基本情報技術者 2015年 秋期 午前(科目A) 問65
問題文
IT投資案件において、5年間の投資効果をROI(Return On Investment)で評価した場合、四つの案件a〜dのうち、最も効果が高いものはどれか。ここで、内部収益(IRR)は0とする。

選択肢
ア:a(正解)
イ:b
ウ:c
エ:d
IT投資のROI比較(5年間)【午前2 解説】
要点まとめ
- 結論:5年合計で見ると案件aが最も高いROIであり、投資100に対して合計受取135、比率で最上位です。
- 根拠:IRRを0(割引率0)とするため各年の利益を単純合算し、合計利益÷初期投資で比較しています。
- 差がつくポイント:年ごとの回収の偏りではなく「総受取額÷投資額」が評価基準なので合計比率が高い案件を選びます。
正解の理由
正解は ア です。各案件の5年間合計利益を初期投資で割った比率(ROI)を計算すると、案件aが最も大きくなります。IRR=0(割引率0%)の条件下では将来キャッシュフローを現在価値に割引せず単純合算するため、次のように算出します。
- 案件a:合計利益 = 15+30+45+30+15 = 135、ROI = 135 / 100 = 1.35(=135% 総受取比率、純増分は35%) 他の案件はこれを下回るため、ROI基準ではaが最も投資効果が高いと判断します。
よくある誤解
- 割引をかけて比較してしまう誤り:問題でIRR=0と明示されているため割引不要です。割引すると順位が変わる可能性があります。
- 年平均や回収年数だけで判断する誤り:ROIは総合的な収益性指標なので単年の高収益や早期回収だけで高評価してはいけません。
- ROIの定義混同:ROIを「(総受取額)/投資額」として比べれば順位は変わりませんが、「(総受取−投資)/投資」を使う場合も割合は同じ順序です。
解法ステップ
- 各案件について5年間の利益を単純合算する(IRR=0なので割引不要)。
- 合計利益を初期投資額で割る: を計算する。
- 全案件のROIを比較し、最大の案件を選ぶ。必要に応じて百分率表記に変換する。
選択肢別の誤答解説
- ア(a) — 正解:合計利益135、投資100、(総受取比率135%、純増分35%)。最も高い。
- イ(b) — 誤り:合計利益105+75+45+15+0=240、投資200、(20%)。aより低い。
- ウ(c) — 誤り:合計利益60+75+90+75+60=360、投資300、(20%)。bと同率でaより低い。
- エ(d) — 誤り:合計利益105×5=525、投資400、(約31.25%)。aに次ぐが僅かに劣る。
補足コラム
ROIは簡便で理解しやすい指標ですが、期間の長短やタイミング(初期に集中する現金収入か末期に偏るか)を考慮しません。実務では割引率を使ったNPVや年率換算のIRR、回収期間などと併せて評価するのが望ましいです。今回の設問のように「IRR=0(割引なし)」と条件が与えられているときは単純合算で正しく比較できます。
FAQ
Q1:IRRが0じゃなかったらどうする?
A1:割引率を指定の金利(またはIRR)で各年の利益を現在価値に割引し、NPVや割引後の総受取額で比較します。順位が変わることがあります。
A1:割引率を指定の金利(またはIRR)で各年の利益を現在価値に割引し、NPVや割引後の総受取額で比較します。順位が変わることがあります。
Q2:ROIの表記はどれが正しい?
A2:一般に2通りあります。①総受取額/投資額(今回使った表現、順位は同じ)②(総受取−投資)/投資(純増分を%で表す)。どちらを使うかは問題文の定義に従ってください。
A2:一般に2通りあります。①総受取額/投資額(今回使った表現、順位は同じ)②(総受取−投資)/投資(純増分を%で表す)。どちらを使うかは問題文の定義に従ってください。
Q3:年ごとの利益が負の場合は?
A3:合算した総利益がマイナスになればROIもマイナスとなり不採算です。割引がある場合はNPVやIRRの活用を検討します。
A3:合算した総利益がマイナスになればROIもマイナスとなり不採算です。割引がある場合はNPVやIRRの活用を検討します。
関連キーワード: ROI、内部収益率、NPV、割引率、回収期間、投資評価、キャッシュフロー、費用対効果

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