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基本情報技術者 2018年 秋期 午前(科目A)14


問題文

稼働状況が継続的に監視されているシステムがある。稼働して数年後に新規業務をシステムに適用する場合に実施する、キャパシティプランニングの作業項目の順序として、適切なものはどれか。   〔キャパシティプランニングの作業項目〕  ① システム構成の案について、適正なものかどうかを評価し、必要があれば見直しを行う。  ② システム特性に合わせて、サーバの台数、並列分散処理の実施の有無など、必要なシステム構成の案を検討する。  ③ システムの稼働状況から、ハードウェアの性能情報やシステム固有の環境を把握する。  ④ 利用者などに新規業務をヒアリングし、想定される処理件数や処理に要する時間といったシステムに求められる要件を把握する。

選択肢

③, ②, ④, ①
③, ④, ②, ①(正解)
④, ②, ①, ③
④, ③, ①, ②

##: キャパシティプランニングの作業順序【午前2 解説】

要点まとめ

  • 結論→既存監視で得られる稼働・性能データを最初に把握し、その後に新業務の要件定義、構成案検討、案の評価・見直しの順で実施します。正しい順序は ③→④→②→① です。
  • 根拠→稼働実績を基に想定負荷を検証することで、過剰設計や不足配置を防げます。既存データがなければ想定値が現実と乖離しやすくなります。
  • 差がつくポイント→現状データの精度確認、利用者要求の定量化、設計案でのボトルネック推定と評価基準(SLA・余裕率)を明確にすることが合否を分けます。

正解の理由

正解は (③, ④, ②, ①)です。理由は次の通りです。まず監視データ(③)でハードと稼働特性を把握し、現実的な基準を得ます。その上で利用者ヒアリング(④)により新業務の処理件数・応答時間など要求を明確化します。次に、それら要件と現状データを照らし合わせて最適なシステム構成案(②)を検討し、最後に構成案が妥当かを評価して必要なら見直す(①)という順序が合理的だからです。

よくある誤解

  • 「まず利用者ヒアリングを最優先すべき」→ ユーザ要求は重要ですが、既存の稼働データを把握してから要件を定量化しないと現実とズレた設計になります。
  • 「構成案を先に作って評価すれば早い」→ 事前に現状や要件を反映していない案は無駄が多く、評価結果も意味を成しません。
  • 「評価(①)=設計(②)の前工程と誤認」→ 評価は検討した案に対するフィードバックなので、検討(②)の後に実施します。

解法ステップ

  1. 既存監視データの収集(③)
    • CPU、メモリ、I/O、ネットワーク、スループット、レスポンスタイム、ピーク時・平均値を取得します。
  2. 新規業務の要件定義(④)
    • 利用者へヒアリングし、処理件数、同時接続数、許容応答時間、バッチ時間帯などを定量化します。
  3. 構成案の検討(②)
    • 現状データと要件から必要なサーバ台数、並列処理、キャッシュや分散の有無を設計します。
    • 基本計算例:利用率 =到着率、=サービス時間)でボトルネックを推定。
  4. 案の評価と見直し(①)
    • シミュレーション、モデル計算、過去実績との照合で合否判定し、必要なら設計を修正します。
  5. 最終決定とマージン設定
    • 将来成長係数や安全マージンを決め、運用監視項目に反映します。

選択肢別の誤答解説

  • ア: ③, ②, ④, ①
    • 誤り理由:構成案(②)を作成してから利用者要求(④)を把握するため、設計が要求に合致しない可能性があります。
  • イ: ③, ④, ②, ①
    • 正解理由:現状把握→要求定義→設計案→評価の論理的なフローに合致しています。
  • ウ: ④, ②, ①, ③
    • 誤り理由:利用者ヒアリングを先に行う点は悪くないが、最後に現状把握(③)を行うのは逆で、設計時に現状データを活かせません。
  • エ: ④, ③, ①, ②
    • 誤り理由:評価(①)を設計(②)より先に実施しています。評価は検討した案に対して行うべきで順序が逆です。

補足コラム

  • 監視データの「粒度」と「期間」が重要:短期のスパイクだけで判断せず、平常時・ピーク時・季節変動を含む長期データを用いること。
  • 実運用では「安全余裕(ヘッドルーム)」を確保することが常識です。一般にピーク時の想定利用率が70〜80%未満になるように設計するケースが多いです。
  • スケーリング戦略(垂直増強 vs 水平スケーリング)やキャッシュ導入、非同期化などの対策案は、②の段階で複数案を比較検討しやすいように定量指標で評価してください。

FAQ

Q1: 監視データが不十分な場合はどうするべきですか?
A1: 仮設を置いて負荷試験(負荷ツールによるベンチマーク)で補完し、本番運用で速やかにモニタリングして実績と照合します。
Q2: 要件が曖昧な場合の優先度は?
A2: まずSLAの最低線(許容応答時間・最大同時数など)を確定し、実効的な試験やプロトタイプで数値化します。
Q3: どのくらいの余裕(マージン)を見ればよいですか?
A3: 業務の重要度や成長率によりますが、一般的にはピーク時の想定利用率を70〜80%程度、成長分は数年分の増加率を見込むことが多いです。

関連キーワード: キャパシティプランニング、監視データ、負荷予測、性能評価、スループット、レイテンシ、CPU使用率、メモリ使用率、スケーリング戦略、ボトルネック分析
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