基本情報技術者 2016年 春期 午前(科目A) 問33
問題文
プライベートIPアドレスをもつ複数の端末が、一つのグローバルIPアドレスを使ってインターネット接続を利用する仕組みを実現するものはどれか。
選択肢
ア:DHCP
イ:DNS
ウ:NAPT(正解)
エ:RADIUS
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NAPT(ネットワークアドレス変換)【午前解説】
正解の理由
正解は ウ(NAPT)です。NAPT(Network Address and Port Translation、別名PAT : Port Address Translation)は内部のプライベートIPとポート番号を、単一または限られた数のグローバルIPと別のポート番号の組に書き換えて通信を行います。これにより複数の内部ホストが同時に同一グローバルIPを使って外部と通信でき、戻りパケットはポート番号と変換テーブルに基づき元の内部ホストへ正しく届けられます。
解法ステップ
- 問題文のキーワードを抽出:「プライベートIP」「複数の端末」「一つのグローバルIP」「インターネット接続」
- 各選択肢の役割を短く思い出す(DHCP:割当、DNS:名前解決、NAPT:ポート付き変換、RADIUS:認証)
- 「一つのグローバルIPを複数で共有」に該当する技術=ポートを用いてセッション識別する方式を探す
- ポート変換を行うNAPTが該当するため選択する
選択肢別の誤答解説
- ア: DHCP — 正しくはIPアドレスやゲートウェイ、DNS情報を動的に配布するプロトコルであり、アドレスを別のIPに書き換えて共有する機能は持ちません。
- イ: DNS — ドメイン名とIPアドレスの対応表を提供するサービスで、パケットのアドレス変換やポート管理は行いません。
- ウ: NAPT — (正解)送信元IPと送信元ポートを、グローバルIPと別のポートへ書き換え、戻り通信を変換テーブルで振り分けることで複数内部端末が一つのグローバルIPを共有できます。
- エ: RADIUS — リモート認証/認可/アカウンティングを行うプロトコルであり、IPアドレスの共有や変換とは無関係です。
よくある誤解
- 「NATとNAPTは同じ」と捉える誤解:NATは単純なアドレス変換(1対1)を指す場合があり、NAPTはポート変換を伴うため単一のグローバルIPで多数の内部ホストを扱えます。
- 「DHCPが接続を仲介する」と考える間違い:DHCPはIPの割り当て(設定)を行うプロトコルで、パケットのアドレス変換や共有は行いません。
- 「DNSがIPを共有している」と混同する誤り:DNSは名前解決(ホスト名 ⇔ IP)を行う仕組みで、アドレス変換やポート管理とは無関係です。
補足コラム
- 仕様上、ポート番号は16ビット(0–65535)なので理論上はポート数により多数のセッションを同一グローバルIPで扱えますが、実運用では同一ポートやプロトコルの競合、セッション管理の負荷、アプリケーションのNAT非対応(例:IP埋め込みプロトコル)など制約があります。
- ピアツーピアやサーバ公開(外向き接続を受ける)にはポートフォワーディングや静的NATを併用する必要があります。
- IPv6の普及はグローバルアドレス不足を解消し、NAPTの必要性を減らしますが、現状IPv4との共存や互換性問題によりNAPTは依然として広く使われています。
FAQ
Q. NAPTとPATは同じですか?
A. はい。一般にPAT(Port Address Translation)はNAPTの別名で、ポート変換を行うNATを指します。
A. はい。一般にPAT(Port Address Translation)はNAPTの別名で、ポート変換を行うNATを指します。
Q. NAPTはどのプロトコルに対応しますか?
A. TCP/UDPをはじめ多くのトランスポートプロトコルで機能しますが、状態追跡が必要なためプロトコルごとの実装差やALGs(Application Layer Gateway)の有無に注意が必要です。
A. TCP/UDPをはじめ多くのトランスポートプロトコルで機能しますが、状態追跡が必要なためプロトコルごとの実装差やALGs(Application Layer Gateway)の有無に注意が必要です。
Q. 何台まで共有できますか?
A. 理論上はポート数(約65535)に依存しますが、実運用ではルータのテーブル容量や同時接続数の制限、アプリの動作条件により制限されます。
A. 理論上はポート数(約65535)に依存しますが、実運用ではルータのテーブル容量や同時接続数の制限、アプリの動作条件により制限されます。
Q. NAPTを使うとセキュリティ上の利点はありますか?
A. NAPTは内部ホストを直接公開しないため簡易的な遮蔽効果はありますが、ファイアウォールやIDS/IPSと併用する方が安全です。
A. NAPTは内部ホストを直接公開しないため簡易的な遮蔽効果はありますが、ファイアウォールやIDS/IPSと併用する方が安全です。
関連キーワード: プライベートIP、グローバルIP、NAPT、PAT、NAT、ポート変換、ポートフォワーディング、DHCP、DNS、RADIUS、IPv4枯渇、ネットワーク変換、アドレス共有

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