基本情報技術者 2014年 秋期 午前(科目A) 問15
問題文
コンピュータシステムのライフサイクルを故障の面から、初期故障期間、偶発故障期間、摩耗故障期間の三つの期間に分類するとき、初期故障期間の対策に関する記述として、最も適切なものはどれか。
選択肢
ア:時間計画保全や状態監視保全を実施する。
イ:システムを構成するアイテムの累積動作時間によって経時保全を行う。
ウ:設計や製造のミスを減らすために、設計審査や故障解析を強化する。(正解)
エ:部品などの事前取替えを実施する。
コンピュータシステムのライフサイクルを故障の面から分類したときの初期故障期間の対策【午前2 解説】
要点まとめ
- 結論: 初期故障期間の対策は設計や製造段階の欠陥除去が最重要で、選択肢 ウ が最適です。
- 根拠: 初期故障(インファントモータリティ)は設計ミスや製造不良が原因で発生し、設計審査や故障解析で発生源を低減できます。
- 差がつくポイント: 時間計画保全や事前取替えは摩耗故障向け、経時保全は摩耗を前提にする点を押さえつつ原因対応を選ぶこと。
正解の理由
初期故障期間(インファントモータリティ)は、出荷直後や稼働開始直後に発生する設計上・製造上の欠陥が主因です。設計審査や故障解析(原因分析)を強化することで根本原因を取り除き、不具合の発生率を低下させられます。したがって「設計や製造のミスを減らすために、設計審査や故障解析を強化する」ことが最も適切であり、正解は ウ です。
よくある誤解
- 「初期故障は経時的管理で防げる」と考える誤解:初期故障は経年ではなく出荷直後の欠陥が原因なので時間計画保全では根本対策になりません。
- 「事前取替え(予防的交換)は初期故障に有効」と思う誤解:事前交換は摩耗・寿命対策で、初期欠陥を防ぐ手段にはならないことを誤解しやすいです。
- 「状態監視=万能」と考える誤解:状態監視は変化を検知するが、設計欠陥の根本除去には設計品質改善が必要です。
解法ステップ
- 問題文で「初期故障期間」とある点を確認し、原因が何にあるかを想起する(設計・製造段階)。
- 各選択肢がどの故障期に対応する対策かを分類する(初期・偶発・摩耗)。
- 初期故障に合致する「欠陥低減」「設計審査」「解析」のキーワードを含む選択肢を探す。
- 否定的な選択肢(時間計画保全、経時保全、事前取替え)は摩耗期や偶発期向けと判断して除外する。
- 残った選択肢が初期故障対策として適切かを最終確認する。
選択肢別の誤答解説
- ア: 時間計画保全や状態監視保全を実施する。
→ 状態監視は偶発故障の早期検知、時間計画は摩耗/寿命対策であり初期欠陥の根絶策ではない。 - イ: システムを構成するアイテムの累積動作時間によって経時保全を行う。
→ 累積稼働時間に基づく経時保全は摩耗故障対策で、初期故障(設計・製造起因)には不適切。 - ウ: 設計や製造のミスを減らすために、設計審査や故障解析を強化する。
→ 初期故障の原因である欠陥を直接減少させる方法であり正解です(ウ)。 - エ: 部品などの事前取替えを実施する。
→ 事前取替えは摩耗や寿命に基づく予防保全で、初期欠陥には本質的対処にならない。
補足コラム
故障率の時間変化は「バスタブ曲線(bathtub curve)」で表現され、初期故障期は右上がりや高い初期故障率が特徴です。故障率を とすると、初期故障期は が小さい領域で が高めに出ることが多く、設計改善や製造工程管理(FMEA、設計レビュー、品質管理、HALT/HASS、焼き入れ試験など)で低減を図ります。初期故障対策はコストをかけてでも根本原因を潰すことが長期的な信頼性向上に寄与します。
FAQ
Q: 初期故障に「焼き入れ(burn-in)」は有効ですか?
A: 有効な場合があります。焼き入れで初期不良を実際に発生させて除去できますが、コストや寿命影響を考慮し、設計改善と併用するのが望ましいです。
A: 有効な場合があります。焼き入れで初期不良を実際に発生させて除去できますが、コストや寿命影響を考慮し、設計改善と併用するのが望ましいです。
Q: 偶発故障の代表的な対策は何ですか?
A: 偶発故障には状態監視(予知保全)やリアルタイム障害検知、冗長化による可用性向上が有効です。
A: 偶発故障には状態監視(予知保全)やリアルタイム障害検知、冗長化による可用性向上が有効です。
Q: 設計審査と故障解析の違いは?
A: 設計審査は開発段階で欠陥を未然に防ぐ活動、故障解析は発生した不具合の原因を突き止め再発を防ぐ活動です。両者を組み合わせることが重要です。
A: 設計審査は開発段階で欠陥を未然に防ぐ活動、故障解析は発生した不具合の原因を突き止め再発を防ぐ活動です。両者を組み合わせることが重要です。
関連キーワード: 初期故障、偶発故障、摩耗故障、バスタブ曲線、設計審査、故障解析、FMEA、予防保全、状態監視、焼き入れ、HALT、寿命評価

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