基本情報技術者 2025年 科目A 問15
問題文
サーバ室の物理的な安全対策の状況について、情報セキュリティ管理基準(平成28年)に照らして、情報セキュリティ監査を行って判明した状況のうち、監査人が、指摘事項として監査報告書に記載すべきものはどれか。
選択肢
ア:サーバが設置されている施設の無人領域では、営業時間中でも、警報装置が作動するようになっている。
イ:サーバ室に非常口、避難器具、誘導灯などを設置している。
ウ:社外からサーバ室へ直接出入りするドアを設置しているが、出入りを考慮して常時施錠していない。(正解)
エ:場所が分からないように、サーバ室の所在を室外に表示していない。
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サーバ室の出入口管理【午前解説】
正解の理由
サーバ室への物理的アクセスは情報資産保護の最重要項目です。外部から直接出入りできる扉を「常時施錠していない」ことは、未承認者が容易に侵入できる状態を作り出しており、情報セキュリティ管理基準(平成28年)が求める入退室管理(アクセス制御)に反する明確な不適合・指摘事項です。したがって監査報告書にはウを指摘事項として記載すべきです。
特に問題となる点は以下です。
- 物理的な不正侵入リスクが高い(サーバが直接攻撃や改ざんを受ける可能性)。
- 管理責任者による入退室記録や認証による統制が効かない。
- 重大インシデント発生時の原因追跡や責任所在確認が困難になる。
解法ステップ
- 管理基準(物理的安全対策の要件)を確認する。
- 現地確認で出入口の位置・構成(外部直通ドアの有無)を把握する。
- 出入りの運用状態(常時施錠の有無、入退室記録、施錠例外ルール)を確認する。
- リスク評価:施錠されていない場合の侵入確率と影響度を評価する。
- 基準との整合性を判断し、基準逸脱であれば監査報告に指摘事項として記載する。
選択肢別の誤答解説
- ア: 「無人領域で営業時間中でも警報装置が作動するようになっている」
- 警報が作動すること自体は安全側の設計であり、問題とは限りません。むしろ不正侵入時に警報が働くことは望ましいため、直ちに指摘事項とはなりません(ただし誤報の頻度や運用の是非は別途評価)。
- イ: 「非常口、避難器具、誘導灯などを設置している」
- これは防災・安全対策の整備であり、サーバ室の安全確保に資するため指摘事項には当たりません。設置だけでなく運用(非常口の確保や表示)が不適切であれば別問題です。
- ウ: 「社外からサーバ室へ直接出入りするドアを設置しているが、出入りを考慮して常時施錠していない」
- これは物理的アクセス制御の欠如であり、管理基準に照らして監査人が指摘すべき不適合です(該当)。
- エ: 「場所が分からないように、サーバ室の所在を室外に表示していない」
- 表示を行わないことは一部でセキュリティ向上に寄与する(目立たないようにする)と考えられ、必ずしも基準違反ではありません。緊急対応上の配慮が必要な場合は表示と連携した運用が求められますが、表示がないこと自体を即座に指摘事項とする根拠は弱いです。
よくある誤解
- 誤解1: 「非常口や避難器具があるとセキュリティ上の欠陥だ」
- 実際には安全とセキュリティは両立させる必要があります。非常口は人命保護のため必須であり、監査では施錠と避難機能のバランスを評価します(緊急時に施錠が支障にならない設計が必要)。
- 誤解2: 「表示しない=常に良い(安全向上)」
- 表示の有無は一長一短です。表示を抑えることで目立たなくできますが、事前協議なしに全く表示しないと、保守や消防対応で支障が出ることがあります。判断は運用・関係者との整合性で行います。
- 誤解3: 「警報が鳴るのは問題だから指摘すべきだ」
- 警報が正しく機能することは望ましいです。問題は誤報の頻度や運用で、誤報が多い場合は運用改善の指摘対象になります。
補足コラム
監査で物理的アクセスを評価する際のチェックリスト例(抜粋):
- 外部・内部の出入口構成と施錠状況(常時施錠、時間帯別施錠、有人時の運用)
- 入退室認証の有無(鍵、カード、バイオ認証)とログ保存
- 訪問者・作業者の同行・立会い・記録
- 非常口の利便性(施錠との兼ね合い)、誘導表示の配置
- 監視(CCTV)、警報システム、監視センターとの連携
監査報告書に載せるべき指摘例(文言イメージ):
「サーバ室に社外から直接出入り可能な扉が存在し、常時施錠されていないため、未承認者による物理的アクセスのリスクが高い。入退室制御の強化(常時施錠、認証付与、入退室ログの整備等)を推奨する。」
FAQ
Q: 常時施錠は必須ですか?
A: 原則として外部直通の出入口は常時施錠し、認証による解錠や監視を行うべきです。例外は監督当局や運用上のルールで認められる場合のみで、その場合は代替の監視・記録対策が必須です。
Q: 表示をまったく出さない方が良いですか?
A: 目立たせないことは防御の一手ですが、保守や消防対応の妨げにならないよう関係部門と調整した上で運用ルールを定める必要があります。
Q: 非常口はどう扱うべきですか?
A: 非常口は即時避難を妨げない構造であることが第一です。平常時は侵入を防ぐためにアラームや監視で補完し、緊急時は即座に開放される仕組みが求められます。
関連キーワード: 物理的セキュリティ、アクセス制御、入退室管理、監査報告、サーバ室管理

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