基本情報技術者 2017年 秋期 午前(科目A) 問60
問題文
監査調書の説明はどれか。
選択肢
ア:監査人が行った監査手続の実施記録であり、監査意見の根拠となる。(正解)
イ:監査人が監査の実施に当たり被監査部門に対して提出する、情報セキュリティに関する誓約書をまとめたものである。
ウ:監査人が監査の実施に利用した基準書、ガイドラインをまとめたものである。
エ:監査人が正当な注意義務を払ったことを証明するために、監査報告書とともに公表するよう義務付けられたものである。
監査調書の説明はどれか。【午前2 解説】
要点まとめ
- 結論: 監査調書は監査人が実際に行った監査手続の実施記録であり監査意見の根拠を示す内部文書です。電子・紙を問わず証拠と判断過程を残し通常は外部公表されません。
- 根拠: 監査基準は監査人に監査手続およびその結果を文書化する義務を課し、記録された証拠が監査意見の支持根拠となると規定しています。
- 差がつくポイント: 誰がいつ何をしたか、得られた証拠の内容・関連性・結論へのつながりを具体的に残すことが評価につながります。
正解の理由
正解は ア です。監査調書(working papers、audit documentation)は監査人が実施した監査手続の実施記録で、収集した証拠、実施日時、実施者、検討した事項、結論などをまとめた文書群です。これらの記録が監査意見の根拠となり、監査の適切性や合理性を示すために必要です。監査基準(公認会計士や監査基準を定める規程)でも監査調書の作成と保存が求められています。
よくある誤解
- 監査調書は被監査部門に提出するための誓約書である:誤りです。誓約書や代表者の陳述は「経営者の陳述書(management representation)」等であり、監査調書とは別物です。
- 監査調書は公表される監査報告書そのものだ:誤りです。監査報告書は外部に出される結論文書ですが、監査調書は内部資料であり通常公開されません(法的要求や訴訟対応で提出される場合を除く)。
- 監査調書 = 監査基準やガイドラインの集成:誤りです。基準やガイドラインは手引きであり、監査調書は実際の手続と証拠の記録です。
解法ステップ
- 問題文のキーワードを確認:「監査手続の実施記録」「監査意見の根拠」などが正解の定義に合致するか検討します。
- 各選択肢を用語と照合:監査調書の一般的定義(実施記録・証拠文書・結論の記録)と合致するものを選びます。
- 除外法で残す:被監査部門への提出物、基準書の集成、公表義務といった要素が含まれる選択肢は監査調書の定義と食い違うため除外します。
- 最終確認:監査調書は内部文書であり、監査意見を支える記録であることを再確認して選択します。
選択肢別の誤答解説
- ア: 正解。監査人が行った監査手続の実施記録であり、収集した証拠や結論等が監査意見の根拠になります。
- イ: 誤り。被監査部門に提出する誓約書をまとめたものではありません。誓約書や陳述書は別の書類で、監査調書は監査人側の作業記録です。
- ウ: 誤り。基準書やガイドラインをまとめたものは「監査基準書」や「参考文献」であり、監査調書は実施した手続と結果の記録です。
- エ: 誤り。監査調書は通常、監査報告書とともに公表する義務はなく、監査人の内部文書として保有・管理されるのが一般的です(例外は法的要請時)。
補足コラム
監査調書の具体的な中身には、監査計画、実施した手続の詳細、得られた証拠(契約書コピー、ログ、スクリーンショット等)、検討メモ、結論・判断の根拠、担当者の署名・日付が含まれます。外部監査では法令により保存期間(例:5〜7年程度)が定められることが多く、内部監査でも組織の規程に基づく保管が必要です。監査調書は監査の質を示す重要な証跡であり、後続の見直しや訴訟対応で重要な役割を果たします。
FAQ
Q: 監査調書は誰の所有物ですか?
A: 通常は監査人(監査法人や監査部門)が作成・保管し、所有権も監査人側にあります。ただし、契約で別の取り決めがある場合はその限りではありません。
A: 通常は監査人(監査法人や監査部門)が作成・保管し、所有権も監査人側にあります。ただし、契約で別の取り決めがある場合はその限りではありません。
Q: 被監査部門は監査調書を閲覧できますか?
A: 原則として監査人の内部資料ですが、合理的な範囲で説明や一部開示が行われることはあります。全面開示は通常行われません。
A: 原則として監査人の内部資料ですが、合理的な範囲で説明や一部開示が行われることはあります。全面開示は通常行われません。
Q: 監査調書と監査報告書の違いは何ですか?
A: 監査調書は手続と証拠の記録で内部資料、監査報告書は監査意見や結論を外部向けにまとめた公開文書です。
A: 監査調書は手続と証拠の記録で内部資料、監査報告書は監査意見や結論を外部向けにまとめた公開文書です。
Q: 監査調書の保存期間はどれくらいですか?
A: 国や業界規程により差がありますが、外部監査では一般に5〜7年程度が多いです。内部監査は組織の規程に従います。
A: 国や業界規程により差がありますが、外部監査では一般に5〜7年程度が多いです。内部監査は組織の規程に従います。
Q: 監査調書は電子化してもよいですか?
A: はい。電子化は一般的で、電子記録でも証拠性・改ざん防止(タイムスタンプ等)や検索性が確保されれば問題ありません。
A: はい。電子化は一般的で、電子記録でも証拠性・改ざん防止(タイムスタンプ等)や検索性が確保されれば問題ありません。
関連キーワード: 監査調書、監査手続、監査証拠、作業用紙、内部監査、外部監査、証跡、保管期間、監査基準

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