基本情報技術者 2018年 秋期 午前(科目A) 問61
問題文
IT投資評価を、個別プロジェクトの計画、実施、完了に応じて、事前評価、中間評価、事後評価を行う。事前評価について説明したものはどれか。
選択肢
ア:計画と実績との差異及び原因を詳細に分析し、投資額や効果目標の変更が必要かどうかを判断する。
イ:事前に設定した効果目標の達成状況を評価し、必要に応じて目標を達成するための改善策を検討する。
ウ:投資効果の実現時期と評価に必要なデータ収集方法を事前に計画し、その時期に合わせて評価を行う。
エ:投資目的に基づいた効果目標を設定し、実施可否判断に必要な情報を上位マネジメントに提供する。(正解)
IT投資評価における事前評価について【午前2 解説】
要点まとめ
- 結論:事前評価は投資目的に基づき効果目標を設定し、上位マネジメントの実施可否判断に必要な情報を提供する役割です。
- 根拠:事前評価は採択前の意思決定支援が主目的で、実績分析ではなく目標設定と実施可能性の検討に重心があるためです。
- 差がつくポイント:'実績'や'達成状況'といった語がある選択肢は事中・事後評価であり、事前は計画と判断材料に注目します。
正解の理由
選択肢の中で事前評価を正しく説明しているのは、投資目的に基づいて効果目標を定め、実施可否判断のための情報を上位マネジメントに提供する内容であるためです。事前評価は「投資を行うかどうか」を決める段階の評価であり、期待効果や達成基準、リスクやコスト、実施の可否に関する情報整備が主な役割になります。したがって、実施可否判断に直接結びつく説明を示した選択肢が正解です。
よくある誤解
- 「事前評価=評価方法やデータ収集の計画」:評価のための準備も行うが、事前評価の本質は意思決定支援であり、評価タイミングと目的を混同すると誤答しやすい。
- 「実績や達成状況を確認するのが事前評価」:これらは事中評価や事後評価の役割で、事前はまだ実施前の計画段階である点を見落としがち。
- 「事前評価で詳細な差分分析を行う」:差分分析は計画と実績が揃った後の活動であり、事前では想定値や目標設定が中心となる。
解法ステップ
- 設問のキーワード「事前評価(実施前)」を確認する。
- 各選択肢中に「実施可否判断」「目標設定」などの採択前の意思決定に関する表現を探す。
- 「実績」「差異」「達成状況」「評価を行う(その時期に合わせて)」など、事中・事後を示す語を含む選択肢を除外する。
- 残った選択肢が事前評価の目的(情報提供、目標設定、実施可否判断)に合致するかを最終確認する。
選択肢別の誤答解説
- ア: 計画と実績との差異及び原因を詳細に分析し、投資額や効果目標の変更が必要かどうかを判断する。
→ 誤り。計画と実績の差異分析は実施後または途中での評価(事中・事後評価)の役割です。事前評価では実績が存在しないため対応しません。 - イ: 事前に設定した効果目標の達成状況を評価し、必要に応じて目標を達成するための改善策を検討する。
→ 誤り。達成状況の評価と改善策検討は事中(途中での軌道修正)や事後(結果評価)の活動であり、事前の説明ではありません。 - ウ: 投資効果の実現時期と評価に必要なデータ収集方法を事前に計画し、その時期に合わせて評価を行う。
→ 一部適合する要素はあるが誤り。評価の計画(いつ評価するか、データをどう取るか)は事前に検討されることがあるものの、文末の「その時期に合わせて評価を行う」は実際の評価行為を含むため、事前評価の説明としては不十分で、主題が「評価実施のタイミング・実行」に寄っています。 - エ: 投資目的に基づいた効果目標を設定し、実施可否判断に必要な情報を上位マネジメントに提供する。
→ 正解。事前評価の目的である目標設定と意思決定支援(実施可否判断のための情報提供)を端的に表しています。
補足コラム
事前評価・中間評価・事後評価はそれぞれ目的が明確に異なります。事前評価は「採択判断のための計画と根拠整備」、中間評価は「進捗と計画の齟齬検出と是正」、事後評価は「投資効果の実績値測定と次回への学習」です。試験では「いつ」「何を」「誰のために」を意識して選択肢の語彙(実績、達成、差異、計画、可否判断など)を手がかりに答案を絞り込むと正答が速く見つかります。
FAQ
Q: ウの「事前に計画し」部分は事前評価に該当しませんか?
A: 評価の計画自体は事前に検討されますが、設問は「事前評価について説明したものはどれか」と問うており、事前評価の主目的は意思決定支援(目標設定と可否判断)です。ウは評価実施のタイミングや方法にも触れており、主題がずれているため不正解になります。
A: 評価の計画自体は事前に検討されますが、設問は「事前評価について説明したものはどれか」と問うており、事前評価の主目的は意思決定支援(目標設定と可否判断)です。ウは評価実施のタイミングや方法にも触れており、主題がずれているため不正解になります。
Q: 「事前評価で費用対効果(ROI)を算出する」はあり得ますか?
A: あり得ます。事前評価では期待効果を見積もり、投資対効果を評価して採否判断に使います。ただし算出は推定値であり、実績との比較は事後の仕事です。
A: あり得ます。事前評価では期待効果を見積もり、投資対効果を評価して採否判断に使います。ただし算出は推定値であり、実績との比較は事後の仕事です。
Q: 素早く解くコツは?
A: 「事前=計画・可否判断」「事中=進捗・改善」「事後=実績・効果検証」の対応を頭に入れ、選択肢中のキーワードで即座に分類してください。
A: 「事前=計画・可否判断」「事中=進捗・改善」「事後=実績・効果検証」の対応を頭に入れ、選択肢中のキーワードで即座に分類してください。
関連キーワード: IT投資評価、事前評価、中間評価、事後評価、投資効果、効果目標、実施可否判断、評価計画、ROI、ガバナンス

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