基本情報技術者 2016年 秋期 午前(科目A) 問52
問題文
プロジェクトのスケジュールを短縮するために、アクティビティに割り当てる資源を増やして、アクティビティの所要期間を短縮する技法はどれか。
選択肢
ア:クラッシング(正解)
イ:クリティカルチェーン法
ウ:ファストトラッキング
エ:モンテカルロ法
##: アクティビティに割り当てる資源を増やして所要期間を短縮する技法はどれか【午前2 解説】
要点まとめ
- 結論:ア(クラッシング)は人員や設備などの資源を追加して作業時間を短縮する手法で、工期短縮に直接寄与します。
- 根拠:クラッシングはクリティカルパス上のアクティビティに追加資源を投入して所要期間を短縮する定義に合致し、通常はコスト増を伴います。
- 差がつくポイント:ファストトラッキングは作業の重ね合わせ、クリティカルチェーンはバッファ管理と資源制約解消、モンテカルロはリスク評価のシミュレーションである点を明確に区別してください。
正解の理由
正解は ア: クラッシング です。問題文の「アクティビティに割り当てる資源を増やして、アクティビティの所要期間を短縮する」という記述は、プロジェクトマネジメント用語で「クラッシング(crashing)」を指します。クラッシングは通常、クリティカルパス上の作業に追加の人員や機材を投入して期間を短縮する手法であり、短縮分に対して追加費用や非効率が発生する点が特徴です。
よくある誤解
- クラッシングとファストトラッキングを混同する:クラッシングは「資源追加」、ファストトラッキングは「並行実行(重ね合わせ)」で手法が根本的に異なります。
- クリティカルチェーンは単に資源を増やす手法だと思い込む:クリティカルチェーン法はバッファ管理や資源の制約下でのスケジューリング改善が主眼で、単に投入で短縮するわけではありません。
- モンテカルロ法で工期を直接短縮できると考える:モンテカルロは不確実性の影響を評価するシミュレーション手法であって、スケジュール短縮の実行策ではありません。
解法ステップ
- 問題文のキーワードを把握:「資源を増やして」「所要期間を短縮」。
- 各選択肢の定義を確認:クラッシング=資源追加、ファストトラッキング=作業重ね合わせ、クリティカルチェーン=バッファ+資源制約管理、モンテカルロ=シミュレーション。
- キーワードと定義を照合して一致するものを選ぶ(資源追加に対応するのはクラッシング)。
選択肢別の誤答解説
- ア: クラッシング — 正解。クリティカルパス上のアクティビティに追加資源を投入して所要期間を短縮する手法で、一般的にコスト増とリスク(品質低下や調整コスト増)が伴います。
- イ: クリティカルチェーン法 — 誤り。資源の制約を考慮したスケジューリングとバッファ管理によりプロジェクト全体の遅延リスクを減らす手法で、単に資源を増やして各アクティビティの期間を短縮する手法ではありません。
- ウ: ファストトラッキング — 誤り。アクティビティを並行化(重ね合わせ)して工期を短縮する方法で、追加資源の投入が前提ではなく、再作業やリスク増加の可能性があります。
- エ: モンテカルロ法 — 誤り。確率的シミュレーションによりスケジュールやコストの不確実性を評価する手法で、直接的にアクティビティの所要期間を短縮する方法ではありません。
補足コラム
クラッシングを実施する際は「コスト増と短縮効果のトレードオフ」を評価することが重要です。例えば、あるアクティビティを人員1名で10日かかるものを2名にして6日へ短縮できる場合、短縮できる日数と増加する人件費・調整コスト、品質やコミュニケーションコストを比較検討します。実務では以下の点に注意してください。
- 効果は線形でない(資源追加による短縮は限界がある)
- クリティカルパス上のタスクに限定して適用するのが基本
- ステークホルダーへのコスト超過説明と承認が必要
FAQ
Q1: クラッシングはいつ使うべきですか?
A1: 納期短縮が急務で、追加コストを許容できる場合に、特にクリティカルパス上の作業に対して優先的に適用します。
A1: 納期短縮が急務で、追加コストを許容できる場合に、特にクリティカルパス上の作業に対して優先的に適用します。
Q2: ファストトラッキングとクラッシングは同時に使えますか?
A2: はい。まずファストトラッキングで並行化を試み、さらに必要ならクラッシングで資源を追加するなど併用は可能ですが、リスクとコストの増大に注意してください。
A2: はい。まずファストトラッキングで並行化を試み、さらに必要ならクラッシングで資源を追加するなど併用は可能ですが、リスクとコストの増大に注意してください。
Q3: クリティカルチェーンとクラッシングの使い分けは?
A3: クリティカルチェーンは全体のリスク削減とバッファ最適化が目的で、リソース制約の下で計画を組み直す手法です。短期的に人員を増やして即座に期間短縮したい場合はクラッシングが適切です。
A3: クリティカルチェーンは全体のリスク削減とバッファ最適化が目的で、リソース制約の下で計画を組み直す手法です。短期的に人員を増やして即座に期間短縮したい場合はクラッシングが適切です。
関連キーワード: プロジェクトマネジメント、クラッシング、ファストトラッキング、クリティカルチェーン、クリティカルパス、スケジュール短縮、モンテカルロシミュレーション、工期短縮、リスク管理、コストトレードオフ

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