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基本情報技術者 2014年 春期 午前(科目A)45


問題文

生体認証システムを導入するときに考慮すべき点として、最も適切なものはどれか。

選択肢

システムを誤作動させるデータを無害化する機能をもつライブラリを使用する。
パターンファイルの頻繁な更新だけでなく、ヒューリスティックスなど別の手段と組み合わせる。
本人のディジタル証明書を信頼できる第三者機関に発行してもらう。
本人を誤って拒否する確率と他人を誤って許可する確率の双方を勘案して装置を調整する。(正解)

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生体認証システムの性能調整【午前解説】

正解の理由

正解:
生体認証では「本人を誤って拒否する確率(FRR)」と「他人を誤って許可する確率(FAR)」の双方が重要な評価指標です。装置の閾値(しきい値)をどこに設定するかでFRRとFARがトレードオフになるため、単に一方を最小化するのではなく、業務要件やリスクに合わせて両者を勘案して調整する必要があります。したがって、設問の選択肢の中で最も適切なのは です。

解法ステップ

  1. 設問のキーワード「本人を誤って拒否する確率」「他人を誤って許可する確率」を確認する。
  2. これらがFRRとFARでありトレードオフ関係にあることを思い出す。
  3. 「どちらか一方だけを対策する」選択肢は不十分と判断する。
  4. 運用(閾値調整・多要素・ライブネス検出)を含む選択肢を正答とする。

選択肢別の誤答解説

  • ア: システムを誤作動させるデータを無害化するライブラリの使用は一般的なソフトウェア安全対策に近く、生体認証固有のFAR/FRR調整やライブネス対策には直接対応しません。
  • イ: パターンファイル(テンプレート)を頻繁に更新するだけでは、環境変化や攻撃対策、閾値運用などの課題を解決できず、誤認識の根本要因に対処できません。
  • ウ: ディジタル証明書はIDの検証に有効ですが、生体認証装置の誤許可・誤拒否率の調整やスプーフィング防止とは目的が異なります。
  • : 正解。FRRとFARの双方を勘案し装置の動作点(閾値)を調整することが生体認証導入時の基本かつ重要な考慮点です。

よくある誤解

  • 誤解1: 「ライブラリで誤作動を無害化すればよい」 — 誤作動対策は重要ですが、ライブラリだけで生体認証の根本問題(閾値やスプーフィング)を解決できません。
  • 誤解2: 「パターンファイルの頻繁な更新で対応可能」 — 生体特徴は固定的であり、頻繁な更新は管理コストや誤動作を招くため効果的とは限りません。
  • 誤解3: 「ディジタル証明書発行で済む」 — 証明書は公開鍵基盤の話であり、生体認証の誤受理・誤拒否の問題とは別次元です。

補足コラム

  • 基本指標の定義: EER(Equal Error Rate)はとなる点で、システム比較に使われますが、運用点は必ずしもEERに合わせるべきではありません。
  • 実務ではROC曲線やDET曲線で性能を可視化し、業務リスクに基づいて閾値を決定します。さらにライブネス検出や多要素認証、テンプレート保護(可逆でない保存、キャンセル可能バイオメトリクス)を組み合わせると安全性が高まります。
  • テストは代表的なユーザ群・環境(照明、湿度、年齢変化)を含めて評価し、閾値の再調整計画を運用に組み込むことが重要です。

FAQ

Q1: FARをゼロにすれば安全になりますか?
A1: FARを極端に低くするとFRRが高くなり、正当なユーザの利用阻害が発生します。業務リスクとのバランスが必要です。
Q2: EERで閾値を決めるべきですか?
A2: 比較指標として有用ですが、業務要件(利便性重視か安全重視か)に応じて最適動作点を選ぶべきです。
Q3: ライブネス検出は必須ですか?
A3: スプーフィング(偽造)リスクが高い用途ではほぼ必須です。生体情報の盗用対策として重要な層になります。
Q4: 多要素認証はいつ使うべきですか?
A4: 高いセキュリティが求められる場面や、誤認識による影響が大きい場合に、生体+知識(PIN等)やトークンを組み合わせて利用します。

関連キーワード: 生体認証、バイオメトリクス、FAR、FRR、EER、閾値設定、ROC曲線、ライブネス検出、テンプレート保護、多要素認証
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