基本情報技術者 2017年 秋期 午前(科目A) 問74
問題文
車載機器の性能の向上に関する記述のうち、ディープラーニングを用いているものはどれか。
選択肢
ア:車の壁への衝突を加速度センサが検知し、エアバッグを膨らませて搭乗者をけがから守った。
イ:システムが大量の画像を取得し処理することによって、歩行者と車をより確実に見分けることができるようになった。(正解)
ウ:自動でアイドリングストップする装置を搭載することによって、運転経験が豊富な運転者が運転する場合よりも燃費を向上させた。
エ:ナビゲーションシステムが、携帯電話回線を通してソフトウェアのアップデートを行い、地図を更新した。
車載機器の性能の向上に関する記述のうち、ディープラーニングを用いているものはどれか。【午前2 解説】
要点まとめ
- 結論:大量の画像を学習して特徴を自動抽出し、歩行者と車を高精度に識別する処理を記述したイが正解です。
- 根拠:ディープラーニングは画像認識で特徴抽出と識別を学習モデルに任せるため、「大量の画像を取得し処理する」という文言が決め手になります。
- 差がつくポイント:加速度センサや単純な制御、ソフト更新は学習モデル不要であり、画像の大量学習・自動特徴抽出がある選択肢を選ぶこと。
正解の理由
正解は イ です。ディープラーニング(特に畳み込みニューラルネットワーク)は大量の画像データから特徴を自動で学習し、物体検出や分類の精度を飛躍的に向上させます。選択肢イは「大量の画像を取得し処理することによって歩行者と車をより確実に見分ける」とあり、これはまさにディープラーニングの適用例(画像認識・物体検出)を示しています。
よくある誤解
- 「センサを使っている=ディープラーニングを使っている」と考える誤解:加速度センサや単純な閾値判定は機械学習を使わず実装できます。
- 「ソフトの更新や通信があればAI的だ」と思う誤解:地図のアップデートは通信機能であって学習モデルによる推論とは無関係です。
- 「燃費改善=学習アルゴリズムを使っている」とする誤解:燃費向上の施策は制御設計や機械的改善で実現することが多く、問題文の記述だけでは学習利用とは言えません。
解法ステップ
- 問題文で「ディープラーニングに特有の語」を探す(大量のデータ学習、特徴の自動抽出、画像認識、ニューラルネットワークなど)。
- 各選択肢を「学習モデルが必要か」「ルールベース・単純センサで実現可能か」で切り分ける。
- 画像を大量取得して識別精度を上げる記述があれば、それがディープラーニングの適用例であると判断する。
- 正解をマークし、他の選択肢が学習不要である理由を確認する。
選択肢別の誤答解説
- ア: 車の壁への衝突を加速度センサが検知しエアバッグを膨らませる。
- 解説:衝突検知は加速度センサの閾値判定や簡単な信号処理で実装可能であり、ディープラーニングは不要です。
- イ: システムが大量の画像を取得し処理することによって、歩行者と車をより確実に見分けることができるようになった。
- 解説:大量画像の学習による特徴抽出・分類はディープラーニングの代表的応用であり正解です。
- ウ: 自動でアイドリングストップする装置により燃費が向上した。
- 解説:アイドリングストップは制御機構や運転挙動の最適化によるもので、記述だけでは学習モデルの利用を示しません。
- エ: ナビゲーションが携帯電話回線でソフトウェアアップデートを行い地図を更新した。
- 解説:通信によるソフト更新・地図更新はデータ配信の話であり、ディープラーニングの適用を示すものではありません。
補足コラム
近年の自動車分野でのディープラーニング応用例には、物体検出(YOLO、SSD、Faster R-CNN)、セマンティックセグメンテーション(道路領域検出)、行動予測、センサーフュージョン(カメラ+LiDAR+レーダー)などがあります。実車適用では推論効率やモデル圧縮(量子化・プルーニング)、エッジデバイス向けの最適化、リアルタイム処理の保証が重要です。
FAQ
Q1: 「大量のデータを使う」とあれば常にディープラーニングなのですか?
A1: ほとんどの場合、画像や音声の大量データを用いて高精度化する場合はディープラーニングが用いられますが、単純な統計的手法や伝統的な機械学習も存在します。問題文では「歩行者と車をより確実に見分ける」点がキーです。
A1: ほとんどの場合、画像や音声の大量データを用いて高精度化する場合はディープラーニングが用いられますが、単純な統計的手法や伝統的な機械学習も存在します。問題文では「歩行者と車をより確実に見分ける」点がキーです。
Q2: 加速度センサや衝突検知にディープラーニングは使われないのですか?
A2: 基本的には閾値処理やルールベースで十分なことが多いですが、異常検知や複雑な状況判断には学習モデルを用いることも研究されています。本問の記述は単純検知の例です。
A2: 基本的には閾値処理やルールベースで十分なことが多いですが、異常検知や複雑な状況判断には学習モデルを用いることも研究されています。本問の記述は単純検知の例です。
Q3: 地図の自動更新はAIの応用ですか?
A3: 地図更新そのものは通信とデータ管理の話であり、AIの適用を直接示すものではありません。ただし、差分検出や自動生成にAIを使うケースはあります。
A3: 地図更新そのものは通信とデータ管理の話であり、AIの適用を直接示すものではありません。ただし、差分検出や自動生成にAIを使うケースはあります。
関連キーワード: ディープラーニング、深層学習、画像認識、物体検出、畳み込みニューラルネットワーク、ADAS、センサーフュージョン、エッジAI、モデル圧縮、リアルタイム推論

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