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基本情報技術者 2016年 秋期 午前(科目A)26


問題文

E-R図に関する記述のうち、適切なものはどれか。

選択肢

関係データベースの表として実装することを前提に表現する。
管理の対象をエンティティ及びエンティティ間のリレーションシップとして表現する。(正解)
データの生成から消滅に至るデータ操作を表現する。
リレーションシップは、業務上の手順を表現する。

E-R図に関する記述のうち、適切なものはどれか。【午前2 解説】

要点まとめ

  • 結論→E-R図は現実世界の管理対象をエンティティとエンティティ間のリレーションシップで概念的に表現する図で、正解はです。
  • 根拠→E-R図は概念データモデルであり、エンティティ・属性・主キー・リレーションシップでデータの構造を表し、処理の順序やライフサイクルは対象外です。
  • 差がつくポイント→テーブル実装は物理設計の話で、生成・消滅や業務手順はDFDやBPMN等の別図式で表現する、と区別して覚えると得点差がつきます。

正解の理由

E-R図(Entity-Relationship図)は、データベース設計の概念段階で用いる「何を管理するか」を表すモデルです。
主な構成要素はエンティティ(管理対象)、属性(エンティティの性質)、主キー(識別子)、リレーションシップ(エンティティ同士の関係)であり、これらを図で整理して概念スキーマを表現します。
したがって「管理の対象をエンティティ及びエンティティ間のリレーションシップとして表現する」説明が正しく、選択肢の中ではが妥当です。
ポイント:
  • E-R図は「概念モデル」であり、物理実装(テーブル定義)や業務フロー、データ生成/消滅といった振る舞いは本来の対象ではありません。
  • リレーションシップはあくまで「データ間の関係」を表現し、手続きや手順を表すものではありません。

よくある誤解

  • 「E-R図=そのままの形でテーブルになる」と考える:E-R図は概念モデルで、関係モデル(テーブル)への変換や正規化などの設計作業が必要です。
  • 「リレーションシップ=業務手順」と誤解する:リレーションシップは関係性(1対多、等)を示すだけで、処理の順序やワークフローを表しません。
  • 「E-R図でデータの生成/消滅を表現できる」と思う人がいる:これらは動的振る舞いで、状態遷移図やDFDで扱うのが適切です。

解法ステップ

  1. 問題文で「E-R図」に問われている対象(概念モデルか実装や処理か)を確認する。
  2. 各選択肢が「概念的表現」「物理実装」「動的振る舞い」「業務手順」のどれに該当するかを振り分ける。
  3. E-R図の定義(エンティティ・属性・リレーションシップ)と照合し、最も合致する選択肢を選ぶ。
  4. あいまいな語(関係・リレーション・操作など)が出てきたら「データの構造か処理か」を基準に判断する。

選択肢別の誤答解説

  • ア: 関係データベースの表として実装することを前提に表現する。
    • 誤り。E-R図は概念モデルであり、表(テーブル)への具体的な実装は物理設計・論理設計の段階で行います。E-R図からテーブル設計へは変換(マッピング)と正規化が必要です。
  • : 管理の対象をエンティティ及びエンティティ間のリレーションシップとして表現する。
    • 正答。E-R図の定義そのものであり、概念データモデルの本質を表しています。
  • ウ: データの生成から消滅に至るデータ操作を表現する。
    • 誤り。生成・更新・削除などのライフサイクルや手続きは動的振る舞いであり、E-R図は静的構造(スキーマ)を表します。
  • エ: リレーションシップは、業務上の手順を表現する。
    • 誤り。リレーションシップはエンティティ間の関連を示すものであり、業務手順やプロセスはBPMNやフローチャート等で表現します。

補足コラム

  • E-R図の起源はPeter Chenのモデル(1976)にあり、概念モデリングの代表的手法です。表記法にはChen表記やCrow's Foot(Crow's Foot notation)など複数あります。
  • E-R図→リレーショナルスキーマの変換例:エンティティはテーブル、属性はカラム、主キーは主キー、1対多は外部キーで表現します。
  • 簡単な例(文章説明):「顧客(Customer)」エンティティと「注文(Order)」エンティティがあり、顧客1人が複数の注文を持つ場合は「顧客──(1対多)──注文」のリレーションシップになります。
SQLでの変換例:
CREATE TABLE Customer (
  customer_id INT PRIMARY KEY,
  name VARCHAR(100),
  email VARCHAR(100)
);

CREATE TABLE Order (
  order_id INT PRIMARY KEY,
  customer_id INT,
  order_date DATE,
  FOREIGN KEY (customer_id) REFERENCES Customer(customer_id)
);

FAQ

Q. E-R図とUMLのクラス図は同じですか?
A. 似ていますが目的が異なります。E-R図はデータベースの概念モデル、UMLクラス図はソフトウェア設計でのオブジェクト指向モデルとしての振る舞いやメソッドも表現できます。
Q. E-R図で表現できないことは何ですか?
A. システムの処理手順、トランザクションの流れ、データの生成・消滅の時間的変化など、動的な振る舞いは表現対象外です。
Q. E-R図はテーブル設計に必須ですか?
A. 小規模で単純な場合は省略されることもありますが、設計の明確化・関係性の整理・意思疎通のために概念モデル(E-R図)は有用です。

関連キーワード: E-R図、エンティティ、リレーションシップ、概念データモデル、正規化、リレーショナルスキーマ、属性、主キー、Crow's Foot、データモデリング
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