基本情報技術者 2015年 春期 午前(科目A) 問53
問題文
プロジェクトスコープマネジメントにおいて、WBS作成のプロセスで行うことはどれか。
選択肢
ア:作業の工数を算定して、コストを見積もる。
イ:作業を階層的に細分化する。(正解)
ウ:作業を順序付けして、スケジュールとして組み立てる。
エ:成果物を生成するためのアクティビティを定義する。
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WBSの階層的分解【午前解説】
正解の理由
正解は イ です。WBS(Work Breakdown Structure)作成プロセスは、プロジェクト成果物を基にその作業を階層的に分解(decomposition)して、管理可能な作業パッケージまで落とすことを目的とします。これによりスコープが明確になり、後続の見積もり、スケジュール作成、責任分担が容易になります。選択肢イはこの「階層的に細分化する」という本質を正確に表しています。
解法ステップ
- 問題文のキーワードを確認:「WBS作成のプロセス」→ WBS(Work Breakdown Structure)の定義を思い出す。
- PMBOK 的な用語と対応付け:WBS 作成=decomposition(成果物ベースの階層分解)。
- 各選択肢を別プロセスと比較:工数見積り、作業の順序付け、アクティビティ定義はそれぞれ別プロセスであることを判断。
- 最も定義に合致する選択肢(階層的に細分化する)を選ぶ。
選択肢別の誤答解説
- ア: 作業の工数を算定して、コストを見積もる。
- 誤り。これは「コスト見積り」や「資源見積り」「工数見積り」のプロセスで行う作業であり、WBS作成の直接的な活動ではありません。WBSは見積りの入力となります。
- イ: 作業を階層的に細分化する。
- 正解。WBS作成の本質は成果物ベースで作業を階層化・分解して作業パッケージを定義することです。
- ウ: 作業を順序付けして、スケジュールとして組み立てる。
- 誤り。これは「アクティビティの順序付け(Sequence Activities)」や「スケジュール作成(Develop Schedule)」に該当します。WBS作成は順序付けより前の作業です。
- エ: 成果物を生成するためのアクティビティを定義する。
- 誤り。アクティビティの定義(Define Activities)は WBS を受けて、作業パッケージをさらにスケジュール可能なアクティビティに分解する別プロセスです。エは次工程に相当します。
よくある誤解
- WBS=スケジュールと勘違いする: WBS は作業の「構造化」であり、作業の順序付けや日程化は別プロセスです。
- WBSでコストや工数を確定すると思い込む: 見積りは WBS を基に行うが、算定自体はコスト/工数見積りプロセスで行います。
- 作業パッケージの粒度が曖昧になる: 分解が浅すぎると管理不能、深すぎると非効率となるため「管理可能な最小単位」を意識する必要があります。
補足コラム
- 100%ルール: WBS はプロジェクトのスコープを「もれなく、だぶりなく」表現する必要があり、上位要素は下位要素の合計で説明できることが求められます。
- WBSディクショナリ: 各要素に対して説明、成果物、担当者、受け入れ基準などを記載し、定義のあいまいさを排除します。
- 粒度の目安: 作業パッケージは一般に管理可能で見積もり可能、責任を割り当てられる最小単位とし、期間は数日〜数ヶ月程度を目安にします(プロジェクト規模に依存)。
FAQ
Q1: WBS とガントチャートは同じですか?
A1: いいえ。WBS は作業の階層構造(何をするか)を示し、ガントチャートは作業の時系列(いつ、どの順で)を示します。WBS がスケジュール作成の入力になります。
A1: いいえ。WBS は作業の階層構造(何をするか)を示し、ガントチャートは作業の時系列(いつ、どの順で)を示します。WBS がスケジュール作成の入力になります。
Q2: WBS をどれくらいの階層まで作ればよいですか?
A2: 組織やプロジェクトの管理レベルに依存しますが、作業パッケージが「管理可能で見積り可能」かつ「責任を割り当てられる」最小単位になるまで分解します。一般には 3〜5 レベルが多いです。
A2: 組織やプロジェクトの管理レベルに依存しますが、作業パッケージが「管理可能で見積り可能」かつ「責任を割り当てられる」最小単位になるまで分解します。一般には 3〜5 レベルが多いです。
Q3: WBS にリソースやコストを直接書いても良いですか?
A3: WBS 自体は構造化された作業分解が目的ですが、WBSディクショナリでリソースやコストの参照情報を持たせるのは有用です。正式な見積りは別プロセスで行います。
A3: WBS 自体は構造化された作業分解が目的ですが、WBSディクショナリでリソースやコストの参照情報を持たせるのは有用です。正式な見積りは別プロセスで行います。
関連キーワード: WBS、スコープマネジメント、ディコンポジション、成果物指向、WBSディクショナリ、100%ルール、アクティビティ定義、スケジュール作成、工数見積り、PMBOK

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