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基本情報技術者 2016年 秋期 午前(科目A)40


問題文

ICカードとPINを用いた利用者認証における適切な運用はどれか。

選択肢

ICカードによって個々の利用者が識別できるので、管理負荷を軽減するために全利用者に共通のPINを設定する。
ICカード紛失時には、新たなICカードを発行し、PINを再設定した後で、紛失したICカードの失効処理を行う。
PINには、ICカードの表面に刻印してある数字情報を組み合わせたものを設定する。
PINは、ICカードの配送には同封せず、別経路で利用者に知らせる。(正解)

ICカードとPINを用いた利用者認証における適切な運用【午前2 解説】

要点まとめ

  • 結論: ICカードのPINはカードと同梱せず別経路で利用者に通知し、PINの漏洩リスクを低減する運用が正しい。
  • 根拠: カード本体とPINを同一経路で渡すと、紛失や盗難で第三者が即座に認証可能となり、認証の機密性が失われるため。
  • 差がつくポイント: 紛失時は即時失効と再発行手順の明確化、PIN試行回数制限や多要素化を組み合わせ運用でリスクを抑える。

正解の理由

正解:
選択肢エ「PINは、ICカードの配送には同封せず、別経路で利用者に知らせる。」が正しい理由は、PINの機密性を維持するために配送経路(カード本体)とPIN通知経路を分離することがセキュリティの基本原則だからです。カードとPINを同時に奪われる事態を避けられ、盗難や紛失時の不正利用リスクを大幅に低減できます。

よくある誤解

  • 「カードで本人が識別できるから同一PINでも問題ない」:カードだけで本人確認が完璧にできるわけではなく、共通PINは一度漏れると全員が危険にさらされます。
  • 「紛失カードは新規発行後に失効すればいい」:失効処理は迅速に行うべきで、先に新カード発行してから旧カード失効では不正利用の隙ができます。
  • 「カード表面の情報を含めれば覚えやすくて安全」:カード上の情報は物理的に読み取られる可能性が高く、PINに組み込むのは逆効果です。

解法ステップ

  1. 問題文で求めているのが「適切な運用」かつ「ICカードとPINを用いた利用者認証」であることを確認する。
  2. セキュリティの基本(機密性、完全性、可用性)と認証要素の分離(知識要素=PIN、所持要素=カード)を確認する。
  3. 各選択肢が機密性低下、運用フローの不備、あるいはベストプラクティスに反していないかを検証する。
  4. 「カードとPINを同一経路で渡さない」運用が最も基本的かつ妥当であると判断して選ぶ。

選択肢別の誤答解説

  • ア: 「全利用者に共通のPINを設定する」
    誤り。共通PINは一度漏洩すれば全員が侵害されるため管理負荷は下がるがセキュリティ上は重大な欠陥です。
  • イ: 「紛失時に新カード発行→PIN再設定→旧カード失効」
    誤り。先に旧カードを速やかに失効(無効化)して不正利用を防ぐことが重要です。新カード発行を優先して旧カードを放置すると攻撃の隙を生みます。
  • ウ: 「PINにカード表面の刻印情報を組み合わせる」
    誤り。カード表面の情報は物理的に確認・コピーされやすく、PINの機密性を損なうため推奨されません。
  • エ: 「PINはカード配送に同封せず別経路で通知」
    正解。PINとカードを別経路で渡すことで、複合的な攻撃や盗難時のリスクを減らす基本的な対策です。

補足コラム

  • PIN通知の別経路例:郵送でカード、本登録メールやSMS/郵送でPIN(ただしメールは暗号化/ワンタイム通知が望ましい)、または窓口で本人確認の上で伝える方法など。
  • 運用上の追加対策:PIN試行回数制限(ハードロック/ソフトロック)、PUK(PIN解放キー)による復旧、カードのリモート失効、二要素以上の認証(生体認証+PIN)導入が効果的です。
  • EMVなどのカード規格では、PINの取り扱い・暗号化・認証フローに関する詳細な標準が定められており、それに準拠することが望まれます。

FAQ

Q. なぜカードとPINを別々に渡すだけで安全になるのですか?
A. 攻撃者がカードを奪ってもPINが別の場所にあれば即時認証に使えません。攻撃の成功確率を下げ、検出・対処の時間を稼げます。
Q. PINを忘れた場合はどうすればよいですか?
A. まず管理者に申請し、本人確認のうえPUKや再設定手順で対応します。暗証再設定は安全な経路で行い、不正申請防止のため本人確認を厳格にします。
Q. PINを別送する最適な手段は?
A. リスクとコストのバランスで決めます。最も安全なのは窓口での直接通知、次いで郵送・暗号化された通信、SMSやメールを使う場合は追加の保護(ワンタイムトークン等)を検討します。

関連キーワード: ICカード, PIN管理, 認証運用, 紛失対策, PIN配送分離, 多要素認証, PIN試行制限, EMV, PUK, 再発行手順
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