基本情報技術者 2016年 秋期 午前(科目A) 問39
問題文
PKIにおける認証局が、信頼できる第三者機関として果たす役割はどれか。
選択肢
ア:利用者からの要求に対して正確な時刻を返答し、時刻合わせを可能にする。
イ:利用者から要求された電子メールの本文に対して、ディジタル署名を付与する。
ウ:利用者やサーバの公開鍵を証明するディジタル証明書を発行する。(正解)
エ:利用者やサーバの秘密鍵を証明するディジタル証明書を発行する。
PKIにおける認証局が果たす役割はどれか【午前2 解説】
要点まとめ
- 結論:認証局(CA)は利用者やサーバの「公開鍵」を証明するディジタル証明書を発行し、鍵と主体の対応を信頼の連鎖で担保します。
- 根拠:公開鍵基盤(PKI)は公開鍵の正当性を第三者が保証する仕組みであり、CAは証明書発行と失効情報の管理を行います。
- 差がつくポイント:秘密鍵は当人が厳重に管理し、署名や復号は秘密鍵で行う点と、時刻認証やタイムスタンプは別のTSA等の役割である点を区別できること。
正解の理由
正解は ウ です。認証局(CA: Certificate Authority)の主要な機能は、申請者の身元等を確認した上でその主体の公開鍵と主体情報を紐付けたディジタル証明書(通常はX.509形式)を発行することです。これにより、証明書を受け取った第三者は発行したCAを信頼することで、その公開鍵が正当な主体に属することを検証できます。CAはまた証明書失効リスト(CRL)やOCSPで失効情報の提供も行い、証明書の有効性を維持します。
よくある誤解
- 「CAが時刻合わせをする」:時刻の正確性を保証するのはタイムスタンプや時刻認証機関(TSA)であり、CAの役割ではありません。
- 「CAが電子メール本文に署名する」:ディジタル署名は署名者自身の秘密鍵で行われ、CAは署名そのものを付与しません。
- 「CAが秘密鍵を証明する」:秘密鍵は所有者のみが秘匿・管理すべきものであり、CAが証明や公開をする対象ではありません。
解法ステップ
- 問題文のキーワード(認証局、PKI、証明書、公開鍵、秘密鍵)を確認する。
- CAの定義(公開鍵と主体の紐付け、証明書発行、信頼チェーン、失効管理)と他の機関(TSAなど)の役割を思い出す。
- 各選択肢が CA の機能に一致するかを照合し、公開鍵を証明する選択肢を選ぶ。
- 秘密鍵や署名の生成、時刻サービスなどCAが通常行わない操作を含む選択肢は除外する。
選択肢別の誤答解説
- ア: 利用者からの要求に対して正確な時刻を返答し、時刻合わせを可能にする。
- 誤り。時刻の証明や時刻合わせ(タイムスタンプ提供)はTSA(Time Stamping Authority)やNTP等の別機関の役割であり、CAの本来の機能ではありません。
- イ: 利用者から要求された電子メールの本文に対して、ディジタル署名を付与する。
- 誤り。ディジタル署名は署名者自身が自分の秘密鍵で生成します。CAは署名を作るのではなく、公開鍵の正当性を証明する証明書を発行します。
- ウ: 利用者やサーバの公開鍵を証明するディジタル証明書を発行する。
- 正解。CAの代表的な機能であり、公開鍵と主体を紐付けるX.509などの証明書発行、及び失効情報管理を行います。
- エ: 利用者やサーバの秘密鍵を証明するディジタル証明書を発行する。
- 誤り。秘密鍵は証明の対象ではなく、組織や個人が厳重に保護するものであり、CAがその存在や中身を証明・公開することはないし、セキュリティ上も許されません。
補足コラム
- 証明書の形式と情報:一般的にX.509証明書は主体名、公開鍵、有効期限、発行者(CA)、シリアル番号、拡張情報(キー使用法など)、CAのデジタル署名で構成されます。
- 信頼の連鎖(チェーン):クライアントは証明書の発行者(CA)の公開鍵を信頼することで証明書を検証します。ルートCAは自己署名でありOSやブラウザのルートストアに登録されていることが信頼の源です。
- 失効管理:証明書が盗用された場合などにはCRLやOCSPで失効を通知します。OCSPはオンラインで即時確認できるため実運用で多用されます。
- 実務上の注意点:秘密鍵はスマートカードやHSMで保護する、証明書の有効期限管理を自動化するなどの運用対策が重要です。
FAQ
Q1: CAはどのようにして申請者の身元を確認するのですか?
A1: 簡易な場合はメール確認やドメイン所有確認、厳格な場合は対面での本人確認書類確認や企業登記情報のチェックなど、証明書のクラスによって手順が異なります。
A1: 簡易な場合はメール確認やドメイン所有確認、厳格な場合は対面での本人確認書類確認や企業登記情報のチェックなど、証明書のクラスによって手順が異なります。
Q2: CAが発行した証明書はどうやって失効を確認しますか?
A2: CRL(証明書失効リスト)を定期取得するか、OCSPでオンライン照会して失効状態を確認します。
A2: CRL(証明書失効リスト)を定期取得するか、OCSPでオンライン照会して失効状態を確認します。
Q3: 自分で公開鍵を証明することはできますか?
A3: 自己署名証明書は作成できますが、第三者が信頼しない限り広く利用されることは難しく、公開サービスでは一般に信頼されたCAの証明書が必要です。
A3: 自己署名証明書は作成できますが、第三者が信頼しない限り広く利用されることは難しく、公開サービスでは一般に信頼されたCAの証明書が必要です。
関連キーワード: PKI、公開鍵暗号、認証局、X.509、証明書失効、OCSP、CRL、ディジタル署名、TSA、HSM

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