基本情報技術者 2013年 春期 午前(科目A) 問78
問題文
不正競争防止法によって保護される対象として規定されているものはどれか。
選択肢
ア:自然法則を利用した技術的思想の創作のうち高度なものであって、プログラム等を含む物と物を生産する方法
イ:著作物を翻訳し、編曲し、若しくは変形し、又は脚色し、映画化し、その他翻案することにより創作した著作物
ウ:秘密として管理されている事業活動に有用な技術上又は営業上の情報であって、公然と知られていないもの(正解)
エ:法人等の発意に基づきその法人等の業務に従事する者が職務上作成するプログラム著作物
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営業秘密(営業上の秘密情報)【午前解説】
正解の理由
正解は ウ です。選択肢ウは「秘密として管理されている事業活動に有用な技術上又は営業上の情報であって、公然と知られていないもの」とあり、まさに不正競争防止法が保護する「営業秘密(trade secret)」の定義に一致します。営業秘密は、正当な手段で取得されていない不正な取得や漏洩、使用を禁止する法律上の保護対象であり、公開されていないことと秘密管理の実行が要件となります。
解法ステップ
- 設問の保護対象がどの法分野(特許・著作権・不正競争等)に属するかを確認する。
- 選択肢中の文言を法令の定義と照合する(「秘密として管理」「公然と知られていない」など)。
- 一致するものを選ぶ。類似ワード(プログラム、翻案、職務著作)はそれぞれ著作権や特許に関連する可能性が高いので除外する。
- 最終確認で「保護要件(三要件)」が満たされているかをチェックする。
選択肢別の誤答解説
- ア: 自然法則を利用した高度な技術思想や生産方法は特許法(発明・実用新案)や技術情報の範疇であり、不正競争防止法の営業秘密定義とは異なります。特許は公開して権利を得る制度です。
- イ: 著作物の翻訳・編曲・脚色・映画化などの「翻案」は著作権法が扱う創作物であり、著作者の権利保護対象です。不正競争防止法の保護対象ではありません。
- ウ: ウ は「秘密として管理され事業活動に有用で公然と知られていない情報」という営業秘密の定義そのものであり、正解です。
- エ: 法人等の発意で職務上作成されるプログラム著作物は著作権法上の「職務著作(法人帰属)」の概念に該当し、著作権の問題であって不正競争防止法の直接的保護対象ではありません。
よくある誤解
- 「発明=営業秘密」と混同する誤解:発明は特許法で保護され、公開して特許権を得るか非公開で営業秘密にするかの選択が必要です。
- 「著作権と営業秘密は同じ」と考える誤解:著作権は表現を自動的に保護しますが、営業秘密は秘密管理と非公知性が要件です。
- 「企業内の情報は自動的に営業秘密」と思う誤解:管理が不十分だったり公然と知られている情報は営業秘密に該当しません。
補足コラム
営業秘密保護の実務では「秘密管理の有無」が非常に重要です。具体的にはアクセス制限、秘密保持契約(NDA)、機密ラベルの付与、社内教育、ログ記録などを行うことで「秘密として管理」していることを証明します。逆に一度公表されると営業秘密性は失われ、法的保護も消滅します。また、不正競争防止法は不正取得、開示、使用に対して差止めや損害賠償を請求でき、重大な場合は刑事罰の対象になることもあります。正当な入手手段(独自開発、適法購入、リバースエンジニアリングの範囲内)で得た情報は一般に不正競争に当たりませんが、取得経路や方法が重要になります。
FAQ
Q1: 営業秘密と特許は両立できますか?
A1: 原理上は両立しません。特許は公開と引き換えに独占権を得る制度で、公開すれば営業秘密性は失われます。どちらを選ぶかは技術の性質と保護戦略次第です。
A1: 原理上は両立しません。特許は公開と引き換えに独占権を得る制度で、公開すれば営業秘密性は失われます。どちらを選ぶかは技術の性質と保護戦略次第です。
Q2: どのような管理があれば営業秘密と認められますか?
A2: NDA、アクセス制御、社内の限定公開、情報分類、ログ管理、従業員教育などを文書・運用で整備していることが重要です。
A2: NDA、アクセス制御、社内の限定公開、情報分類、ログ管理、従業員教育などを文書・運用で整備していることが重要です。
Q3: 営業秘密の保護期間はどれくらいですか?
A3: 法律上の期間制限はなく、「秘密であり続ける限り」保護されます。公開や漏洩で保護は失われます。
A3: 法律上の期間制限はなく、「秘密であり続ける限り」保護されます。公開や漏洩で保護は失われます。
Q4: 社員が作ったプログラムは自動的に企業の営業秘密になる?
A4: それは主に著作権と契約の問題です。職務著作や契約で帰属を明確にする必要があり、営業秘密にするなら秘密管理を行う必要があります。
A4: それは主に著作権と契約の問題です。職務著作や契約で帰属を明確にする必要があり、営業秘密にするなら秘密管理を行う必要があります。
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