基本情報技術者 2017年 秋期 午前(科目A) 問61
問題文
ある営業部員の1日の業務活動を分析した結果は、表のとおりである。営業支援システムの導入によって訪問準備時間が1件当たり0.1時間短縮できる。総業務時間と1件当たりの顧客訪問時間を変えずに、1日の顧客訪問件数を6件にするには、その他業務時間を何時間削減する必要があるか。

選択肢
ア:0.3
イ:0.5
ウ:0.7(正解)
エ:1.0
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訪問件数増加の時間配分【午前解説】
正解の理由
1日の総業務時間が変わらず、1件当たりの顧客訪問時間も変えない条件で訪問件数を5件から6件に増やすと、顧客訪問に必要な合計時間が増えます。訪問準備時間は1件あたり0.1時間短縮されるため、準備時間の合計は6件分の短縮効果を受けます。これらを数値で整理すると、追加で必要となる訪問時間と準備時間の増分から、短縮される準備時間全体を差し引いた値が「その他業務」で削減すべき時間になります。具体的に計算すると、必要削減時間は0.7時間となり、したがって選択肢ウの0.7時間が正解です。
解法ステップ
-
現状の値を確認する
- 総業務時間 時間
- 顧客訪問合計 時間、件数 より 1件当たり訪問時間 時間
- 訪問準備合計 時間、よって 1件当たり準備時間 時間
- その他業務 時間
- 訪問件数目標 件、準備短縮量 時間/件
-
増加後に使える社内業務(準備+その他)の合計を求める
- 顧客訪問合計は 時間
- よって社内業務合計は 時間
-
新しい訪問準備合計を求める
- 新しい1件当たり準備時間 時間
- 準備合計は 時間
-
その他業務に残る時間を求め、削減量を算出する
- 新しいその他業務時間 時間
- 削減すべき時間 時間
-
一般式(参考)
- 初期件数 , 目標件数 , 1件当たり訪問時間 , 初期1件当たり準備時間 , 1件当たり短縮 のとき、削減量は
- 本問では 。
選択肢別の誤答解説
-
ア: 0.3
誤りの典型は「増えた1件ぶんの準備時間のみ(0.3時間)を追加で削る」と考えることです。しかし準備時間は導入後に短縮されるため、増分を単純に0.3とするのは誤りです。また顧客訪問時間の増加分(1.0時間)を考慮していません。 -
イ: 0.5
この値が得られる誤りは「準備短縮の合計を5件分(0.1×5=0.5)と見做し、増分訪問時間1.0から0.5を引いて0.5とする」など、短縮効果を既存件数分しか評価していない場合です。短縮は増加後の全6件に対して発生するため、0.6(0.1×6)の短縮を考慮する必要があります。 -
ウ: 0.7
正答。上記の通り、増加する訪問時間1.0に対して準備短縮の合計0.6を差し引き、さらに元々あった1件当たり準備の増分(0.3×(6−5)=0.3)を含めて計算すると、最終的に0.7となります(式で表すと )。 -
エ: 1.0
典型的な誤りは「訪問準備短縮の効果を無視して、増加分の訪問時間1.0時間を全て『その他業務』で削る」と考えることです。導入効果により準備時間合計が縮むため、実際は1.0より小さい削減で済みます。
よくある誤解
-
準備時間の短縮を「既存の訪問分だけ」にしか適用しない誤解
→ システム導入後は増加後の全訪問件数に対して短縮が発生します(本問では6件分の短縮がある)。 -
「1件当たりの顧客訪問時間」と「顧客訪問の合計時間」を混同する誤解
→ 条件に「1件当たりの顧客訪問時間を変えない」とある場合、1件当たりの値は固定で、件数増加に伴い合計は比例して増えます。
補足コラム
- 直感的整理:総時間が固定なら、訪問時間が増える分は社内業務(準備+その他)から捻出しなければなりません。準備時間の短縮は「社内業務の中で既に用意された余力」を生み出すため、増加分を相殺しますが、その短縮効果は増加後の全訪問件数に対して発生する点に注意してください。
- 汎用的な使い方:同様の問題は「総資源が固定」で「単位当たりコスト(時間・費用)が変わる」ケースに応用できます。まず増えた需要分の総コスト増を求め、次に単位改善による総削減を引く、という手順が基本です。
FAQ
Q. 準備時間の短縮は既存の5件にも適用されますか?
A. はい。問題文の条件はシステム導入後の状態を想定しており、増加後の全ての訪問件数に対して1件当たり0.1時間の短縮が生じます。
A. はい。問題文の条件はシステム導入後の状態を想定しており、増加後の全ての訪問件数に対して1件当たり0.1時間の短縮が生じます。
Q. 「総業務時間を変えずに」とは何を意味しますか?
A. 1日の合計で割り当てられる作業時間(ここでは8.0時間)を固定し、その中で各作業の配分を調整することを意味します。したがって、訪問の合計時間が増えれば社内業務の合計は減少します。
A. 1日の合計で割り当てられる作業時間(ここでは8.0時間)を固定し、その中で各作業の配分を調整することを意味します。したがって、訪問の合計時間が増えれば社内業務の合計は減少します。
Q. 一般式は他の数値でも使えますか?
A. はい。解法ステップで示した一般式 を使えば、任意の初期値と短縮量で必要削減時間を計算できます。簡単な計算スクリプト例:
A. はい。解法ステップで示した一般式 を使えば、任意の初期値と短縮量で必要削減時間を計算できます。簡単な計算スクリプト例:
n0, n1 = 5, 6
v = 1.0
p0 = 0.3
delta = 0.1
R = (n1 - n0) * (v + p0) - delta * n1
print(R) # 0.7
関連キーワード: 営業効率、業務時間配分、訪問準備短縮、時間計算、作業量調整、労働時間最適化

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