基本情報技術者 2015年 秋期 午前(科目A) 問14
問題文
MTBFとMTTRに関する記述として、適切なものはどれか。
選択肢
ア:エラーログや命令トレースの機能によって、MTTRは長くなる。
イ:遠隔保守によって、システムのMTBFは短くなり、MTTRは長くなる。
ウ:システムを構成する装置の種類が多いほど、システムのMTBFは長くなる。
エ:予防保守によって、システムのMTBFは長くなる。(正解)
##: MTBFとMTTRに関する記述として、適切なものはどれか。【午前2 解説】
要点まとめ
- 結論:予防保守は部品の摩耗や劣化を未然に対処して故障発生率を下げ、システムの MTBF を延ばすため、選択肢では エ が正しい。
- 根拠:MTBF は単位時間当たりの故障率 λ の逆数(一定故障率近似で )に相当し、予防保守は λ を低下させるため MTBF が増加する。
- 差がつくポイント:MTTR(平均修復時間)と MTBF(平均故障間隔)を混同しないこと、遠隔保守や装置数の影響は文脈次第で変わる点を押さえる。
正解の理由
正解は エ(予防保守によって、システムのMTBFは長くなる)。
MTBF(Mean Time Between Failures)は平均的に次の故障までの時間を表す指標で、故障率 が一定と仮定すると となります。予防保守(定期点検、部品交換、潤滑、清掃、コンディション監視など)は部品の劣化を未然に補うことで故障率 を下げるため、結果として MTBF が延びます。したがって「予防保守により MTBF は長くなる」という記述は適切です。
MTBF(Mean Time Between Failures)は平均的に次の故障までの時間を表す指標で、故障率 が一定と仮定すると となります。予防保守(定期点検、部品交換、潤滑、清掃、コンディション監視など)は部品の劣化を未然に補うことで故障率 を下げるため、結果として MTBF が延びます。したがって「予防保守により MTBF は長くなる」という記述は適切です。
よくある誤解
- MTBF と MTTR を逆に覚えている:MTBF は故障間隔、MTTR は平均修復時間(修理にかかる時間)で目的が違います。
- 遠隔保守は MTBF を短くするという誤解:遠隔保守は通常修復時間を短縮し MTTR を下げる方向であり、MTBF 自体を直接短くするものではありません。
- 構成装置が多いほど MTBF が長くなると誤解:むしろ構成部品が増えると単純な直列系では故障率が合算され、システム MTBF は短くなる傾向があります。
解法ステップ
- 用語定義:MTBF(故障間隔)と MTTR(修復時間)を明確にする。
- 各選択肢が MTBF に与える影響を「故障率 (MTBF)」「修復時間(MTTR)」のどちらに作用するかで分類する。
- 予防保守は故障発生の原因を減らす(↓)ため MTBF ↑。遠隔保守は主に修復・対応時間を短縮(MTTR↓)。装置数増加は系構成によっては故障確率↑(MTBF↓)。
- 各選択肢を論理的に当てはめ、矛盾がないものを正答とする。
選択肢別の誤答解説
-
ア: エラーログや命令トレースの機能によって、MTTRは長くなる。
誤り。ログやトレースは原因特定を容易にし、修復手順を短縮することが多く、むしろ MTTR を短縮する効果が期待されます。長くなるとは通常言えません。 -
イ: 遠隔保守によって、システムのMTBFは短くなり、MTTRは長くなる。
誤り。遠隔保守(リモート診断・遠隔操作)は現場到着の必要性を減らし、対応時間を短縮して MTTR を下げることが期待されます。MTBF を短くする直接的な理由は通常なく、逆に早期対応で大きな故障を防げれば間接的に MTBF に好影響を与える場合もあります。 -
ウ: システムを構成する装置の種類が多いほど、システムのMTBFは長くなる。
誤り。構成要素が多いと故障発生箇所が増え、直列構成の場合はシステム全体の故障率が増える(各λの和に近くなる)ため MTBF はむしろ短くなる傾向です。冗長化がある場合は可用性向上に繋がりますが、選択肢の趣旨とは異なります。 -
エ: 予防保守によって、システムのMTBFは長くなる。
正解。予防保守は劣化管理や摩耗部品交換で故障率を低減するため、MTBF を延ばす効果があります。
補足コラム
- 可用性の関係式:可用性(Availability)はおおよそ で表されます。MTBF を増やすか MTTR を減らすことで可用性を高められます。
- 実務的配慮:予防保守にも過剰実施のコストや故障誘発(誤操作)リスクがあるため、時期(時間基準)と状態監視(コンディションベース)を組み合わせた最適化が重要です。
- 冗長化との違い:冗長化はシステム可用性を高めますが、個々の装置の MTBF を直接変えるものではありません。設計合わせ技(予防保守+冗長化)が効果的です。
FAQ
Q1: 予防保守は MTTR にも影響しますか?
A1: 間接的には影響します。点検記録や部品交換により故障原因が明確になり、修復手順が簡素化されれば MTTR は短縮され得ますが、主効果は MTBF の向上です。
A1: 間接的には影響します。点検記録や部品交換により故障原因が明確になり、修復手順が簡素化されれば MTTR は短縮され得ますが、主効果は MTBF の向上です。
Q2: 遠隔保守で MTBF が改善することはありますか?
A2: 直接の MTBF 改善は少ないですが、早期診断で小さな異常を発見し予防措置につなげれば間接的に MTBF を改善する場合があります。主な効果は MTTR の短縮です。
A2: 直接の MTBF 改善は少ないですが、早期診断で小さな異常を発見し予防措置につなげれば間接的に MTBF を改善する場合があります。主な効果は MTTR の短縮です。
Q3: 構成部品を増やせば必ず MTBF は下がりますか?
A3: 単純な直列系では部品増加で故障確率が上がり MTBF は下がる傾向です。ただし、冗長化(並列構成)を取り入れればシステム可用性は改善できます。
A3: 単純な直列系では部品増加で故障確率が上がり MTBF は下がる傾向です。ただし、冗長化(並列構成)を取り入れればシステム可用性は改善できます。
Q4: MTBF の算出で注意すべき点は?
A4: MTBF は故障分布の仮定(一定故障率か、初期故障や摩耗期を含むか)で意味合いが変わるため、適切な区分(初期不良、偶発故障、摩耗故障)で評価する必要があります。
A4: MTBF は故障分布の仮定(一定故障率か、初期故障や摩耗期を含むか)で意味合いが変わるため、適切な区分(初期不良、偶発故障、摩耗故障)で評価する必要があります。
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