基本情報技術者 2015年 秋期 午前(科目A) 問15
問題文
2台の処理装置から成るシステムがある。少なくともいずれか一方が正常に動作すればよいときの稼働率と2台とも正常に動作しなければならないときの稼働率の差は幾らか。ここで、処理装置の稼働率はいずれも0.9とし、処理装置以外の要因は考慮しないものとする。
選択肢
ア:0.09
イ:0.10
ウ:0.18(正解)
エ:0.19
##: 2台の処理装置の稼働率の差【午前2 解説】
要点まとめ
- 結論:各装置の稼働率が0.9のとき、少なくとも一方が正常なら稼働率は0.99、両方正常は0.81で差は0.18になります(問題の求める差はこれです)。
- 根拠:独立と仮定すると「少なくとも一方が正常」は 、「両方正常」は なので差は で評価できます。
- 差がつくポイント:和や減算の誤適用や独立性の誤認、確率の補集合(失敗の確率を使う)を正しく扱えるかが合否を分けます。
正解の理由
正解は ウ です。
理由は次のとおりです。1台の稼働率を とすると、両方故障する確率は です。
「少なくとも一方が正常に動作する」確率は補集合を使って 、
「両方とも正常に動作する」確率は です。差は となり、選択肢のうち ウ に一致します。
理由は次のとおりです。1台の稼働率を とすると、両方故障する確率は です。
「少なくとも一方が正常に動作する」確率は補集合を使って 、
「両方とも正常に動作する」確率は です。差は となり、選択肢のうち ウ に一致します。
よくある誤解
- 「少なくとも一方が正常」= としてしまう誤り:単純に片方の稼働率を使ってしまい、システムの並列性を考慮していない。
- 和をそのまま足す誤り: のように足してしまい、重複(両方正常)を引かないミス。
- 補集合の扱いミスで を使う誤り:これは「少なくとも一方が正常」ではなく「少なくとも一台が故障している」確率になってしまう。
解法ステップ
- 各処理装置の稼働率を とする。
- 両方故障する確率を計算する:。
- 少なくとも一方が正常に動作する確率を補集合で求める:。
- 両方とも正常に動作する確率を求める:。
- 差を取る:、よって正解は ウ。
選択肢別の誤答解説
- ア: 0.09
- どこから来るか: の計算をしている場合。これは「1台だけ稼働している確率」を誤って差とみなしたケース。問題は「少なくとも一方」と「両方」の差を問うている。
- イ: 0.10
- どこから来るか:単純に失敗確率 を差と勘違いした可能性。意味的に合わない。
- ウ: 0.18
- 正解。上記の通り 。
- エ: 0.19
- どこから来るか: を計算しており、これは「両方が動かない(=両方が動くことの補)ではないか」と誤解した結果。実際の「少なくとも一方が正常」は であり、この値は問題の文意にそぐわない。
補足コラム
- 並列冗長(どちらか一方で良い)の可用性は一般に 、直列冗長(全てが必要)は です。今回は の特殊ケースです。
- 一般式の差は となり、 が高いほど両者の差は一般にどのように変化するか興味深いです。例えば では差が比較的大きく出ますが、 が極端に低い・高いと差の挙動は変わります。
- 実務では装置間の独立性が重要です。故障が連鎖する(独立でない)場合、この単純な式は使えません。
FAQ
Q1: なぜ「少なくとも一方が正常」を とするのですか?
A1: 「少なくとも一方が正常」は「両方とも故障している場合以外」を表すため、補集合を使って P(両方故障) を取ります。
A1: 「少なくとも一方が正常」は「両方とも故障している場合以外」を表すため、補集合を使って P(両方故障) を取ります。
Q2: 装置の故障は独立でないとどうなる?
A2: 故障が独立でない場合、共通の故障因子(電源や環境)を考慮したモデルが必要で、単純な累乗計算は成立しません。
A2: 故障が独立でない場合、共通の故障因子(電源や環境)を考慮したモデルが必要で、単純な累乗計算は成立しません。
Q3: n台に拡張すると差はどう計算する?
A3: 差は です。並列と直列の可用性差を直接表します。
A3: 差は です。並列と直列の可用性差を直接表します。
関連キーワード: 稼働率、可用性、信頼度、冗長化、並列冗長、直列冗長、独立事象、確率の補集合、故障確率

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