情報セキュリティマネジメント 2016年 秋期 午前(科目A) 問21
問題文
情報の“完全性”を脅かす攻撃はどれか。
選択肢
ア:Webページの改ざん(正解)
イ:システム内に保管されているデータの不正コピー
ウ:システムを過負荷状態にするDoS攻撃
エ:通信内容の盗聴
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情報の完全性【情報セキュリティマネジメント解説】
正解の理由
情報の「完全性(Integrity)」とは、情報が「正しく、改ざんされていない状態」を保つことです。ウェブページの改ざんは表示内容やファイルを書き換える攻撃であり、情報そのものを不正に変更します。したがって、アの「Webページの改ざん」は情報の完全性を直接侵害するため正解です。
一方、他の選択肢は別の性質の脅威です。例えば不正コピーや盗聴は主に「機密性(Confidentiality)」を脅かし、DoS攻撃は「可用性(Availability)」を妨げます。問題は「完全性」を問うているため、改ざんに当たる選択肢が正しいことになります。
(補足)用語:
- 完全性(Integrity):情報が改ざん・損なわれていないこと。
- 機密性(Confidentiality):情報が許可された者だけに知られること。
- 可用性(Availability):必要なときに情報やサービスが使えること。 これらは「CIAトライアド」と呼ばれる情報セキュリティの基本概念です。
解法ステップ
- 問題文で問われている概念を特定する(ここでは「完全性」)。
- 各選択肢が「改ざん(変更)」「窃取(漏えい)」「妨害(停止)」のどれに該当するかを判断する。
- 「改ざん」に該当する選択肢を選ぶ。 この流れを覚えておくと、短時間で確実に解けます。
選択肢別の誤答解説
-
ア Webページの改ざん
正答。ページの内容やファイルを書き換える行為は情報の正確さを壊すため、完全性の侵害です。例えば会社のトップページに偽の連絡先や不正スクリプトを置かれるケースが該当します。 -
イ システム内に保管されているデータの不正コピー
誤答。コピーされると情報が第三者に漏れるため「機密性」の侵害です。元データ自体が書き換えられていなければ、完全性の侵害とは言えません(ただしコピー後に改ざんされれば完全性も侵害されます)。 -
ウ システムを過負荷状態にするDoS攻撃
誤答。DoS(Denial of Service:サービス不能)攻撃はサービスを利用できなくする攻撃で、「可用性」を損ないます。データの中身を変えるわけではありません。 -
エ 通信内容の盗聴
誤答。盗聴(eavesdropping)は通信内容を第三者が読む行為であり、「機密性」の侵害です。データの改ざんを伴う盗聴(中間者攻撃で改ざんする場合)なら完全性も影響を受けますが、単なる盗聴は違います。
よくある誤解
- 「データを勝手にコピーされると完全性が失われる」と考える誤り。コピー自体は情報の正当性を変えないため、主に機密性の問題です。ただし、コピー後に改変されると完全性にも影響します。
- 「改ざん=削除だけ」と誤解すること。改ざんには内容の書換え、挿入、削除などすべてが含まれます。消されることも改ざんの一種で、完全性が損なわれます。
- 「盗聴と改ざんは同じ扱い」と考える誤り。盗聴は中身を読む行為で機密性、改ざんは内容を変える行為で完全性と目的が異なります。
補足コラム
職場で「完全性」を守るには次のような対策が有効です。
- 書き込み権限の細分化:誰が編集できるかを最小限にする(例:公開ページの編集は2人以上の承認が必要)。
- バージョン管理と変更履歴:変更があれば誰がいつ何を変えたか追えるようにする。文章でいう「改訂履歴」です。
- ハッシュやデジタル署名:ファイルの“指紋”で改ざんの有無を検知する。ハッシュは元のデータから算出する短い文字列で、内容が変われば値も変わります。
- ファイル整合性監視(FIM:File Integrity Monitoring):サーバ上の重要ファイルが勝手に変わったらアラートを出す仕組み。 実務イメージ:社内の重要文書は編集権限を限定し、保存時にバージョン管理を行い、定期的にハッシュチェックで改ざんを監視する、という運用が現実的です。
FAQ
Q1. 不正コピーが発生すると完全性は絶対に失われませんか?
A1. コピー自体は完全性を直接壊しませんが、コピー先で内容が改ざんされると完全性も侵害されます。運用上はコピーの管理も重要です。
A1. コピー自体は完全性を直接壊しませんが、コピー先で内容が改ざんされると完全性も侵害されます。運用上はコピーの管理も重要です。
Q2. HTTPSは完全性も守れますか?
A2. HTTPSは通信経路での盗聴や改ざん(中間者による書換え)を防ぐために有効です。ただしサーバ側がすでに改ざんされていれば通信保護だけでは根本対策になりません。サーバの健全性管理も必要です。
A2. HTTPSは通信経路での盗聴や改ざん(中間者による書換え)を防ぐために有効です。ただしサーバ側がすでに改ざんされていれば通信保護だけでは根本対策になりません。サーバの健全性管理も必要です。
Q3. 改ざんを見つけるにはどうすればいいですか?
A3. ハッシュ計算による整合性チェック、ログや変更履歴の定期確認、ファイル整合性監視ツールの導入が代表的な方法です。
A3. ハッシュ計算による整合性チェック、ログや変更履歴の定期確認、ファイル整合性監視ツールの導入が代表的な方法です。
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