基本情報技術者 2016年 秋期 午前(科目A) 問05
問題文
標本化、符号化、量子化の三つの工程で、アナログをディジタルに変換する場合の順番として、適切なものはどれか。
選択肢
ア:標本化、量子化、符号化(正解)
イ:符号化、量子化、標本化
ウ:量子化、標本化、符号化
エ:量子化、符号化、標本化
標本化・量子化・符号化の順序はどれか【午前2 解説】
要点まとめ
- 結論:正しい順序はアの「標本化→量子化→符号化」です。まず時間連続信号を時間離散化します。
- 根拠:標本化で時刻を離散化し、量子化で振幅を離散化、最後に符号化で離散値をビット列に変換するからです。
- 差がつくポイント:標本化前のアンチエイリアス処理や量子化ビット数とSNRの関係( dB)を押さえてください。
正解の理由
正解は ア です。処理の役割と依存関係を考えると順序は固定的です。まず標本化(サンプリング)で時間連続信号を一定時刻間隔で取り出して時刻方向を離散化します。次に量子化で各サンプルの振幅を有限個のレベルに丸めて振幅方向を離散化します。最後に符号化で量子化レベルを2進などのビット列に変換して記録・伝送しやすくします。もしこの順序が入れ替わると、たとえば量子化が先に来ると連続時間の値に対する振幅離散化が不可能になり、符号化が先に来ると符号化対象が存在しないため処理が成立しません。なお標本化はサンプリング定理に従いなどの条件を満たす必要があり、事前にアンチエイリアス(ローパス)処理を行います。
よくある誤解
- 「符号化は最初でもよい」は誤解です。符号化は離散値(量子化結果)をビットに変える処理なので、量子化より前にはできません。
- 「標本化と量子化は同じ処理だ」と混同しやすいですが、標本化は時間軸の離散化、量子化は振幅軸の離散化と目的が異なります。
- 「量子化は可逆処理だ」と考える誤認。量子化は一般に不可逆で量子化雑音(誤差)を導入します。
解法ステップ
- 各用語の定義を確認する:標本化=時間離散化、量子化=振幅離散化、符号化=ビット化。
- 処理の依存関係を考える:量子化はサンプル(時刻離散化された値)に対して行うため標本化が先。
- 最後にその離散値をビット列にするのが符号化なので順番は「標本化→量子化→符号化」。
- 選択肢と照らし合わせ、正しい順序のものを選ぶ。
選択肢別の誤答解説
- ア: 標本化、量子化、符号化 — 正解。時間→振幅→ビットの順で論理的に成立します。
- イ: 符号化、量子化、標本化 — 誤り。符号化する対象(量子化された値)がまだ存在しないため順序が逆です。
- ウ: 量子化、標本化、符号化 — 誤り。量子化はサンプル(時刻離散の結果)に対して行うため、標本化前に量子化はできません。
- エ: 量子化、符号化、標本化 — 誤り。量子化も符号化も時刻離散化より後に行うべき処理です。
補足コラム
- 実際のアナログ→ディジタル変換(ADC)では、アナログのローパス(アンチエイリアス)フィルタ → サンプル・ホールド → A/D変換(量子化) → デジタル符号化(PCM等)という流れが一般的です。
- 量子化ビット数Nと理想的SNRの関係は近似式 dB で表され、ビット数を増やすと量子化雑音が減ります。
- オーバーサンプリング+ノイズシェーピングを行うΔΣ(デルタシグマ)変換器は内部でディジタル処理を行いますが、概念的には標本化→量子化→符号化の流れは維持されます。
- 圧縮は通常「符号化」の一部(可逆/非可逆符号化)として位置付けられ、量子化後のデータに対して行われます。
FAQ
Q: 符号化と量子化は同じですか?
A: いいえ。量子化は振幅を離散化する工程で、符号化はその離散値をビット列に変換する工程です。目的と可逆性が異なります。
A: いいえ。量子化は振幅を離散化する工程で、符号化はその離散値をビット列に変換する工程です。目的と可逆性が異なります。
Q: 標本化の前にフィルタは必要ですか?
A: はい。アンチエイリアスフィルタにより高周波成分を除去しないと折り返し雑音(エイリアシング)が発生します。
A: はい。アンチエイリアスフィルタにより高周波成分を除去しないと折り返し雑音(エイリアシング)が発生します。
Q: デジタル圧縮はどの段階で行いますか?
A: 一般には量子化後のデータに対して行うため、符号化(エンコード)段階で圧縮処理が組み込まれます。
A: 一般には量子化後のデータに対して行うため、符号化(エンコード)段階で圧縮処理が組み込まれます。
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