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基本情報技術者 2019年 春期 午前(科目A)58


問題文

システム監査人がインタビュー実施時にすべきことのうち、最も適切なものはどれか。

選択肢

インタビューで監査対象部門から得た情報を裏付けるための文書や記録を入手するよう努める。(正解)
インタビューの中で気が付いた不備事項について、その場で監査対象部門に改善を指示する。
監査対象部門内の監査業務を経験したことのある管理者をインタビューの対象者として選ぶ。
複数の監査人でインタビューを行うと記録内容に相違が出ることがあるので、1人の監査人が行う。

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監査におけるインタビュー対応【午前解説】

正解の理由

(インタビューで監査対象部門から得た情報を裏付けるための文書や記録を入手するよう努める)は正解です。
監査の本質は「口頭説明を含む事実を客観的証拠で裏付け、検証可能な結論を出す」ことにあります。インタビューは重要な情報取得手段ですが、口頭のみでは誤解や忘れ、意図的ないし無意識の偏りが入りやすいため、監査人は関連する文書・記録(証憑)を入手し照合する努力を行う必要があります。これにより所見の妥当性・信頼性が高まります。

解法ステップ

  1. 問題文の役割定義を確認:監査人の役割は「評価・検証・独立性保持」であることを確認する。
  2. 各選択肢を「監査の目的(客観的証拠の確保)」「独立性」「代表性」の観点で照らし合わせる。
  3. 「文書での裏付け」は監査手続の基本なので優先順位が高いと判断する。
  4. 指示や偏った対象選定は監査人の職責や倫理と矛盾するため排除する。
  5. 最も監査手続に合致する選択肢を選ぶ(今回ならア)。

選択肢別の誤答解説

  • :正しい。インタビューで得た情報は必ず文書や記録で裏付けを取る努力をし、これらを監査証拠として収集・検討することが監査手続の基本である。
  • イ:誤り。監査人がその場で不備の改善を指示するのは職務の越権であり、独立性と客観性を損なう。改善提案は可能だが、指示・命令して実行責任を負うべきではない。
  • ウ:誤り。監査対象部門の管理者で監査業務経験がある者は知識があるが、利害関係やバイアスが入りやすく、代表的な情報源としてのみ頼るのは不適切。必要なら複数人や他部署の確認を行う。
  • エ:誤り。複数の監査人で行うと記録に相違が出る可能性はあるが、適切な役割分担と記録方法(事前合意の議事録様式、録音の可否確認など)で対応すべきであり、あえて単独実施を原則とする理由にはならない。

よくある誤解

  • 「その場で指示すれば改善になるから監査人が指示してよい」:監査人は改善を助言することはあっても、指示して実行責任を持つべきではなく独立性が損なわれます。
  • 「監査経験のある管理者に聞けば正確」:当該管理者は主観や自己防衛バイアスがあり、独立した検証が必要です。代表性にも注意が必要です。
  • 「インタビューは1人でやった方が記録の差が出ない」:記録の整合性は手順や共有メモ、ロール分担で担保すべきで、人員を限定する理由にはなりません。

補足コラム

  • 監査で重視されるのは「監査証拠(evidence)」の質と量です。口頭説明はヒントや追求の出発点として有用ですが、所見を裏付けるには文書化された証拠(ログ、手順書、取引記録、設定ファイルなど)の照合が不可欠です。
  • インタビュー時の実務:事前に質問リストを作成し、発言者の役割・権限を確認、必要な証拠のリクエストを明確に伝え、録音や議事録化の同意を得て記録を残します。プロフェッショナル・スケプティシズム(専門的懐疑心)を持ち続けることが重要です。
  • 証拠が直ちに入手できない場合は、代替的な証拠や第三者確認、サンプル調査、追加インタビューで補強する判断が求められます。

FAQ

Q1: インタビューで文書をその場で見せられないと言われたらどうするべきですか?
A1: 入手可能な時期や保管場所を確認して正式に文書の提出を依頼し、必要なら文書要求書(正式な要求手続)を発行して取得計画を立てます。代替証拠の検討も行います。
Q2: 監査中に発見した不備を迅速に止めたい場合、監査人は指示できないのですか?
A2: 監査人が直接指示し実行責任を負うべきではありません。ただし、経営層への早期報告や改善提言を行い、緊急性が高い場合は経営層と連携して対処を促すことは可能です。
Q3: インタビューは録音してよいですか?
A3: 録音は有用ですが、事前に相手の同意を得ること、組織の規則や法令を確認すること、録音データの管理方法を明確にすることが必要です。
Q4: 複数監査人でインタビューするメリットは何ですか?
A4: 質問漏れの防止、異なる視点からの追及、証言の整合性確認ができる点が利点であり、記録方法を工夫すれば誤差は抑えられます。

関連キーワード: システム監査、インタビュー、監査証拠、証憑確認、内部統制、監査手続、専門的懐疑心、面接技法、記録管理、証拠収集
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