情報セキュリティマネジメント 2016年 秋期 午前(科目A) 問06
問題文
情報セキュリティ対策を検討する際の手法の一つであるベースラインアプローチの特徴はどれか。
選択肢
ア:基準とする望ましい対策と組織の現状における対策とのギャップを分析する。(正解)
イ:現場担当者の経験や考え方によって検討結果が左右されやすい。
ウ:情報資産ごとにリスクを分析する。
エ:複数のアプローチを併用して分析作業の効率化や分析精度の向上を図る。
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ベースラインアプローチ【情報セキュリティマネジメント解説】
正解の理由
ベースラインアプローチは、組織が「望ましい対策の基準(ベースライン:最低限の標準設定)」をまず定め、それと現状の差(ギャップ)を確認して改善する手法です。したがって選択肢ア「基準とする望ましい対策と組織の現状における対策とのギャップを分析する。」が当てはまります。
ポイントは「基準(望ましい状態)を先に決める」点です。これにより、どの機器・ソフトの設定が標準から外れているかを明確にできます。ベースラインは、たとえばOSの設定、パスワードポリシー、ファイアウォールのルールなどの「標準設定」を指します。守りたいもの(情報資産)を安全に保つために、まず最低限の形を統一する、という発想です。
解法ステップ
- 「ベースライン」という語の意味を確認する(baseline=基準線、標準)。
- 各選択肢を「基準を作る」「経験に依存」「資産ごとの詳細分析」「複数併用」の観点で当てはめる。
- 「基準を作り現状とのギャップを埋める」説明と一致する選択肢を選ぶ。
- よって基準を先に置く記述であるアを正解とする。
選択肢別の誤答解説
-
イ: 「現場担当者の経験や考え方によって検討結果が左右されやすい。」
ベースラインは標準化を目的とするため、個人差を排して一貫した基準を与えるのが狙いです。むしろ経験依存を減らせます。よって誤りです。 -
ウ: 「情報資産ごとにリスクを分析する。」
これはリスクアセスメント(資産ごとの脅威・影響を個別に評価する手法)を示します。ベースラインは「全体の標準設定」に基づくので、資産別の詳細分析とは異なります。 -
エ: 「複数のアプローチを併用して分析作業の効率化や分析精度の向上を図る。」
複数手法の併用は有効ですが、ベースラインアプローチ自体の特徴を示すものではありません。ベースラインは「標準を定めて現状と比較する」という単独の明確な方針を持ちます。
よくある誤解
-
ベースラインはリスク分析をしなくてよい、と思う誤解。
実務ではベースラインとリスクベースの評価は補完関係にあります。ベースラインで全体の最低基準を確保し、重要資産は追加でリスク分析します。 -
ベースラインは一度作れば放置して良い、と思う誤解。
ソフトの更新や業務変更で基準の見直しが必要です。定期的な改定と監査が必要になります。
補足コラム
職場での運用イメージ(短く)
- 経営や情報管理者が「必須の設定(ベースライン)」を定める。例:OSの自動更新をオン、不要サービスを停止、管理者アカウントは鍵認証に限定など。
- 現場はその基準に従って端末・サーバの設定を行う。
- 管理ツール(構成管理ツール:Ansible、SCCM など)で自動チェックと自動修復を行うと管理負荷が下がります。
- 例外(業務上特殊な設定)がある場合は、例外申請と期限を設け、監査で追跡します。
実務での利点
- 管理が楽になる(統一された設定でトラブル原因が特定しやすい)。
- 監査・コンプライアンス対応がしやすい。
欠点 - すべてを一律にすると業務に支障が出る可能性があるため、例外管理が重要。
FAQ
Q1: ベースラインとリスクアセスメントはどちらを先にすべきですか?
A1: 両方必要です。まずベースラインで全体の最低限を整え、重要資産や特異な業務はリスクアセスメントで深掘りします。
A1: 両方必要です。まずベースラインで全体の最低限を整え、重要資産や特異な業務はリスクアセスメントで深掘りします。
Q2: クラウド環境でもベースラインは使えますか?
A2: 使えます。クラウド固有の設定(アクセス制御、ログ設定、ネットワーク構成など)をベースライン化し、自動チェックするのが一般的です。
A2: 使えます。クラウド固有の設定(アクセス制御、ログ設定、ネットワーク構成など)をベースライン化し、自動チェックするのが一般的です。
Q3: ベースラインの更新頻度は?
A3: 軽微な更新は随時、主要な見直しは四半期~年次で実施するのが現実的です。脆弱性情報や業務変更で都度見直す体制も必要です。
A3: 軽微な更新は随時、主要な見直しは四半期~年次で実施するのが現実的です。脆弱性情報や業務変更で都度見直す体制も必要です。
Q4: ベースラインで全ての脅威を防げますか?
A4: いいえ。ベースラインは「最低限の防御」です。高度な攻撃や業務固有のリスクには追加対策が必要です。
A4: いいえ。ベースラインは「最低限の防御」です。高度な攻撃や業務固有のリスクには追加対策が必要です。
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