基本情報技術者 2014年 秋期 午前(科目A) 問14
問題文
東京~大阪及び東京~名古屋がそれぞれ独立した通信回線で接続されている。東京~大阪の稼働率は0.9、東京~名古屋の稼働率は0.8である。東京~大阪の稼働率を0.95以上に改善するために、大阪~名古屋にバックアップ回線を新設することを計画している。新設される回線の稼働率は、最低限いくら必要か。
選択肢
ア:0.167
イ:0.205
ウ:0.559
エ:0.625(正解)
東京—大阪間の稼働率改善のためのバックアップ回線設計【午前2 解説】
要点まとめ
- 結論:大阪〜名古屋間に新設するバックアップ回線の最低稼働率は 、選択肢はエ が正解で東京〜大阪の稼働率を0.95以上にできます。
- 根拠:直接回線の稼働率0.9、代替経路は東京→名古屋(0.8)と名古屋→大阪()の直列で成功確率は 、全体は となるため。
- 差がつくポイント:代替経路は「両方稼働」が必要な直列系であり独立性を仮定、和集合の重複(共通事象の減算)を忘れると誤答になります。
正解の理由
東京→大阪間が接続されるのは「直接回線が稼働する」または「東京→名古屋と名古屋→大阪の両方が稼働している」場合です。
確率を (直接=0.9)、(東京→名古屋=0.8)、(名古屋→大阪=)とし、独立と仮定すると 。 これを目標値0.95以上にするには より したがって必要最低稼働率は 、選択肢はエが正解です。
確率を (直接=0.9)、(東京→名古屋=0.8)、(名古屋→大阪=)とし、独立と仮定すると 。 これを目標値0.95以上にするには より したがって必要最低稼働率は 、選択肢はエが正解です。
よくある誤解
- 「代替経路はどちらか一方が生きていればよい」と誤認すること:ここでは東京→名古屋と名古屋→大阪の両方が稼働して初めて代替経路が成立します(直列)。
- 「確率を単純に足す」ことで二重計上をしてしまうこと: として交差部分を引かないミスが典型です。
- 「独立性を無条件で使う」こと:実務では故障の共通原因(停電など)により独立でない場合がある点に注意が必要です。
解法ステップ
- 事象を定義する:直接回線 、東京→名古屋 、名古屋→大阪 。
- システム成功事象を表す: が稼働するか、 と の両方が稼働するか。
- 独立を仮定して和集合の確率を計算:。
- 代入して簡約:。
- 目標不等式 を解いて を得る。
選択肢別の誤答解説
- ア: 0.167 — この値を採ると実現される東京〜大阪の稼働率は で目標0.95に届きません。誤りはモデル化(直列/並列の扱い)か和集合の扱い忘れによるものです。
- イ: 0.205 — この稼働率でも全体は にしかならず不足です。計算過程で の係数を見落とした可能性があります。
- ウ: 0.559 — 全体は でわずかに不足します。目標との差(0.0053程度)を見落として切り捨てるミスがあり得ます。
- エ: 0.625 — 全体は となり、最小限必要な値を満たします(正解)。
補足コラム
- 一般化した式:直接回線の稼働率を 、東京→名古屋を 、名古屋→大阪を とすると全体は よって目標 を満たす最小 は です。本問では で になります。
- 実務上は独立性や共通故障点(電源、設備室、運用者ミスなど)を調査し、必要であればさらに冗長化や多経路化を検討します。
FAQ
Q1: 「独立性が成り立たないと結果はどうなるか?」
A1: 故障が相関する場合、単純積で計算できず必要な は通常より大きくなります。実測やFMEAで相関を評価してください。
A1: 故障が相関する場合、単純積で計算できず必要な は通常より大きくなります。実測やFMEAで相関を評価してください。
Q2: 「目標を超える余裕を持たせたい場合は?」
A2: 必要な安全マージンを加えて を例えば0.97に設定し、同様の式で を再計算します。
A2: 必要な安全マージンを加えて を例えば0.97に設定し、同様の式で を再計算します。
Q3: 「逆に名古屋→大阪が既に存在する場合は?」
A3: 既存回線の稼働率を として上と同じ式に代入し、目標達成の可否を判定します。
A3: 既存回線の稼働率を として上と同じ式に代入し、目標達成の可否を判定します。
関連キーワード: 稼働率, 可用性, 冗長化, 回線冗長, 信頼性工学, 系列・並列回路, ネットワーク設計, 高可用性

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