基本情報技術者 2018年 秋期 午前(科目A) 問80
問題文
請負契約を締結していても、労働者派遣とみなされる受託者の行為はどれか。
選択肢
ア:休暇取得の承認を発注者側の指示に従って行う。(正解)
イ:業務の遂行に関する指導や評価を自ら実施する。
ウ:勤務に関する規律や職場秩序の保持を実施する。
エ:発注者の業務上の要請を受託者側の責任者が窓口となって受け付ける。
請負契約でも労働者派遣とみなされる受託者の行為はどれか【午前2 解説】
要点まとめ
- 結論:ア(発注者の指示に従って休暇承認を行う)は受託者の労務管理権限を発注者に移すため、派遣とみなされます。
- 根拠:労働者派遣は派遣先の指揮命令下で業務を行う関係であり、休暇や出退勤などの労務管理を発注者が行うことが判断基準になります。
- 差がつくポイント:成果責任が受託者にあるかと、日常的な労務管理(休暇承認、始終業、欠勤対応)を誰が行うかを明確に確認してください。
正解の理由
正解:ア
休暇の承認は日常的な労務管理の一部であり、本来は雇用主側(受託者)が行うべき権限です。発注者の指示に従って受託者が休暇承認を行う場合、受託者の従業員は実質的に発注者の指揮命令下に置かれています。労働者派遣の本質は派遣先による指揮命令関係ですから、このような運用は「派遣」に該当すると判断されます。
休暇の承認は日常的な労務管理の一部であり、本来は雇用主側(受託者)が行うべき権限です。発注者の指示に従って受託者が休暇承認を行う場合、受託者の従業員は実質的に発注者の指揮命令下に置かれています。労働者派遣の本質は派遣先による指揮命令関係ですから、このような運用は「派遣」に該当すると判断されます。
よくある誤解
- 発注者の「業務上の要請=すべて派遣」と考える誤解:単なる要請や仕様指示は請負でもあり得ます。問題は要請が日常的な労務管理まで及ぶかどうかです。
- 指導や評価があれば自動的に派遣とする誤解:業務内容に関する指示や作業指導と、日常的な勤務管理(休暇・出退勤の承認など)は区別して判断します。
- 「窓口が受託者側にある」ことを派遣と勘違いする誤解:窓口を受託者が務めるのは請負の通常の運用であり、それだけでは派遣にはなりません。
解法ステップ
- 問題文の行為が「労務管理(休暇承認、始終業、欠勤対応等)」に該当するか確認する。
- その行為を「発注者が行うか」「受託者が行うか」を整理する。
- 日常的で継続的な指揮監督や労務管理を発注者が行う場合は派遣と判断する。
- 選択肢と法的区分(請負=成果責任、派遣=指揮命令関係)を照合して正答を選ぶ。
選択肢別の誤答解説
- ア(正解): 発注者の指示に従って休暇承認を行うことは、労務管理権限が発注者側にあることを示し、派遣とみなされます。
- イ: 「業務の遂行に関する指導や評価を自ら実施する」は受託者側が指導・評価を行うので、受託者が労務管理を保持しており請負として問題ありません。
- ウ: 「勤務に関する規律や職場秩序の保持を実施する」は、文脈上受託者がこれを実施するなら請負内の管理であり派遣には当たりません。発注者が直接行う場合は派遣性が高まります。
- エ: 「発注者の業務上の要請を受託者側の責任者が窓口となって受け付ける」は通常の請負運用であり、窓口対応自体は派遣性を示しません。
補足コラム
- 判例や運用では、始終業の管理、欠勤・遅刻の対応、休暇承認など日常的な労務管理に発注者が関与すると違法派遣と判断されるケースが多いです。
- 実務対策として請負契約書には「労務管理は受託者の責任であること」「作業の具体的指揮は受託者に委ねること」などの明確な条項を入れると安全です。ただし実際の運用が条項と乖離すると効果は薄く、運用実態が最も重視されます。
- 違法派遣と認定されると派遣元・派遣先双方に是正命令や罰則が課される可能性があるため、契約と運用の整合性が重要です。
FAQ
Q1: 発注者が「作業手順を指示する」だけでも派遣になりますか?
A1: 単なる作業手順や成果仕様の指示は請負でも許容されます。問題になるのは始終業管理や休暇承認などの労務管理まで踏み込むかどうかです。
A1: 単なる作業手順や成果仕様の指示は請負でも許容されます。問題になるのは始終業管理や休暇承認などの労務管理まで踏み込むかどうかです。
Q2: 受託者社員が発注者から一時的に指示を受けるのは問題ですか?
A2: 一時的・臨時的な指示は直ちに派遣とはなりません。継続的かつ日常的に発注者の指揮命令下に置かれることが問題です。
A2: 一時的・臨時的な指示は直ちに派遣とはなりません。継続的かつ日常的に発注者の指揮命令下に置かれることが問題です。
Q3: 請負でも評価や教育は受注側がやってはいけないのですか?
A3: 受託者自身が評価や教育を行うことは請負の通常業務です。派遣性を招くのは評価や教育を発注者が日常的に直接行う場合です。
A3: 受託者自身が評価や教育を行うことは請負の通常業務です。派遣性を招くのは評価や教育を発注者が日常的に直接行う場合です。
関連キーワード: 労働者派遣法、請負契約、指揮命令、労務管理、違法派遣、休暇承認、発注者責任、受託者責任

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