基本情報技術者 2019年 春期 午前(科目A) 問15
問題文
アプリケーションの変更をしていないにもかかわらず、サーバのデータベース応答性能が悪化してきたので、表のような想定原因と、特定するための調査項目を検討した。調査項目cとして、適切なものはどれか。

選択肢
ア:遅い処理の特定
イ:外的要因の変化の確認
ウ:キャッシュメモリのヒット率の調査
エ:データの格納状況の確認(正解)
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データ格納状況の確認【午前解説】
正解の理由
フラグメンテーションによるディスクI/Oの増加が想定原因であれば、物理的・論理的な「データの格納状況」を確認することが直接的かつ有効です。ファイルやデータベース内のレコードやページが不連続に配置されていると、読み書き時にシークや追加のI/Oが発生し、応答性能が悪化します。したがって、選択肢のうち実際に格納の断片化(フラグメンテーション)を検出・評価できるもの、つまり エ が適切です。
解法ステップ
- まず想定原因(フラグメンテーション)を論点化する:断片化は「連続領域の欠如」による追加I/Oを引き起こす。
- OS・ストレージ・DBそれぞれで格納状態を調査する項目を洗い出す。
- ファイルシステムレベル:ファイルの断片化(extent分割状況)や空き領域の分散。
- ブロック/デバイスレベル:パーティションの配置、RAID/ボリュームの断片化、LVMの断片化。
- DBレベル:テーブル/インデックスのページ散在、内部フリースペースの増加。
- 実測で影響を確認する:I/O指標(例:awaitとavgqu-szは意味が異なるため両方を確認)やアクセスパターンを併せて評価する。
- 必要なら整理(デフラグ、テーブルの再構成、再割付け、パーティショニング)を実施し、性能改善を検証する。
選択肢別の誤答解説
-
ア(遅い処理の特定)
遅いSQL文や非定型検索が原因のときに有効です。実際の想定原因がフラグメンテーションであれば、処理そのものの特定ではなく、格納レイアウトの確認が優先されます。よってcに対しては不適切。 -
イ(外的要因の変化の確認)
他システムの共存や接続クライアント数の増加など「外的要因」を調べる項目であり、表の1行目に対応します。フラグメンテーションの検証とは目的が異なります。 -
ウ(キャッシュメモリのヒット率の調査)
データベースバッファの不足やキャッシュ効率の問題を疑うときに用いる項目です(バッファ不足によりI/Oが増えるケースに該当)。フラグメンテーションそのものの有無や配置の偏りは直接は分からないため、cの想定原因には不十分です。 -
エ(データの格納状況の確認)
ファイル/ブロック/テーブルの断片化を直接検出できるため、フラグメンテーションによるディスクI/O増加を特定するために最も適切です。
よくある誤解
- SSDではフラグメンテーションを無視してよいと思い込む
- SSDはシーク遅延が小さいため影響がHDDより小さいことが多いが、ファイルシステムのメタデータ肥大やガーベジコレクション、書込amplificationにより性能影響を受けることがある。無条件に無視して良いわけではありません。
- I/O指標を一つだけ見れば十分と考える
- 例えばiostatのawaitは平均I/O待ち時間、avgqu-szは平均キュー長であり意味が異なります。両者やスループット、CPU待ち、コンテキストスイッチ等を総合的に見る必要があります。
補足コラム
- 代表的な確認ツール例(Linux)
- ファイル断片化確認:
filefrag -v /path/to/file - ブロックデバイス状況:
lsblk; blkid; hdparm -I /dev/sdX - I/O指標:
iostat -x 1 3 # await, avgqu-szなどを確認 sar -d 1 3 vmstat 1 3 - データベース側:
- MySQL: SHOW TABLE STATUS、OPTIMIZE TABLE、InnoDBのフラグメント(innodb_file_per_tableの有無)
- PostgreSQL: pgstattuple、VACUUM (FULL) やREINDEX
- ファイル断片化確認:
- 対策の考え方
- 最小侵襲で効果がある順に試す:インデックス再構築→テーブル再編成→ファイルシステムのデフラグ/再配置。運用影響(停止時間)を考慮して段階実施すること。
FAQ
Q. HDDとSSDで調査手順は同じですか?
A. 基本的な「格納状況の確認」は共通ですが、HDDは連続性(シーク回数)を重視し、SSDは書込パターンやガーベジコレクション、TRIMの有無に着目します。SSDでは論理的な断片化よりもDB側のフリースペース管理やwrite amplificationを優先して確認します。
A. 基本的な「格納状況の確認」は共通ですが、HDDは連続性(シーク回数)を重視し、SSDは書込パターンやガーベジコレクション、TRIMの有無に着目します。SSDでは論理的な断片化よりもDB側のフリースペース管理やwrite amplificationを優先して確認します。
Q. iostatのどの値を優先して見るべきですか?
A. 平均待ち時間としてはawait(ミリ秒)を確認し、デバイスの混雑度はavgqu-sz(平均キュー長)で把握します。両者を合わせ、tps/MB_s(スループット)やCPU使用率と併せて判断してください。
A. 平均待ち時間としてはawait(ミリ秒)を確認し、デバイスの混雑度はavgqu-sz(平均キュー長)で把握します。両者を合わせ、tps/MB_s(スループット)やCPU使用率と併せて判断してください。
Q. デフラグ作業はすぐ実行すべきですか?
A. 影響範囲とメンテナンス時間を評価してから実施します。DBの場合はオンラインでできる手法(インデックスのオンライン再構築など)を優先検討してください。
A. 影響範囲とメンテナンス時間を評価してから実施します。DBの場合はオンラインでできる手法(インデックスのオンライン再構築など)を優先検討してください。
関連キーワード: ディスクフラグメンテーション、ファイル断片化、ファイルシステム、I/O待ち時間、await、avgqu-sz、iostat、filefrag、VACUUM、OPTIMIZE TABLE

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