基本情報技術者 2016年 秋期 午前(科目A) 問02
問題文
ある工場では、同じ製品を独立した二つのラインA, Bで製造している。ラインAでは製品全体の60%を製造し、ラインBでは40%を製造している。ラインAで製造された製品の2%が不良品であり、ラインBで製造された製品の1%が不良品であることが分かっている。いま、この工場で製造された製品の一つを無作為に抽出して調べたところ、それは不良品であった。その製品がラインAで製造された確率は何%か。
選択肢
ア:40
イ:50
ウ:60
エ:75(正解)
ラインA・Bで製造された不良品の起源はどちらか【午前2 解説】
要点まとめ
- 結論: ベイズの定理で計算すると、不良品がラインAで製造された確率は75%であり、直感に反してA由来が多数を占めるため正解はエです。この結論は具体計算で示します。
- 根拠: 全体の不良寄与はAが0.6×0.02=0.012、Bが0.4×0.01=0.004で合計0.016、したがってAの寄与比は0.012/0.016=75%です。
- 差がつくポイント: 条件付き確率(ベイズ)と全確率分解を混同しないこと、分子に「不良かつA」を、分母に「全ての不良」を置く理解が得点差を生みます。
正解の理由
求めたいのは「不良であるときにそれがラインAで作られた確率」つまり です。ベイズの定理と全確率を用いると、
であり、 です。数値を代入すると、
、よって75%で選択肢はエが正解です。
よくある誤解
- 単純にライン比率をそのまま答え「60%(ウ)」とする誤り:不良率の違いを考慮していないため誤りです。
- 裏返して「40%(ア)」や「50%(イ)」を選ぶ誤り:分子と分母を取り違えたり、平均を誤って使った結果です。
- 不良の寄与率計算でパーセント表現をそのまま足すミス:割合は必ず確率(小数)に直して計算してください。
解法ステップ
- イベントを定義する:Aは「ラインAで製造」、Bは「ラインBで製造」、Dは「不良」。
- 事前確率を確認:。
- 条件付き不良確率を確認:。
- 全確率で不良の総確率を求める:。
- ベイズの定理で事後確率を計算: → 75%。
選択肢別の誤答解説
- ア: 40 — ラインBの製造比率(40%)と混同した誤り。問題は「不良品がどちらで作られたか」なので不良率を考慮する必要があります。
- イ: 50 — 中途半端な平均や直感による誤答。正しい計算(不良の寄与比)をしていないため出る値です。
- ウ: 60 — ラインAの製造割合をそのまま答えた誤り。Aが全体の60%を作るが、不良率が高いため不良中の割合は60%より大きくなります。
- エ: 75 — 正解。ベイズの定理により と求まります。
補足コラム
直感がつかみにくい場合は「具体的な個数モデル」を使うと分かりやすいです。例えば10000個製造したとすると、A製造は6000個、そのうち不良は2%で120個。B製造は4000個で不良は1%で40個。合計不良160個中A由来は120個なので120/160=75%です。ベイズは検査・診断問題でも同様に使われ、事前確率と感度・特異度の扱い方を理解することが重要です。
FAQ
Q1: なぜ単に製造比(60%)ではダメなのですか?
A1: 問題は「不良であることを前提」にした確率であり、製造比は先行確率に過ぎません。不良率が異なるため不良の母集団中での寄与比が変わります。
A1: 問題は「不良であることを前提」にした確率であり、製造比は先行確率に過ぎません。不良率が異なるため不良の母集団中での寄与比が変わります。
Q2: 他の数値でも同じ手順でよいですか?
A2: はい。常に全確率(不良の総和)を分母に、対象事象(不良かつA)を分子に置いてベイズの定理で求めます。
A2: はい。常に全確率(不良の総和)を分母に、対象事象(不良かつA)を分子に置いてベイズの定理で求めます。
Q3: 小数で計算するのが不安です。簡単な工夫は?
A3: 個数で考える(例:1000個や10000個)と直感的に理解しやすく、計算ミスも減ります。
A3: 個数で考える(例:1000個や10000個)と直感的に理解しやすく、計算ミスも減ります。
関連キーワード: ベイズの定理、全確率の法則、条件付き確率、事後確率、確率問題、確率の直観訓練

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