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情報セキュリティマネジメント 2016年 秋期 午前(科目A)07


問題文

組織の所属者全員に利用者IDが発行されるシステムがある。利用者IDの発行・削除は申請に基づき行われているが、申請漏れや申請内容のシステムへの反映漏れがある。資料A、Bの組合せのうち、資料Aと資料Bを突き合わせて確認することによって、退職者に発行されていた利用者IDの削除漏れが最も確実に発見できるものはどれか。
情報セキュリティマネジメント 2016年 秋期 午前(科目A) 問07の選択肢の画像

選択肢

(正解)

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利用者ID削除漏れの検出【情報セキュリティマネジメント解説】

正解の理由

この問題で最も確実に「退職者に発行されていた利用者IDの削除漏れ」を発見できる組合せは、の「利用者IDとそれが発行されている者の一覧」×「組織の現在の所属者の名簿」です。
理由を平たく言うと、発行されている「利用者ID(システムで個人を識別するID)」の一覧と、今実際に在籍している人の名簿を照合(突合:二つの資料を比べて差異を見つけること)すれば、「IDは残っているが名簿にない人=退職している可能性が高く、ID削除漏れ」 を直接見つけられるからです。
一方、削除申請書や退職者一覧などは「申請・記録が正しく残っていること」を前提にしており、申請漏れや記録漏れがあれば検出できない欠点があります。

解法ステップ

  1. 目的の確認:探したいのは「システム上に残っているIDのうち、現在組織に属していない人に割り当てられているもの」。
  2. 必要な資料を決定:最も直接的なのは「発行済みの利用者IDとその担当者の一覧」と「現在の所属者名簿」。
  3. 突合方法を決める:可能なら社員番号などの一意のキーで突合する。名前だけは同姓同名や表記揺れがあるため不適切。
  4. 突合して差異を抽出:ID一覧にあって名簿にないレコードを抽出する(これが削除漏れ候補)。
  5. 確認・対応:HR(人事)に照会して退職の事実を確認し、システム担当にアカウント停止または削除を依頼。作業履歴を記録する。
職場での運用イメージ:月次で自動レポートを作り、IT担当が差分をチェック→HRで確認→ID削除・記録更新、という流れが現実的です。

選択肢別の誤答解説

  • ア(組織の現在の所属者名簿 × 退職に伴う利用者IDの削除申請書)
    削除申請書があれば削除の有無は追えるが、そもそも「削除申請が出されていない退職」があると発見できないため漏れを確実には拾えません。つまり申請の有無に依存する方法です。
  • イ(退職者の一覧 × 組織の現在の所属者の名簿)
    退職者一覧と現在名簿の突合で「退職者が名簿に残っている」などの矛盾は分かりますが、問題は「利用者IDが実際に発行されたままかどうか」を確認できません。IDの存在そのものを確認できない点で不十分です。
  • ウ(利用者IDとそれが発行されている者の一覧 × 組織の現在の所属者の名簿)
    正解。発行済みIDと在籍名簿を比べれば、IDが残っているが在籍していない人(=削除漏れ)が直接見つかります。
  • エ(利用者IDとそれが発行されている者の一覧 × 退職に伴う利用者IDの削除申請書)
    IDと申請書を比べれば「申請が出ていないID」は見つかるものの、申請が不要な在職者(現社員)まで誤検出される恐れがあります。誰が退職者かの判定が別途必要で、最も確実ではありません。

よくある誤解

  1. 「削除申請があれば安心」
    → 削除申請は出されないことがある(申請漏れ)。申請の有無だけで済ませると漏れが残ります。
  2. 「名前で突合すれば十分」
    → 名前は表記揺れや重複があり誤判定の原因になります。社員番号などの一意キーで突合するのが安全です。
  3. 「退職者一覧だけで良い」
    → 退職者一覧の更新漏れやタイムラグがあり、IDの現状を確実に示すとは限りません。

補足コラム

  • 権限付与・削除の自動化(プロビジョニング:ID発行や設定の作業の自動化)を導入すると人的ミスを減らせます。HRの人事異動データと連携して自動でアカウントを停止・削除する仕組みが理想です。
  • 実務上は「即時削除」よりも「一時停止→一定期間確認後削除」の手順を採ることがあります。これは誤削除のリスクを低くするためです。
  • 定期的な「アカウント棚卸(アカウントの在り方を点検する作業)」を月次や四半期で実施し、突合作業をルーティン化すると運用が安定します。

FAQ

Q1: 突合はどの頻度で行えばよいですか?
A1: 重要システムは月次、その他は四半期ごとが現実的です。人の異動が多い組織は頻度を上げます。
Q2: 突合キーが名前しかない場合は?
A2: 名前のみは誤検出が多いです。可能なら社員番号や社員コードなどの一意のIDを使うよう、人事データのフォーマット改善を依頼してください。
Q3: 差分を見つけたらすぐ削除してよいですか?
A3: まずHRで退職の事実を確認し、業務影響がないかをチェックした上で「停止→一定期間後に削除」する運用が安全です。削除履歴は証跡として残してください。

関連キーワード: 利用者ID管理、突合(照合)、アカウント棚卸、退職時手続き、プロビジョニング、アクセス管理
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