基本情報技術者 2017年 春期 午前(科目A) 問52
問題文
システム開発の見積方法の一つであるファンクションポイント法の説明として、適切なものはどれか。
選択肢
ア:開発規模が分かっていることを前提として、工数と工期を見積もる方法である。ビジネス分野に限らず、全分野に適用可能である。
イ:過去に経験した類似のシステムについてのデータを基にして、システムの相違点を調べ、同じ部分については過去のデータを使い、異なった部分は経験から規模と工数を見積もる方法である。
ウ:システムの機能を入出力データ数やファイル数などによって定量的に計測し、複雑さとアプリケーションの特性による調整を行って、システム規模を見積もる方法である。(正解)
エ:単位作業量の基準値を決めておき、作業項目を単位作業項目まで分解し、その積算で全体の作業量を見積もる方法である。
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ファンクションポイント法【午前解説】
正解の理由
正解: ウ
選択肢ウは、ファンクションポイント(Function Point:FP)の定義そのものを述べています。FPはシステムの機能を以下の要素(主に5分類)で数え、各要素の複雑さを考慮して定量的な「機能規模」を求める手法です。さらに、一般的には総合的なシステム特性(影響因子、調整係数)で補正を行って最終的なFP値を得ます。これにより技術や言語に依存しない規模比較や初期段階での見積が可能になります。従ってウが正解です。
解法ステップ
- 問題文で「入出力データ数やファイル数などによって定量的に計測」とあるか確認する。
- 「複雑さとアプリケーションの特性による調整」といった補正処理があるかを確認する。
- 他の選択肢が示す手法(過去事例類推、作業分解による積算、開発規模前提)と比較してFPの特徴と一致するかを検討する。
- 機能を数える・技術に依存しない・調整係数で補正する点があればFP(ウ)を選ぶ。
選択肢別の誤答解説
- ア: 「開発規模が分かっていることを前提に工数と工期を見積もる」とあるが、FPは開発規模を定量化する手法であり、前提として規模が既知である必要はないため不適。
- イ: 過去類似システムのデータを用いるのは類推見積り(アナロジー見積り)であり、FPの定義ではない。
- ウ: 正解。入出力・ファイル等を数え、複雑さや特性で補正して機能規模を算出する手法である。
- エ: 「単位作業量の基準値を決めて分解して積算する」はボトムアップ(WBSベースの積算法)であり、FPとはアプローチが異なる。
よくある誤解
- 「FPは工数や工期を直接算出する」と考える誤解:FPは機能規模を示す指標であり、工数換算は生産性(工数/FP)や過去データに基づく係数が必要です。
- 「FPは全分野に適用可能で工数が分かっていれば不要」との混同:FPは業務系など機能単位で評価しやすい分野に強く、既に規模や工数が確定している場合の単純な算出法とは別物です。
- 数え方のミス(何をEI/EO/ILF/EIFにするか):要素の分類や複雑さ判定を誤ると大きく異なるため、ルールに従った厳密なカウントが必要です。
補足コラム
- FPの代表的な流派にはIFPUG(旧来のUFP方式)とCOSMICがあり、カウント対象や定義が異なります。
- IFPUGの基本式(概念的)は、まずUnadjusted Function Points (UFP) を算出し、調整係数(VAF)で補正して最終FPを得ます。一般式は 、VAFは (Fi:一般システム特性のスコア総和)という形で表現されます。
- FPは言語非依存なので、異なる技術や組織間での機能比較や外注評価、契約のベース指標として有用です。ただし、業務系に強く、リアルタイム制御やハードウェア寄りのシステムでは適用が難しい場合があります。
- FPから工数に変換する際は、組織の生産性(工数/FP)を過去実績から求めるのが一般的です。
FAQ
Q1: ファンクションポイントはソース行数(LOC)と同じですか?
A1: 違います。LOCは実装依存で言語による差が大きい指標ですが、FPは機能単位で言語非依存の規模指標です。比べたい場合は換算係数が必要です。
A1: 違います。LOCは実装依存で言語による差が大きい指標ですが、FPは機能単位で言語非依存の規模指標です。比べたい場合は換算係数が必要です。
Q2: FPだけで見積は完結しますか?
A2: FPは機能規模を定量化しますが、工数や工期算出には生産性やリスク、開発体制などの追加情報が必要です。
A2: FPは機能規模を定量化しますが、工数や工期算出には生産性やリスク、開発体制などの追加情報が必要です。
Q3: COSMICとIFPUGはどちらが良いですか?
A3: 用途によります。業務アプリ系ではIFPUGが広く使われ、リアルタイムや組み込み系ではCOSMICが適している場合があります。組織の実績や目的に応じて選びます。
A3: 用途によります。業務アプリ系ではIFPUGが広く使われ、リアルタイムや組み込み系ではCOSMICが適している場合があります。組織の実績や目的に応じて選びます。
Q4: 初期段階でFPを使う利点は?
A4: 要件仕様段階でも機能単位で規模を算出でき、早期に概算見積や比較が可能になる点が利点です。
A4: 要件仕様段階でも機能単位で規模を算出でき、早期に概算見積や比較が可能になる点が利点です。
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