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基本情報技術者 2015年 春期 午前(科目A)61


問題文

システム監査人が監査報告書に記載する事項のうち、監査人の業務範囲を逸脱するものはどれか。

選択肢

改善の勧告
改善の緊急性の判断
改善の指摘
改善の命令(正解)

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監査人の業務範囲判断【午前解説】

正解の理由

監査人の職務は、被監査対象の統制や運用の適合性・有効性を評価し、問題点を指摘・報告し、改善の勧告を行うことです。監査人が「命令」を出すことは、経営・運用の執行権限を行使することであり、独立性・客観性を損ない、職務分掌の原則に反します。したがって「改善の命令」は監査人の業務範囲を逸脱します。

解法ステップ

  1. 問題文で問われている行為が「監査人の役割(評価・指摘・勧告)」か「経営・執行の役割(命令・実施・決定)」かを切り分ける。
  2. 各選択肢を「評価・勧告に該当するか」「執行権を伴うか」で分類する。
  3. 執行権を伴う選択肢があれば、それが業務範囲逸脱と判断する。

選択肢別の誤答解説

正解:
  • ア: 改善の勧告
    • 解説:監査人は問題点に対して改善を勧告することが主要な役割の一つであり、妥当です。
  • イ: 改善の緊急性の判断
    • 解説:リスク評価に基づいて重大性や緊急性を示すことは監査報告で行われる。優先度を示すことで経営判断に資するため許容されます。
  • ウ: 改善の指摘
    • 解説:不備やリスクを指摘することは監査の基本活動であり、報告に含めるべき事項です。
  • : 改善の命令
    • 解説:命令は業務執行権限の行使に当たり、監査人の独立性を失わせるため許されません。よって逸脱です。

よくある誤解

  • 監査人が「緊急性の判断」をするのは職権外だ:緊急性や優先度はリスク評価の一部であり、報告で示すことは許容されます。
  • 「勧告」と「命令」は同じ効果がある:見た目は似ていても法的・組織的な意味が異なり、命令は執行権を伴います。
  • 監査人は改善方法まで具体的に指示してよい:推奨や参考案は示せますが、最終的な対策決定は経営側の責務です。

補足コラム

監査人と経営・運用担当者の線引きは内部統制の基本です。監査人は「評価者(チェック&報告)」として、問題の有無、原因、影響、改善の必要性や推奨案を示しますが、対策の採用、実施方法、実行時期、責任者の指定などは被監査組織側の判断と責任です。外部監査や規制監督者でも状況により是正命令を出せますが、それは監査人の通常職務とは別の権限に基づきます。

FAQ

Q1: 監査人が改善の期限や担当部門を報告書で示してもよいですか?
A1: 期限や担当の提案は報告の参考情報として示すことは可能ですが、正式な命令や強制力を持たせるべきではありません。最終決定は経営側が行います。
Q2: 緊急性が高い不備を見つけた場合、監査人は直ちに対応を指示できますか?
A2: 指示はできません。ただし、重大リスクの場合は口頭で速やかに関係者に注意喚起し、報告書で重大性と優先順位を明確に伝えることが求められます。
Q3: 監査人が改善案の具体的手順を示すのは問題ですか?
A3: 問題ありません。改善案やベストプラクティスの提示は助言に該当しますが、実施の最終決定や命令権限は組織側にあります。

関連キーワード: システム監査、監査報告書、内部統制、監査人の独立性、改善勧告、リスク評価
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