基本情報技術者 2016年 春期 午前(科目A) 問15
問題文
システムの稼働率に関する記述のうち、適切なものはどれか。
選択肢
ア:MTBFが異なってもMTTRが等しければ、システムの稼働率は等しい。
イ:MTBFとMTTRの和が等しければ、システムの稼働率は等しい。
ウ:MTBFを変えずにMTTRを短くできれば、システムの稼働率は向上する。(正解)
エ:MTTRが変わらずMTBFが長くなれば、システムの稼働率は低下する。
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システム稼働率(可用性)【午前解説】
正解の理由
選択肢の中で正しいのは ウ です。稼働率(可用性)は一般に で与えられます。MTBF を変えずに MTTR を短くすると分母が小さくなり、比率 が増加します。したがって「MTBFを変えずにMTTRを短くできれば、システムの稼働率は向上する」という記述は論理的に正しいです。
解法ステップ
- 稼働率の定義式を思い出す: を用いる。
- 各選択肢をこの式へ当てはめ、MTBF と MTTR がどのように分子・分母に影響するかを考える。
- 簡単な数値例で確認する(反例や肯定例を作る)。
- 最も式の性質に合致する選択肢を選ぶ。
簡単な計算例(参考):
def availability(mtbf, mttr):
return mtbf / (mtbf + mttr)
print(availability(10, 2)) # MTBF固定でMTTRを2から1に短縮すると
print(availability(10, 1))
選択肢別の誤答解説
- ア: 「MTBFが異なってもMTTRが等しければ、システムの稼働率は等しい。」
→ 誤り。MTBF は分子に入るため、MTBF が変われば通常は可用性も変わる。例:MTBF 10, MTTR 2 → 10/12=0.833、MTBF 5, MTTR 2 → 5/7≈0.714。 - イ: 「MTBFとMTTRの和が等しければ、システムの稼働率は等しい。」
→ 誤り。和が同じでも MTBF の割合が異なれば可用性は変わる。例:MTBF=9,MTTR=1 と MTBF=5,MTTR=5 は和が10で同じだが、可用性は 0.9 と 0.5 で大きく異なる。 - ウ: 「MTBFを変えずにMTTRを短くできれば、システムの稼働率は向上する。」
→ 正しい。分母が小さくなるため割合が増える。 - エ: 「MTTRが変わらずMTBFが長くなれば、システムの稼働率は低下する。」
→ 誤り。MTBF が長くなる(平均故障間隔が増える)と分子が大きくなるため可用性は上昇するのが通常であり、低下はしない。
よくある誤解
- 「MTBF が異なっても MTTR が等しければ稼働率は等しい」と考える誤解:MTBF が分子に直接関係するので、MTBF が異なれば稼働率は通常変わります。
- 「MTBF と MTTR の和が等しければ稼働率は等しい」との誤認:和が等しくても分子(MTBF)の割合が異なれば稼働率は変化します。具体的な数値で比較する習慣が重要です。
補足コラム
- MTBF は「平均故障間隔」、MTTR は「平均修復時間」で、可用性はこれらの比率で表現されます。システム設計では MTBF を改善する(信頼性向上)方法と MTTR を短縮する(保守性向上)方法の両面から対策を取るのが基本です。
- 実運用では単一構成の可用性に加え、冗長構成(冗長化)やフェイルオーバー、監視自動化により「見かけ上の可用性」を大幅に高めることができます。
- MTBF を大きくするには品質改善、設計冗長、部品選定が有効。MTTR を短くするには運用手順、遠隔リセット、予備部品、監視による早期検知が有効です。
FAQ
Q1: MTBF と MTTF の違いは何ですか?
A1: MTTF(平均故障時間)は主に修復しない機器の平均寿命を指し、MTBF は修理して運用を継続する機器の故障間隔の平均を指します。用途で使い分けます。
A1: MTTF(平均故障時間)は主に修復しない機器の平均寿命を指し、MTBF は修理して運用を継続する機器の故障間隔の平均を指します。用途で使い分けます。
Q2: 可用性を劇的に上げる最も効果的な方法は?
A2: 単一要素ではなく冗長化(クラスタ、ミラーリング)と MTTR 短縮の併用が最も効果的です。片方だけ改善しても限界があります。
A2: 単一要素ではなく冗長化(クラスタ、ミラーリング)と MTTR 短縮の併用が最も効果的です。片方だけ改善しても限界があります。
Q3: MTTR を短くする具体的対策は?
A3: 自動復旧機能、リモート診断、交換部品の常備、手順の簡素化・訓練などにより修復時間を短縮できます。
A3: 自動復旧機能、リモート診断、交換部品の常備、手順の簡素化・訓練などにより修復時間を短縮できます。
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