基本情報技術者 2019年 秋期 午前(科目A) 問80
問題文
ソフトウェアやデータに瑕疵がある場合に、製造物責任法の対象となるものはどれか。
選択肢
ア:ROM化したソフトウェアを内蔵した組込み機器(正解)
イ:アプリケーションソフトウェアパッケージ
ウ:利用者がPCにインストールしたOS
エ:利用者によってネットワークからダウンロードされたデータ
##: 製造物責任法の適用対象(ソフトウェア・データの瑕疵)【午前2 解説】
要点まとめ
- 結論:組込み機器にROM化されたソフトウェアは物理的製品の一部であり、製造物責任法の対象となるため瑕疵責任を追及できる。
- 根拠:製造物責任法は「製造物」の瑕疵で生じた損害を保護し、機器に組み込まれたソフトはその「製造物」に含まれると解される。
- 差がつくポイント:ROMに焼き込まれた組込みソフトと、ダウンロードやユーザー導入のソフトでは法的扱いが異なり、物理的結合の有無を重視する点を押さえる。
正解の理由
正解: ア
ROM化されたソフトウェアを内蔵した組込み機器は、ソフトウェアが物理的機器に組み込まれ、一体の「製造物」として流通しています。製造物責任法(PL法)は、製造物の瑕疵により人や財産に被害が生じた場合の責任を規定するものであり、機器に組み込まれたソフトが瑕疵の原因となれば製造者に責任が及びます。したがって、組込み機器+ROMの組み合わせは典型的に対象となります。
ROM化されたソフトウェアを内蔵した組込み機器は、ソフトウェアが物理的機器に組み込まれ、一体の「製造物」として流通しています。製造物責任法(PL法)は、製造物の瑕疵により人や財産に被害が生じた場合の責任を規定するものであり、機器に組み込まれたソフトが瑕疵の原因となれば製造者に責任が及びます。したがって、組込み機器+ROMの組み合わせは典型的に対象となります。
よくある誤解
- パッケージソフトやダウンロード配布のソフトも一律にPL法の対象になると考える誤り:物理的に製品と一体化しているかが重要です。
- OSを利用者がPCにインストールした場合でも自動的に製造物に当たるという誤解:販売形態や物理的結合の有無で判断が分かれます。
- データ自体(ダウンロードされたファイル)は製造物に当たらない、という理解を単純化しすぎる誤り:通常は製造物ではないが、配布形態や添付媒体によっては別の法的責任(契約・不法行為)を問えることがあります。
解法ステップ
- 問題文で対象となる「ソフトウェア/データ」が物理的製品に組み込まれているかを確認する。
- 製造物責任法の「製造物」は移動可能な有形物である点を思い出す(無形サービスや単なるデータは対象外)。
- 組み込みか独立流通か、物理媒体で提供されるか否かで判定する。組込みかつROM化なら製造物とみなせる。
- 各選択肢を上記基準で比較し、物理的結合が明確な選択肢を選ぶ。
選択肢別の誤答解説
- ア: ROM化したソフトウェアを内蔵した組込み機器
→ 正解。ソフトが機器に焼き込まれ物理的に一体化しているため、その製品の瑕疵としてPL法の対象となる。 - イ: アプリケーションソフトウェアパッケージ
→ 一般にソフトウェア自体は無形のプログラムであり、単体のパッケージが製造物に当たるかは曖昧。物理媒体(CD等)に封入されたとしても、製品全体の一部とみなされるケースは限定的で、設問の最も明確な対象はア。 - ウ: 利用者がPCにインストールしたOS
→ 利用者が自己インストールする形態では、当該ソフトが販売時点で機器と一体だったわけではないため、製造物責任の適用が直ちに成立するとは限らない。販売形態や提供方法により契約上・不法行為上の責任は問題となる。 - エ: 利用者によってネットワークからダウンロードされたデータ
→ ダウンロードデータは通常無形であり、物理的な「製造物」ではないためPL法の対象外。品質問題は契約不履行や不法行為で争うことが多い。
補足コラム
- 「ROM化」「フラッシュに焼き込む」など組込みソフトがハードと不可分になる場合、実務上はそのソフトが製品の一部として扱われ、製造者責任(PL)の対象となりやすいです。
- 一方、クラウド提供やダウンロード販売、ユーザーによる後付けインストールは無形部分が大きく、PL法よりも契約上の瑕疵担保責任や民事責任で争われるケースが多くなります。
- 法的判断は事案ごとに異なり、販売形態、流通時の状態、更新の可否や製造者の関与度合いなどが考慮されます。実務では「物理的結合の有無」と「販売時の状態」が鍵になります。
FAQ
Q1: ダウンロード販売のソフトは絶対にPL法の対象にならないのですか?
A1: 絶対ではありませんが、一般的には無形のためPL法適用は難しく、契約不履行や不法行為での請求が主体になります。提供形態や付随する物理媒体の有無で判断が変わる可能性があります。
A1: 絶対ではありませんが、一般的には無形のためPL法適用は難しく、契約不履行や不法行為での請求が主体になります。提供形態や付随する物理媒体の有無で判断が変わる可能性があります。
Q2: 組込みでもRAMに書き込まれる場合はどうですか?
A2: 一時的にRAMに展開されるだけではなく、販売時に機器にプリインストールされ一体で流通しているかが重要です。販売時に機器と一体ならPLの対象となり得ます。
A2: 一時的にRAMに展開されるだけではなく、販売時に機器にプリインストールされ一体で流通しているかが重要です。販売時に機器と一体ならPLの対象となり得ます。
Q3: パッケージ版(CD-ROM等)のアプリはPL法の対象になりますか?
A3: 物理媒体が添付されたパッケージは物理的要素を含みますが、実務上は製品全体の性質や流通形態で判断が分かれます。本問では最も明確に「機器に組込まれたROMのソフト」が該当します。
A3: 物理媒体が添付されたパッケージは物理的要素を含みますが、実務上は製品全体の性質や流通形態で判断が分かれます。本問では最も明確に「機器に組込まれたROMのソフト」が該当します。
関連キーワード: 製造物責任法、PL法、組込みソフトウェア、ROM、ファームウェア、ソフトウェア責任、瑕疵、損害賠償、物理的結合、配布形態

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