情報セキュリティマネジメント 2016年 秋期 午前(科目A) 問14
問題文
サーバにバックドアを作り、サーバ内での侵入の痕跡を隠蔽するなどの機能をもつ不正なプログラムやツールのパッケージはどれか。
選択肢
ア:RFID
イ:rootkit(正解)
ウ:TKIP
エ:web beacon
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ルートキット【情報セキュリティマネジメント解説】
正解の理由
サーバ(サービスを提供するコンピュータ)に不正な「バックドア(正規の認証を経ずに侵入・制御できる仕組み)」を仕込み、侵入の痕跡を隠すなどの機能を持つのは、イ の「ルートキット(rootkit)」です。
ルートキットは管理者権限(root や Administrator)を得て、ログやプロセス一覧、ネットワーク接続などの表示を改ざんして「侵入された痕跡を見えなくする」ことを目的としたソフトウェアまたはツール群です。したがって設問の条件に最も合致します。
ルートキットは管理者権限(root や Administrator)を得て、ログやプロセス一覧、ネットワーク接続などの表示を改ざんして「侵入された痕跡を見えなくする」ことを目的としたソフトウェアまたはツール群です。したがって設問の条件に最も合致します。
解法ステップ
- 設問のキーワードを確認:「バックドア」「侵入の痕跡を隠蔽」→「隠す」「持続的な不正アクセス」に関係する用語を探す。
- 各選択肢の意味を短く確認する。
- RFID:識別技術(Radio Frequency Identification) → ハードウェアの識別。
- rootkit:隠蔽と永続化を行う不正ツール。
- TKIP:無線LANの暗号化方式(Temporal Key Integrity Protocol)。
- web beacon:追跡用の小さな画像やスクリプト。
- 「痕跡を隠す」機能に特化しているのは rootkit であると判断する。
選択肢別の誤答解説
- ア: RFID(Radio Frequency Identification:電波で物やタグを識別する技術)
→ 主に物品管理や入退室管理で使うタグ技術。サーバ上で痕跡を隠す不正プログラムではない。 - イ: rootkit(ルートキット)
→ 正答。システム内部に入り込み、痕跡を隠すために設計されたツール群。カーネル(OSの中枢)レベルのものもあり、非常に検出が困難なことがある。 - ウ: TKIP(Temporal Key Integrity Protocol:かつて使われた無線LANの暗号化プロトコル)
→ 暗号化の仕組みを指す技術用語。改ざんや痕跡隠蔽を行うプログラムではない。なお現在は安全性の観点からより強力な方式(例:AES)へ移行している。 - エ: web beacon(ウェブビーコン)
→ ウェブ上のユーザー行動を追跡するための小さな画像やコード。情報収集・追跡が目的で、サーバにバックドアを作り痕跡を消す機能は持たない。
よくある誤解
- 「ルートキットは必ずLinuxの 'root' に関係する」
→ 語源は root(管理者)だが、Windowsなど他のOSでも管理者権限を悪用する同様の仕組みがあり「ルートキット」と呼ばれる。 - 「アンチウイルスで必ず検出できる」
→ ルートキットは痕跡隠蔽のために設計されているため、標準のウイルス検出だけでは見落とすことが多い。専用の検出ツールやオフライン解析が必要になる場合がある。 - 「バックドアとルートキットは同じ」
→ バックドアは不正アクセス手段そのもの。ルートキットは痕跡を隠し持続化するためのツール群で、バックドアを隠すために使われることが多い(役割が重なるが概念は異なる)。
補足コラム
ルートキットには種類があります(例:ユーザーモード、カーネルモード、ブートキット、ファームウェアルートキット)。カーネルモードやファームウェアに入られると検出・除去が極めて難しく、最悪ハードウェア交換やOS再インストールが必要になります。
職場での現実的な対策イメージ:
職場での現実的な対策イメージ:
- 最小権限運用(全員を管理者権限にしない)
- 定期的なパッチ適用と脆弱性管理(脆弱な仕組みを放置しない)
- エンドポイント検出・対応(EDR:Endpoint Detection and Response)やログの遠隔保存(ログ改ざんに備える)
- インシデント発生時は対象サーバをネットワークから隔離し、フォレンジック(証拠保全)を行った上で再構築する運用手順を用意しておくことが重要です。
FAQ
Q1: ルートキットはどうやって入り込むのですか?
A1: 脆弱性の悪用、管理者のパスワード盗難、マルウェア付きのソフトインストールなど様々です。フィッシングで認証情報を盗まれ、そこからインストールされる例が多いです。
A1: 脆弱性の悪用、管理者のパスワード盗難、マルウェア付きのソフトインストールなど様々です。フィッシングで認証情報を盗まれ、そこからインストールされる例が多いです。
Q2: 見つかったら必ずOSの再インストールが必要ですか?
A2: 多くの場合は再インストールやファームウェアの再フラッシュが推奨されます。ルートキットは検出回避や永続化を行うため、完全除去が難しいためです。
A2: 多くの場合は再インストールやファームウェアの再フラッシュが推奨されます。ルートキットは検出回避や永続化を行うため、完全除去が難しいためです。
Q3: ルートキットの検出に有効な手段は?
A3: EDR、ブート時の信頼性チェック(Secure Boot)、カーネル整合性チェック、ログの中央集約と異常検知、外部からのスキャンなどを組み合わせるのが有効です。
A3: EDR、ブート時の信頼性チェック(Secure Boot)、カーネル整合性チェック、ログの中央集約と異常検知、外部からのスキャンなどを組み合わせるのが有効です。
関連キーワード: ルートキット、バックドア、痕跡隠蔽、EDR、ファームウェアルートキット、ログ改ざん、侵入検知

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