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情報セキュリティマネジメント 2016年 秋期 午前(科目A)10


問題文

情報セキュリティ意識向上のための教育の実施状況をJIS Q 27002に従ってレビューした。情報セキュリティを強化する観点から、改善が必要な状況はどれか。

選択肢

従業員の受講記録を分析し、教育計画を見直していた。
従業員の職務内容や職制に応じた内容の教育を実施していた。
出張中で受講できなかった従業員を対象に、追加の教育を実施していた。
正規従業員と同様の業務に従事している派遣従業員を除いて、教育を実施していた。(正解)

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教育対象の範囲【情報セキュリティマネジメント解説】

正解の理由

JIS Q 27002(情報セキュリティ管理策の実践指針。ISO/IEC 27002に相当。情報資産を守るための具体的な対策例を示す規格)では、情報セキュリティ教育は「組織で情報に関わる人全員」に対して実施すべきとされています。ここで重要なのは「業務上同等の役割を果たす者も含む」という点です。つまり、正規社員と同等の業務に従事する派遣従業員(派遣会社から来て貴社の業務を行う人)も教育対象になります。選択肢のうち、教育から派遣従業員を除外しているものが改善を要するため、が正解です。
具体的なリスクの例を挙げると、派遣従業員が適切な教育を受けていなければ、意図せず機密情報を外部に漏らしたり、フィッシングに応じてしまったりする可能性があります。業務を実際に行う人に教育が行き届いていないと、組織全体のセキュリティが脆弱になります。

解法ステップ

  1. 問題の焦点を確認:教育の「対象範囲」に関する指摘かを把握する。
  2. JIS Q 27002の基本原則を思い出す:情報に関わる全員を対象にすること。
  3. 各選択肢が「誰を対象にしているか」を比べる。
  4. 「同じ仕事をしているのに教育から除外している」選択肢を選ぶ。
    この順で見れば、除外しているが不適切と判断できます。

選択肢別の誤答解説

  • ア: 従業員の受講記録を分析し教育計画を見直す。
    • 良い実施例です。記録を分析して継続改善するのはJIS Q 27002で推奨されるプロセスです。
  • イ: 職務内容や職制に応じた教育を実施。
    • これも適切です。業務ごとに必要な知識は異なるため、職務別の教育は有効です。
  • ウ: 出張で受講できなかった人への追加教育を実施。
    • 欠席者に補講を用意するのは運用として正しい対応です。受講率向上に寄与します。
  • エ: 正規従業員と同様の業務に従事する派遣従業員を除外して教育を実施。
    • 不適切。業務上同等であれば派遣従業員も教育対象に含める必要があります。教育除外は管理策の抜け穴になります。

よくある誤解

  • 誤解1: 「派遣や契約社員は会社の社員でないから教育しなくて良い」
    • 実務上は、業務で情報に触れる人は社員区分に関係なく教育対象です。
  • 誤解2: 「短期の派遣だから教育は不要」
    • 短期でも機密に触れる可能性があれば、必須の最低限の教育(例:守秘・アクセスルール)は必要です。
  • 誤解3: 「委託先とは契約で守っていれば十分」
    • 契約は重要ですが、契約条項に基づき相手に教育を求め、履行状況を確認する(証跡を取る)運用が必要です。

補足コラム

職場での運用イメージ(実務的なやり方)
  • 採用/受け入れ時チェックリストに「情報セキュリティ教育の実施」を入れる。派遣受け入れ窓口で受講を確認してからアカウント発行する運用にする。
  • LMS(学習管理システム)や受講記録で派遣社員も通常社員と同じように管理する。言語や就業期間に合わせて短縮版や重点項目の教材を用意するのも実務的です。
  • 委託先や派遣元との契約書に「教育実施」「実施記録の提供」「守秘義務の確認」を明記し、定期的に監査する。
チェックリスト(簡易)
  • 業務で情報に触れる全員を洗い出す
  • 派遣・契約社員を含め教育対象を明文化する
  • 受講記録を保管し、受講率を定期評価する

FAQ

Q1: 派遣先が短期で複数回入れ替わる場合も教育は必要ですか?
A1: 必要です。短期でも情報にアクセスするなら必須。短い説明(オリエンテーション)+要点確認で運用できます。
Q2: 外部の委託先の社員にどうやって教育を実施すればよいですか?
A2: 契約で教育の実施と記録提出を求め、必要であれば当社のオンボーディング(オリエン)を受けてもらいます。遠隔やeラーニングも活用可能です。
Q3: 証拠(証跡)は何を残せば良いですか?
A3: 受講日時、受講者名、教材名、修了判定の結果などです。LMSのログが便利です。

関連キーワード: JIS Q 27002、情報セキュリティ教育、派遣従業員、委託先管理、受講記録、オンボーディング、セキュリティ意識向上
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