基本情報技術者 2016年 春期 午前(科目A) 問56
問題文
ITサービスマネジメントにおけるインシデントの記録と問題の記録の関係についての記述のうち、適切なものはどれか。
選択肢
ア:インシデントの分類とは異なる基準で問題を分類して記録する。
イ:問題の記録1件は、必ずインシデントの記録1件と関連付けられる。
ウ:問題の記録には、問題の記録の発端となったインシデントの相互参照情報を含める。(正解)
エ:問題の記録の終了の際に既知の誤りが特定されていれば、問題の記録の発端となったインシデントの記録を削除する。
🔒 解説は解答すると表示されます
インシデントと問題の記録関係【午前解説】
正解の理由
正解は ウ です。
問題管理の観点では、問題記録は「その問題を発端とした、あるいは関連するインシデント」を参照できる情報を持つべきです。インシデントはサービスが中断・低下した事象の記録であり、問題はその根本原因の管理を行うための記録です。発端インシデントへの相互参照(リンク)を持つことにより、影響範囲の把握、優先度判断、根本原因分析(RCA)、既知の誤りデータベース(KEDB)への反映が可能になります。したがって「問題の記録には発端となったインシデントの相互参照情報を含める」は適切です。
問題管理の観点では、問題記録は「その問題を発端とした、あるいは関連するインシデント」を参照できる情報を持つべきです。インシデントはサービスが中断・低下した事象の記録であり、問題はその根本原因の管理を行うための記録です。発端インシデントへの相互参照(リンク)を持つことにより、影響範囲の把握、優先度判断、根本原因分析(RCA)、既知の誤りデータベース(KEDB)への反映が可能になります。したがって「問題の記録には発端となったインシデントの相互参照情報を含める」は適切です。
解法ステップ
- 問題文のキーワードを確認:「インシデントの記録」「問題の記録」「相互参照」「削除」「必ず」などを拾う。
- 定義を思い出す:インシデントはサービス事象、問題は根本原因の管理。両者は別管理でリンクにより関係付ける。
- 選択肢を比較:絶対を示す語(必ず、削除するなど)は疑う。運用/保全/追跡という観点で整合性があるかを判断する。
- 最終判断:相互参照を含めることは追跡性と根本原因分析に資するため正しいと判断する。
選択肢別の誤答解説
- ア: 「インシデントの分類とは異なる基準で問題を分類して記録する。」
解説:問題管理では、インシデント分類と完全に無関係な基準を用いるべきとは限りません。実務ではインシデント分類と問題分類を対応させ、分析や傾向把握ができるようにマッピングするのが一般的です。よって断定的に「異なる基準で分類する」とする表現は誤りです。 - イ: 「問題の記録1件は、必ずインシデントの記録1件と関連付けられる。」
解説:問題1件が必ず1件のインシデントに対応するわけではありません。むしろ1つの問題が多数のインシデントを引き起こす、一対多の関係が普通です。必ず1対1とするのは不適切です。 - ウ: 「問題の記録には、問題の記録の発端となったインシデントの相互参照情報を含める。」
解説:正解。発端インシデントへのリンク(相互参照)は追跡、分析、修正対応の管理に不可欠です。 - エ: 「問題の記録の終了の際に既知の誤りが特定されていれば、問題の記録の発端となったインシデントの記録を削除する。」
解説:誤り。既知の誤りが特定されてもインシデント記録を削除することは基本的に行いません。インシデント記録は履歴、監査、学習のために保持し、問題記録やKEDBにリンクして運用します。
よくある誤解
- 「問題=インシデント」と混同する:インシデントは事象、問題は原因追及と恒久対策に関する記録であり役割が異なります。
- 「問題は常に1件のインシデントと紐づく」と思い込む:逆に1つの問題が複数インシデントを引き起こすことが普通です。
- 「既知の誤りを特定したら関連インシデントを削除して良い」と誤解する:履歴保存や監査の観点から削除は基本的に不可です。
補足コラム
- 用語整理:インシデント=サービスの中断や品質低下の事象、問題=インシデントの根本原因。既知の誤り(Known Error)は原因と暫定対策を特定した状態。KEDB(既知エラーDB)は既知の誤りやワークアラウンドを蓄積するデータベースです。
- 実務Tips:問題チケットには「発端インシデントID一覧」「関連影響範囲」「暫定対応」「根本原因」「恒久対策予定」を項目として持たせ、インシデント側にも問題IDへの参照を入れて双方向リンクにする運用が推奨されます。
- 試験対策:選択肢に「必ず」「削除」などの強い断定語がある場合は定義に反する可能性が高いので注意してください。
FAQ
Q1. 1つのインシデントが複数の問題につながることはありますか?
A1. 稀ですが、複雑な環境では1つの事象が複数要因に分解され、それぞれ別の問題として扱われる場合があります。一般的には問題が複数インシデントを包含する形が多いです。
A1. 稀ですが、複雑な環境では1つの事象が複数要因に分解され、それぞれ別の問題として扱われる場合があります。一般的には問題が複数インシデントを包含する形が多いです。
Q2. 既知の誤りが特定されたらインシデントはどう扱いますか?
A2. インシデントは削除せず、問題記録やKEDBにリンクして履歴・参照情報として残します。完了やクローズはしますが削除は原則行いません。
A2. インシデントは削除せず、問題記録やKEDBにリンクして履歴・参照情報として残します。完了やクローズはしますが削除は原則行いません。
Q3. 分類を統一すべきでしょうか?
A3. 分析や傾向把握のため、インシデント分類と問題分類は整合性を持たせる(マッピングする)運用が望ましいです。
A3. 分析や傾向把握のため、インシデント分類と問題分類は整合性を持たせる(マッピングする)運用が望ましいです。
関連キーワード: インシデント管理、問題管理、既知の誤り、KEDB、ワークアラウンド、根本原因分析、ITIL、履歴保全、インシデント分類、問題チケットリンク

\ せっかくなら /
基本情報技術者を
クイズ形式で学習しませんか?
クイズ画面へ遷移する→
すぐに利用可能!

