基本情報技術者 2013年 春期 午前(科目A) 問52
問題文
プロジェクトの日程計画を作成するのに適した技法はどれか。
選択肢
ア:PERT(正解)
イ:回帰分析
ウ:時系列分析
エ:線形計画法
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PERT法【午前解説】
正解の理由
選択肢の中で、プロジェクトの日程計画(スケジューリング)に最も適しているのはアのPERTです。PERT(Program Evaluation and Review Technique)は、
- 作業間の先行・後続関係をネットワーク図で表現し、
- 各作業の所要時間を楽観(O)・最頻(M)・悲観(P)の3点で見積もり、期待時間と分散を算出して不確実性を扱える点で優れています。 そのため、工程の順序・クリティカルパス(遅延許容がない経路)を明確にして日程管理とリスク評価が同時にできます。
解法ステップ
- 目的確認:日程計画(タスクの順序・期間・遅延リスクの把握)が目的かを確認する。
- データ性質確認:作業間の依存関係があり、所要時間に不確実性があるなら確率的手法が必要。
- 手法選定:依存関係と不確実性を同時に扱えるPERTを選ぶ(CPMは確定値版、同系)。
- 計算手順:各活動について期待時間、分散を求め、ネットワークの前方・後方計算で最早/最遅開始・終了時刻とフロートを算出。
- 重要経路特定:フロートがゼロの経路がクリティカルパス。期間期待値はクリティカルパス上の活動期待時間の和。分散は独立仮定で和を取る。
- リスク評価:締切がある場合、プロジェクト期待時間と標準偏差を用い、で達成確率を求める。
選択肢別の誤答解説
- ア: ア PERT — 正解。前後関係を扱い、3点見積りで不確実性とクリティカルパスを評価できるため日程計画に適する。
- イ: 回帰分析 — 誤り。変数間の関係性(例えば工数と規模)を推定する手法で、タスクの順序や個別作業の確率的所要時間を扱う目的には適さない。
- ウ: 時系列分析 — 誤り。過去の時系列データから将来の傾向を予測する技法で、プロジェクト内の活動依存関係や個別タスクの不確実性評価には向かない。
- エ: 線形計画法 — 誤り。資源配分やコスト最適化など制約下の最適化に強いが、作業間の順序や確率的期間を直接扱う日程計画の主手法ではない。
よくある誤解
- 回帰分析や時系列分析が「日程計画そのもの」に使えると考える誤り:これらは傾向や関係性の予測に有用ですが、作業間の依存関係やクリティカルパス算出には向きません。
- PERTは単純に「平均」を取るだけだと思う誤解:PERTは3点見積りを使い、期待時間と分散を明示してリスク評価ができる点が肝心です。
- 線形計画法で全て解決できると考える誤り:線形計画法は資源配分やコスト最小化など最適化に強みがありますが、確率的な所要時間や前後関係のネットワーク解析は主目的ではありません。
補足コラム
- PERTとCPMの関係:CPM(Critical Path Method)は活動時間を単一値で扱う決定論的手法、PERTは確率的手法です。試験ではPERTの3点見積りと期待時間公式を問うことが多いので暗記しておくとよいです。
- 実務ではPERTで得たクリティカルパス情報を基に、リソース平準化やバッファ(プロジェクトバッファ、フィードバッファ)を設定して現実的なスケジュールや対応策を準備します。
- 注意点:PERTの分散和による標準偏差算出は各活動時間が独立であるという仮定に依存します。相関がある場合は過小評価/過大評価のリスクがあります。
FAQ
Q1. PERTとCPMはどちらが常に良いですか?
A1. 目的次第です。活動時間に不確実性が大きければPERT、確定的であればCPMが簡便です。実務では両者の概念を併用します。
A1. 目的次第です。活動時間に不確実性が大きければPERT、確定的であればCPMが簡便です。実務では両者の概念を併用します。
Q2. 締切に対する達成確率はどう求めますか?
A2. クリティカルパスの期待時間と分散の和から標準偏差を計算し、で正規分布表から確率を求めます。
A2. クリティカルパスの期待時間と分散の和から標準偏差を計算し、で正規分布表から確率を求めます。
Q3. 回帰分析や時系列は全く使わないのですか?
A3. いいえ。過去データから作業時間の推定やリソース需要の予測には有効ですが、タスク間の依存性とクリティカルパス解析には向きません。
A3. いいえ。過去データから作業時間の推定やリソース需要の予測には有効ですが、タスク間の依存性とクリティカルパス解析には向きません。
関連キーワード: PERT, クリティカルパス, 期待時間, 分散, プロジェクトマネジメント, スケジューリング, ガントチャート, バッファ管理

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