基本情報技術者 2018年 秋期 午前(科目A) 問15
問題文
東京と福岡を結ぶ実線の回線がある。東京と福岡の間の信頼性を向上させるために大阪を経由する破線の迂回回線を追加した。迂回回線追加後における、東京と福岡の間の稼働率は幾らか。ここで、回線の稼働率は、東京と福岡、東京と大阪、大阪と福岡の全てが0.9とする。

選択肢
ア:0.729
イ:0.810
ウ:0.981(正解)
エ:0.999
##: 東京―福岡間の稼働率(迂回回線あり)【午前2 解説】
要点まとめ
- 結論→直接回線が0.9、経由(東京―大阪×大阪―福岡)が0.9×0.9=0.81、少なくとも一経路が生存する確率は です。
- 根拠→「両方の経路が使えない」確率を求め、(直接が落ちる確率 × 経由が落ちる確率)で全体可用性を出します。
- 差がつくポイント→回線の直列(区間を全部通る必要あり)と並列(経路の選択肢が複数)の違いを正確に区別することが合格の鍵です。
正解の理由
直接回線(東京―福岡)が稼働していれば通信可能です。また大阪経由は「東京―大阪」と「大阪―福岡」の両方が稼働して初めて成立します。
個々の回線稼働率を とすると、経由経路の稼働率は です。問題は「少なくとも1経路が動作する確率」を求めるため、 まず両方の経路が使えない確率を求めます。直接が落ちる確率は 、経由が落ちる確率は です。これらは独立なので同時に落ちる確率は 。したがって可用性は となり、選択肢の中では 0.981(ウ)が正解です。
個々の回線稼働率を とすると、経由経路の稼働率は です。問題は「少なくとも1経路が動作する確率」を求めるため、 まず両方の経路が使えない確率を求めます。直接が落ちる確率は 、経由が落ちる確率は です。これらは独立なので同時に落ちる確率は 。したがって可用性は となり、選択肢の中では 0.981(ウ)が正解です。
よくある誤解
- 直列・並列を混同して「全回線が稼働する確率」を求めてしまう(、選択肢ア)。これは「すべての回線が動いている確率」であり、問題の趣旨と異なります。
- 経由経路を「どちらか一方が動いていればよい」と誤認し、経由の稼働率を や単純な和で計算してしまう。経由は直列なので積で求めます。
- 並列経路の合成で単純に確率を足して としてしまう(確率の合計は 1 を超える可能性があり誤り)。
解法ステップ
- 各回線の稼働率を確認:各区間 。
- 大阪経由の経路稼働率を直列の積で求める:。
- 「少なくとも一経路が稼働する」=「両方の経路が落ちる」確率の補集合なので、まず落ちる確率を求める。
- 直接落ちる確率 、経由落ちる確率 。
- 両方落ちる確率(独立)=。
- 可用性=。
選択肢別の誤答解説
- ア: 0.729
- 誤りの理由:全ての回線(東京―福岡、東京―大阪、大阪―福岡)が同時に稼働する確率 を求めている。問題は「少なくとも1経路が使える」確率なので誤り。
- イ: 0.810
- 誤りの理由:大阪経由だけを見た値で、直接回線が稼働する可能性を無視している。冗長化の効果を反映していない。
- ウ: ウ(0.981)
- 正答の理由:直接経路と経由経路の少なくとも一方が動作する確率を正しく計算している()。
- エ: 0.999
- 誤りの理由:おそらく各回線の故障率 を全て同時に故障する確率 と見なして を取ったもの。だが「両経路が使えない」事象は全3回線が同時に故障することとは同値ではない(経由が落ちるには2回線のいずれかが落ちればよい)。
補足コラム
ネットワークの信頼性計算は「直列(series)」と「並列(parallel)」の基本合成で扱えます。直列は各要素の確率の積、並列は「全てが失敗する確率」を掛け合わせて補集合を取るのが基本です。複雑なトポロジーでは分解や信頼性ブロック図、カット集合/パス集合の考え方を用いると整理しやすくなります。
一般式(2経路並列、経路iの稼働率を ): 。今回の例では を代入しています。
一般式(2経路並列、経路iの稼働率を ): 。今回の例では を代入しています。
FAQ
Q1: 回線の稼働率が異なる場合はどうする?
A1: 同じ考え方で各経路の稼働率を個別に求め、並列合成は 、直列合成は を使います。
A1: 同じ考え方で各経路の稼働率を個別に求め、並列合成は 、直列合成は を使います。
Q2: 独立でない(相関がある)場合は?
A2: 相関があると単純な積は使えません。共通故障要因や相関係数を考慮したモデル(例えば共通モード故障確率を加味)で評価します。問題文に独立性が暗黙に示されていれば今回のように扱います。
A2: 相関があると単純な積は使えません。共通故障要因や相関係数を考慮したモデル(例えば共通モード故障確率を加味)で評価します。問題文に独立性が暗黙に示されていれば今回のように扱います。
Q3: 小数の丸めはどうする?
A3: 試験問題では選択肢が与えられるので、それに合致する精度で計算してください。今回の はそのままで選択肢と一致します。
A3: 試験問題では選択肢が与えられるので、それに合致する精度で計算してください。今回の はそのままで選択肢と一致します。
関連キーワード: 回線信頼性、可用性、冗長化、直列接続、並列接続、確率計算、信頼性工学、ネットワーク設計

\ せっかくなら /
基本情報技術者を
クイズ形式で学習しませんか?
クイズ画面へ遷移する→
すぐに利用可能!

