基本情報技術者 2016年 春期 午前(科目A) 問64
問題文
業務プロセスを可視化する手法としてUMLを採用した場合の活用シーンはどれか。
選択肢
ア:対象をエンティティとその属性及びエンティティ間の関連で捉え、データ中心アプローチの表現によって図に示す。
イ:データの流れによってプロセスを表現するために、データの発生、吸収の場所、蓄積場所、データの処理を、データの流れを示す矢印でつないで表現する。
ウ:複数の観点でプロセスを表現するために、目的に応じたモデル図法を使用し、オブジェクトモデリングのために標準化された記述ルールで表現する。(正解)
エ:プロセスの機能を網羅的に表現するために、一つの要件に対して発生する事象を条件分岐の形式で記述する。
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UMLによる業務プロセス可視化【午前解説】
正解の理由
正解: ウ
ウは「複数の観点でプロセスを表現し、目的に応じたモデル図法を使用し、オブジェクトモデリングの標準化された記述ルールで表現する」とあり、これはUMLの本質を表しています。UMLはOMGによる標準で、ユースケース図で機能や要求を、アクティビティ図でワークフローを、シーケンス図で相互作用を、クラス図で静的構造を表すなど観点ごとに図法が用意されています。したがって業務プロセスを複数視点で可視化し設計へつなぐ用途に適しています。
ウは「複数の観点でプロセスを表現し、目的に応じたモデル図法を使用し、オブジェクトモデリングの標準化された記述ルールで表現する」とあり、これはUMLの本質を表しています。UMLはOMGによる標準で、ユースケース図で機能や要求を、アクティビティ図でワークフローを、シーケンス図で相互作用を、クラス図で静的構造を表すなど観点ごとに図法が用意されています。したがって業務プロセスを複数視点で可視化し設計へつなぐ用途に適しています。
解法ステップ
- 選択肢のキーワードを抽出する(例:「エンティティ」「データの流れ」「複数の観点」「条件分岐」)。
- それぞれのキーワードがどのモデリング手法を示すか対応付ける(ER図、DFD、UML、状態遷移表など)。
- 「UML」に当てはまる記述(複数図法、オブジェクトモデリング、標準化された記述ルール)を含む選択肢を選ぶ。
- 残り選択肢が別手法の特徴であることを確認して除外する。
選択肢別の誤答解説
- ア: 対象をエンティティと属性、エンティティ間の関連で捉える記述はER図(データ中心アプローチ)を示しており、UML固有の説明とは一致しません。
- イ: データの流れを矢印でつなぐ表現はDFD(Data Flow Diagram)に該当し、UMLの説明ではありません。
- ウ: 複数の観点でモデル図法を使い、オブジェクトモデリングの標準記述ルールで表現するとあるためUMLに該当し正解です。
- エ: 「一つの要件に対して発生する事象を条件分岐で記述する」は主に手続きや仕様記述、決定表/状態遷移やビジネスルール記述の技法であり、UMLの特徴を示すものではありません。
よくある誤解
- UMLは「図を描くだけ」の道具で業務分析に向かない:UMLは設計へのブリッジとして有用で、適切な図を選べば業務可視化にも使えます。
- クラス図=ER図だと混同する:クラス図はオブジェクト指向の属性・操作を含む設計視点で、ER図はデータ構造(関係)に着目する点が異なります。
- DFDやデータフローの記述がそのままUMLだと思う:データフロー図(DFD)はUMLとは別の表記法で、目的と表現が異なります。
補足コラム
- UMLで業務プロセスを表現する際の代表的な図:
- ユースケース図:システムと外部アクターの機能的な関係を表す(要求分析寄り)。
- アクティビティ図:業務フロー/ワークフローを表現し分岐・並行処理を示すのに適する。
- シーケンス図:シナリオごとのメッセージややり取りの順序を示す。
- クラス図:業務で扱う概念の構造(属性・関連)を静的に表現する。
- BPMNとの使い分け:BPMNは業務プロセスの記述に特化した表記法で現場の業務フロー把握に強みがあり、UMLは要件→設計への橋渡しが得意です。用途に応じて選択または併用します。
- 標準化:UMLはOMG(Object Management Group)標準で、記法が規定されており設計ドキュメントとして再利用・共有しやすい利点があります。
FAQ
Q1: UMLのどの図が業務フローに最も適していますか?
A1: アクティビティ図が最も直接的です。分岐や並行処理、アクションの流れを視覚化できます。
A1: アクティビティ図が最も直接的です。分岐や並行処理、アクションの流れを視覚化できます。
Q2: 業務モデリングではUMLとBPMNのどちらを選ぶべきですか?
A2: 業務担当者間でプロセスを明確にするならBPMN、システム設計やソフトウェアとの橋渡しが必要ならUMLを選ぶか併用します。
A2: 業務担当者間でプロセスを明確にするならBPMN、システム設計やソフトウェアとの橋渡しが必要ならUMLを選ぶか併用します。
Q3: クラス図はER図と同じですか?
A3: 一見似ていますが、クラス図はオブジェクト指向の属性・操作・関連を扱い、ER図はデータベースの関係性に特化しています。目的が異なります。
A3: 一見似ていますが、クラス図はオブジェクト指向の属性・操作・関連を扱い、ER図はデータベースの関係性に特化しています。目的が異なります。
Q4: 問題文で「標準化された記述ルール」とは何を指しますか?
A4: UML仕様(OMGによるメタモデルと図の表記規則)を指し、図記法・シンボル・意味付けが標準化されています。
A4: UML仕様(OMGによるメタモデルと図の表記規則)を指し、図記法・シンボル・意味付けが標準化されています。
関連キーワード: UML、業務プロセス、オブジェクトモデリング、ユースケース図、アクティビティ図、クラス図、シーケンス図、DFD、ER図、BPMN、モデリング手法

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