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基本情報技術者 2017年 春期 午前(科目A)62


問題文

ITサービスをアウトソーシングする際の、システム保守品質・運用品質の低下リスクへの対応策はどれか。

選択肢

アウトソーシング後の自社の人材強化計画の提案を、委託先の選定段階で求め、契約書などにも明文化しておく。
サービス費用の妥当性を検証できるように、サービス別の詳細な料金体系を契約書などで明文化しておく。
サービス品質を示す指標を用い、目標とする品質のレベルを委託先と取り決めた上で、サービス品質の改善活動を進めていく。(正解)
システム保守・運用実務などのサービス費用について、査定能力をもつ人材を自社側に確保しておく。

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サービス品質指標と改善計画【午前解説】

正解の理由

正解は です。
ウは「サービス品質を示す指標を用い、目標レベルを取り決めて改善活動を進める」とあり、品質低下リスクに対して直接的かつ実務的な対策を示しています。品質は数値化して監視・評価し、定期的にレビューして改善サイクル(PDCA)を回すことで維持・向上します。指標があると「現状把握」「ベンダーパフォーマンス評価」「改善要求」「契約上の是正措置」が可能になり、運用品質低下の抑止と迅速な是正につながります。

解法ステップ

  1. 問題を「品質低下リスクへの対応策」と明確化する(対象は品質、コスト、人員のうちどれか)。
  2. 各選択肢が「品質の可視化・監視・改善」に直結するかを判断する。
  3. 指標設定・目標合意・継続改善の要素が含まれる選択肢を優先する。
  4. 契約上の明文化や人材確保・費用透明化の効果が補助的である点を区別する。
  5. 最終的に「測定と改善の仕組み」を示す選択肢を選ぶ。

選択肢別の誤答解説

  • ア:アウトソーシング後の自社の人材強化計画の提案を委託先選定段階で求める
    • 説明:自社の人材強化は移管後の受け皿能力向上には寄与しますが、ベンダーの運用品質を直接管理・改善する手段にはなりません。品質の可視化や合意された指標が無いと、強化計画の効果が不明確です。
  • イ:サービス別の詳細な料金体系を契約書で明文化する
    • 説明:料金体系の明確化はコスト妥当性の検証に有効ですが、運用品質そのものの監視・改善には直接つながりません。品質問題の検出や是正には別途指標が必要です。
  • :サービス品質を示す指標を用い、目標レベルを委託先と取り決め改善活動を進める
    • 説明:品質指標(SLA/KPI)による可視化、目標合意、改善活動の継続は品質低下リスクに対する本質的対策です。測定→評価→是正のサイクルを契約・運用へ組み込むことで実効性が高まります。
  • エ:システム保守・運用実務などのサービス費用について、査定能力をもつ人材を自社側に確保する
    • 説明:費用査定能力はコスト管理に寄与しますが、品質低下の予防や改善には、やはり具体的な品質指標とレビュー体制が必要です。査定と品質指標は補完関係にあります。

よくある誤解

  • 契約書に人材強化計画を明記すれば運用品質は自動で維持される:計画は有効だが、実行状況や品質結果を測る指標がないと効果を検証できません。
  • 料金体系の明確化=品質管理:費用透明化はコスト管理には有効ですが、品質改善のための指標やレビュー体制が無ければ品質低下を防げません。
  • 内部に査定能力を持つ人材を確保すれば十分:査定能力は重要ですが、ベンダーと合意した具体的な品質指標と改善プロセスが無ければ評価は曖昧になります。

補足コラム

品質指標(KPI/SLA)の設計ポイントと具体例:
  • 指標は「顧客価値に直結するもの」を選ぶ(例:サービス稼働率、インシデントの復旧時間)。
  • 代表的な指標:稼働率(%)、平均復旧時間(MTTR)、インシデント発生件数、変更成功率、再発率、ユーザ満足度(CSAT)。
  • 測定方法とデータソースを明確にする(監視ツール、チケットシステム、ログ)。
  • 契約には指標の目標値、計測方法、報告頻度、改善要求の手順、SLA違反時の是正措置(ペナルティ/改善プラン)を盛り込む。
  • インセンティブ設計(報奨・ペナルティ)や定期レビュー会議(運用レビュー)を通じて委託先のモチベーションを維持することが重要です。
例:SLA項目の簡易サンプル
  • サービス稼働率:99.9%(測定方法:監視システムの稼働ログ、月次報告)
  • 優先度1インシデントの初動応答時間:30分以内、復旧時間(MTTR):4時間以内

FAQ

Q1:なぜ契約書にSLAを明記するだけで十分ではないのですか?
A1:SLA明記は必須ですが、実効性を持たせるには測定方法、報告・レビュー体制、是正手順、インセンティブ設計が必要です。単なる数値記載では運用に反映されにくいです。
Q2:指標の数が多いと管理が大変では?
A2:重要なのは「少数の意味ある指標」に集中することです。主要な顧客価値に直結するKPIを3〜5個に絞り、補助指標で掘り下げるのが実務的です。
Q3:ベンダー主導で指標を設定されましたが信頼できるか?
A3:合意プロセスで自社要件を明確化し、測定方法や独立した監査・報告を契約に含めることで信頼性を担保します。
Q4:罰則(ペナルティ)だけで品質は維持できますか?
A4:罰則は最後の手段です。ベンダーと協働して改善策を進める「インセンティブ+是正プロセス」の組合せがより効果的です。

関連キーワード: アウトソーシング、SLA、KPI、サービス品質、ベンダーマネジメント、運用保守、MTTR、稼働率、SLO、契約管理
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