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基本情報技術者 2019年 秋期 午前(科目A)56


問題文

システムの移行計画に関する記述のうち、適切なものはどれか。

選択肢

移行計画書には、移行作業が失敗した場合に旧システムに戻す際の判断基準が必要である。(正解)
移行するデータ量が多いほど、切替え直前に一括してデータの移行作業を実施すべきである。
新旧両システムで環境の一部を共有することによって、移行の確認が容易になる。
新旧両システムを並行運用することによって、移行に必要な費用が低減できる。

システムの移行計画に関する記述のうち、適切なものはどれか。【午前2 解説】

要点まとめ

  • 結論: 移行計画書には、移行作業が失敗した場合に旧システムに戻すための明確な判断基準、ロールバック手順、及び実行条件を必ず記載すべきである。
  • 根拠: 移行は高リスク作業であり、影響範囲・復旧手順・データ整合性検証・責任者・サービス停止許容時間などを事前定義しなければ被害拡大を招く。
  • 差がつくポイント: ロールバックの判断基準(合格基準・許容エラー率・検証項目)、責任分担、フェールオーバー手順、データ検証方法を具体化すること。

正解の理由

正解:
移行計画の目的は単に新システムへ移すことではなく、移行失敗時にも業務継続を確保することです。したがって「移行作業が失敗した場合に旧システムに戻す際の判断基準」が計画書に含まれていることは必要不可欠です。判断基準がないと、判断が遅れたり恣意的になり、業務停止時間の長期化やデータ不整合など重大な被害を招きます。

よくある誤解

  • 丸ごと一括移行(ビッグバン)が常に短時間で済むと考える誤解:データ量や依存関係によりダウンタイムが長くなりリスクが高まる。
  • 並行運用はコスト削減策だと考える誤解:並行運用は検証と安全性を高めるが、二重運用のため費用・運用負荷は増える。
  • 環境を部分共有すれば確認が容易と考える誤解:共有は干渉や誤検出を招きやすく、独立した検証環境の方が正確な結果を得られる。

解法ステップ

  1. 問題文のキーワード(移行計画、失敗、旧システムに戻す)を把握する。
  2. 各選択肢を「リスク管理」「コスト」「検証のしやすさ」の観点で評価する。
  3. 移行に関する一般的なベストプラクティス(ロールバック基準の明文化、段階的移行、並行運用のコスト)と照らし合わせる。
  4. 最も安全・標準的な管理策を示す選択肢を選ぶ(今回はロールバック基準の明示)。

選択肢別の誤答解説

  • : 正解。移行計画書にはロールバック条件や判断基準、復旧手順、責任者を明記するのが標準的運用であり、リスク管理上必須である。
  • イ: 誤り。移行データ量が多いほど「直前一括移行」はリスクが高く、段階的移行、事前コピー(プリコピー)、差分同期やレプリケーションを用いてダウンタイムを短縮・安全化する方が適切である。
  • ウ: 誤り。新旧で環境の一部を共有すると相互干渉や依存関係の見落としが生じ、真の検証が妨げられる。独立した検証環境やステージング環境で検証する方が確実である。
  • エ: 誤り。並行運用はリスク低減や検証のために行うが、システムを二重に保持・運用するためコストや人的負荷は増え、費用低減にはつながらない。

補足コラム

移行方式の代表的なパターンには「ビッグバン(カットオーバー)」「段階的移行」「並行運用」「ブルーグリーンデプロイ」「カナリアリリース」などがあります。各方式にはメリット・デメリットがあり、選択はデータ量、可用性要件、復旧時間目標(RTO)、データ損失許容量(RPO)、依存関係の複雑さによって決まります。ロールバック計画には具体的な合格基準(例:応答時間<2秒、エラー率<0.1%、データ差異0件など)や、戻す際の手順、担当者、検証チェックリストを明記すると現場で迅速かつ混乱なく対応できます。

FAQ

Q: ロールバックとフェールオーバーは同じですか?
A: 異なります。フェールオーバーは通常冗長系へ自動切替する仕組みで、ロールバックは移行後の問題発生時に移行前の状態へ戻す手順を指します。どちらも計画に含めるべきです。
Q: 大量データの移行でダウンタイムを短くする方法は?
A: 事前にフルコピーを行い、切替直前に差分同期のみを行う、またはレプリケーションで整合させる手法が有効です。事前検証とリハーサルも必須です。
Q: 並行運用はいつ使うべきですか?
A: ビジネス影響が大きく可用性確保が最優先の場合に有効ですが、コストと運用負荷が増す点に注意してください。一定期間で切替を完了する計画が必要です。
Q: 移行計画に必須の項目は何ですか?
A: 目的、影響範囲、スケジュール、役割と責任、停止許容時間、ロールバック基準、検証項目、通信計画、リスクと対策、実行チェックリストなどです。

関連キーワード: システム移行、ロールバック、移行計画書、データ移行、切替戦略、並行運用、ブルーグリーンデプロイ、カットオーバー
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