基本情報技術者 2016年 春期 午前(科目A) 問51
問題文
ソフトウェア開発プロジェクトにおいてWBS (Work Breakdown Structure)を使用する目的として、適切なものはどれか。
選択肢
ア:開発の所要日数と費用がトレードオフの関係にある場合に、総費用の最適化を図る。
イ:作業の順序関係を明確にして、重点管理すべきクリティカルパスを把握する。
ウ:作業の日程を横棒(バー)で表して、作業の開始時点や終了時点、現時点の進捗を明確にする。
エ:作業を階層に分解して、管理可能な大きさに細分化する。(正解)
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WBS(作業分解構成)【午前解説】
正解の理由
正解は エ です。WBS(Work Breakdown Structure)はプロジェクト成果物や作業を階層構造で分解し、各最下位要素(作業パッケージ)を管理単位とするための手法です。これにより作業の抜け漏れを防ぎ、見積り、担当割当、スコープ管理の基盤を作れます。選択肢エは「作業を階層に分解して、管理可能な大きさに細分化する」というWBSの定義に一致します。
解法ステップ
- 問題文のキーワードを探す:「階層に分解」「管理可能な大きさ」などを注目する。
- 各選択肢をWBSの定義と照合する:WBSは成果物ベースの階層分解であるかを基準に判断する。
- 他の選択肢が示す手法(ガント、CPM、コスト最適化)と役割が違うことを確認して除外する。
- 最も定義に合致する選択肢(エ)を正解とする。
選択肢別の誤答解説
- ア:開発の所要日数と費用のトレードオフで総費用最適化を図る、はスケジュール圧縮(クラッシング)やコスト管理の話でWBSの目的ではありません。
- イ:作業の順序関係やクリティカルパスの把握はネットワーク図(PERT/CPM)やクリティカルパス法の役割であり、WBSは順序関係を示すものではありません。
- ウ:作業の日程を横棒で表し開始・終了や進捗を示すのはガントチャートの説明で、WBS自体はバー表示を目的としません。
- エ:作業を階層に分解して管理可能な大きさに細分化する、はWBSの本質的な定義で正解です。
よくある誤解
- WBSはスケジュールそのものだと考える誤解:WBSは「何をするか」を分解するもので、開始/終了日時や進捗表示は別ツール(ガントチャート等)で表します。
- クリティカルパスを把握するための図だと勘違いする誤解:クリティカルパス分析はネットワーク図(PERT/CPM)やスケジュール管理の領域で、WBSとは目的が異なります。
- WBSがコスト最適化の手法だと捉える誤解:WBSは作業分解を目的とし、費用最適化やクラッシングは別の手法(コスト管理・スケジュール短縮)の領域です。
補足コラム
- WBSの実務ポイント:WBSは成果物(deliverable)ベースで作成するのが原則で、作業ベースにすると抜け漏れや責任が曖昧になりやすいです。
- 100%ルール:親要素は子要素の総和で完全にカバーされるべき、という考え方(過不足なく分解する)。
- 作業パッケージの大きさ:組織やプロジェクトで差がありますが、管理可能な単位(数日〜数週間程度)に抑え、見積りや担当者割当が可能な粒度にするのが実務上のコツです。
- WBS辞書(WBS Dictionary):各作業パッケージに対して内容、成果物、責任者、見積り、検収基準などを記載すると運用が安定します。
- 関係図の使い分け:WBS(何をするか) → ガント図(いつするか) → ネットワーク図/CPM(順序とクリティカルパス)という流れで組み合わせて使います。
FAQ
Q1. WBSは誰が作るべきですか?
A1. プロジェクトマネージャが主導し、担当チームやステークホルダーと共同で作成します。現場の知見を取り込むことが重要です。
A1. プロジェクトマネージャが主導し、担当チームやステークホルダーと共同で作成します。現場の知見を取り込むことが重要です。
Q2. WBSの分解レベルは何階層が適切ですか?
A2. プロジェクト規模や管理手法によりますが、過剰分解は管理コスト増、不足は抜け漏れを招くため、成果物が明確で管理可能な粒度を目安にします。
A2. プロジェクト規模や管理手法によりますが、過剰分解は管理コスト増、不足は抜け漏れを招くため、成果物が明確で管理可能な粒度を目安にします。
Q3. WBSとガントチャートはどちらが先ですか?
A3. 一般にWBSでスコープと作業パッケージを定義した後に、各作業をスケジュール化してガントチャートに落とします。
A3. 一般にWBSでスコープと作業パッケージを定義した後に、各作業をスケジュール化してガントチャートに落とします。
関連キーワード: WBS、Work Breakdown Structure、WBS辞書、作業分解、プロジェクト管理、ガントチャート、クリティカルパス、CPM、スコープ管理、作業パッケージ

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