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基本情報技術者 2026年 科目A13


問題文

あるシステム開発プロジェクトの進捗が遅延したので、クリティカルパス上の作業への投入工数を増やすことによって遅延の解消を図った。このとき適用した、所要期間を短縮するための手法を何と呼ぶか。

選択肢

クラッシング(正解)
コーチング
ファストトラッキング
メンタリング

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クラッシング【午前解説】

正解の理由

設問で示されている「クリティカルパス上の作業に投入工数を増やして所要期間を短縮する」手法は、プロジェクトマネジメントでスケジュールを圧縮する代表的な方法の一つであり、これを表す用語が の「クラッシング」です。クラッシングは、主にクリティカルパス上のタスクに追加の人的資源や機材を投入してタスクの期間を短縮することで全体の完了時期を前倒しする手法で、コスト増加と最短可能期間の限界が特徴です。

解法ステップ

  1. 設問文のキーワードを拾う:「クリティカルパス」「作業への投入工数を増やす」「所要期間を短縮」。
  2. 用語の定義と照合:
    • 「投入工数を増やして短縮」→ クラッシング
    • 「作業を並行化して短縮」→ ファストトラッキング
    • 「育成や助言」→ コーチング/メンタリング(スケジュール圧縮ではない)
  3. 最も一致する用語を選ぶ(よって を選択)。

選択肢別の誤答解説

  • :クラッシング(正解)
    • クリティカルパス上の作業に追加リソースを投入して期間を短縮する手法。コスト増や品質リスク、投入上限がある点に注意。
  • イ:コーチング
    • 個人やチームの能力向上を目的とする指導法で、直接的に作業期間を短縮する手法ではない。
  • ウ:ファストトラッキング
    • タスクの実行順序を見直して並行化(重ね作業)することでスケジュールを短縮する手法。投入工数を増やす点が設問と異なる。
  • エ:メンタリング
    • 長期的な指導や助言の関係を指す語。プロジェクトの即時の期間短縮手段ではない。

よくある誤解

  • クラッシングとファストトラッキングを混同する
    • 両者とも「スケジュール圧縮」だが、手段が異なる(リソース追加 vs タスク並行化)。設問の表現を正確に読むこと。
  • 人を増やせば必ず短縮できると考える誤り
    • 人数追加で効果が出ない場合や逆に遅延することがある(ブルックスの法則(Brooks's law))。投入増によるコミュニケーションコスト増や教育負荷に注意。
  • クラッシングはコストに影響しないという誤解
    • 追加リソースや残業、設備投入によりコストが上がるのが一般的。

補足コラム

クラッシングを実施する際の実務上のポイント:
  • まずクリティカルパスを確定する(ガントやPERTで確認)。
  • 各クリティカルタスクごとに「通常所要期間」「クラッシュ可能な最短期間」「通常コスト」「クラッシュコスト」を把握する。
  • 期間短縮あたりの追加コスト(クラッシュコスト勾配)を計算し、コスト効率の良い順に短縮していく。
    • 勾配の計算式例:
  • リソースの限界、品質影響、ステークホルダ承認を必ず検討する。
簡単な数値例:
  • 通常期間10日、通常コスト1,000万円、クラッシュ可能最短6日、クラッシュコスト1,600万円の場合
    • 追加コスト/短縮日数 = 万円/日
    • 目標短縮日数とコスト増を照合して判断する。

FAQ

Q. クラッシングはクリティカルでない作業にも使えるか?
A. 理論上は可能だが、クリティカルでない作業を短縮しても全体の完了日が変わらないため、まずはクリティカルパス上の作業に適用するのが効果的です。
Q. クラッシングとファストトラッキング、どちらを先に検討すべき?
A. 影響度・リスク・コストの観点で比較します。リスクが許容できればファストトラッキング(低コストだがリスク増)、コスト受容が可能ならクラッシング、という実務上の判断が多いです。
Q. クラッシングで無限に短縮できるか?
A. いいえ。各タスクにはクラッシュ可能な最短期間があり、それ以降は短縮不可。また複数タスクを短縮すると新たにボトルネックが生じることがあります。

関連キーワード: クラッシング、ファストトラッキング、クリティカルパス、スケジュール圧縮、クラッシュコスト
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