージ単位で WBS 辞書(WBS Dictionary)を作成し、内容説明、担当組織、受け入れ基準、概算コスト、スケジュールの概要などを記載します。これにより WBS の「成果物指向」から実際の実行管理につなげられます。
  • 分解の粒度: PMBOK は厳密な数値を示すのではなく「管理可能で、見積りとコントロールが可能な単位」としています。組織やプロジェクト特性に応じて、ワークパッケージの粒度(報告期間・推定工数など)を決めます。
  • 実務的な順序: まず成果物を洗い出して WBS を構築 → 各ワークパッケージに対して作業(アクティビティ)を定義 → スケジュールと予算を紐付ける、という流れが標準的です。

FAQ

Q: WBS とガントチャートは同じですか?
A: いいえ。WBS は「何を出すか(成果物)」の階層構造、ガントチャートは「いつ・どの順で作業をするか」を示すスケジュール表です。WBS からアクティビティを抽出し、ガントチャートを作ります。
Q: ワークパッケージの粒度はどのくらいが良いですか?
A: 一般原則は「管理・見積り・支払い・監視が可能な最小単位」。多くの組織では数日〜数週間の作業単位を目安にすることが多いですが、プロジェクト特性で調整します。
Q: WBS に成果物以外(制約や除外)を書いてはいけませんか?
A: WBS 自体は成果物の構造に集中します。制約や除外はスコープ記述やプロジェクト文書に明記し、必要なら WBS 辞書で補足説明します。

関連キーワード: WBS、ワークパッケージ、成果物分解、WBS辞書、作業分解法、スコープ定義、アクティビティ分解
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