情報セキュリティマネジメント 2016年 秋期 午前(科目A) 問25
問題文
緊急事態を装って組織内部の人間からパスワードや機密情報を入手する不正な行為は、どれに分類されるか。
選択肢
ア:ソーシャルエンジニアリング(正解)
イ:トロイの木馬
ウ:踏み台攻撃
エ:ブルートフォース攻撃
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ソーシャルエンジニアリング【情報セキュリティマネジメント解説】
正解の理由
組織内部の人から「緊急だ」「上司の指示だ」といった人間関係や心理を利用してパスワードや機密情報を引き出す行為は、人を騙すことで情報を得る手口です。これはソーシャルエンジニアリング(Social Engineering:人の心理や信頼を突いて情報を取得する手法)に該当します。したがって、正解はアになります。
他の選択肢は技術的・システム的な攻撃手法であり、人を直接騙して情報を聞き出す行為とは性質が異なります。たとえばトロイの木馬は不正なソフトウェア、踏み台攻撃は第三者の端末を使った不正アクセス、ブルートフォース攻撃は大量の試行でパスワードを当てる手法です。これらはいずれも人から「ふと」情報を聞き出す行為とは違います。
(守りたいもの・防ぎたい被害)
- パスワードや個人情報、営業機密などの不正取得
- なりすましによる不正アクセスや金銭被害
解法ステップ
- 問題文で「緊急事態を装って」「組織内部の人間から」「パスワードや機密情報を入手する」とある点を確認する。
- 「緊急だ」「今すぐ教えて」など相手の心理を操作して情報を引き出す場面は、人を騙す手法=ソーシャルエンジニアリングであると結びつける。
- 他の選択肢がソフトウェアやネットワークを使う技術的攻撃であることを確認して除外する。
- よってアを選ぶ。
選択肢別の誤答解説
-
ア(ソーシャルエンジニアリング)
人の心理や信頼関係を利用して情報を聞き出す手法。電話・メール・直接訪問などで行う。今回の事例に該当する。 -
イ(トロイの木馬)
トロイの木馬(Trojan horse:外見は無害でも裏で不正動作するプログラム)は、相手の端末にマルウェアを仕込む攻撃。人を直接だまして口頭でパスワードを聞き出す行為とは異なる。 -
ウ(踏み台攻撃)
踏み台攻撃は、既に侵入・感染した第三者の端末を経由して他のシステムに不正侵入する攻撃手法。人から直接情報を聞く行為ではない。 -
エ(ブルートフォース攻撃)
ブルートフォース攻撃(brute-force attack:総当たり攻撃)は、片っ端から大量のパスワードを試して当てる手法。人の心理を突いて聞き出すソーシャルな手法とは別物。
よくある誤解
- 「電話で情報を聞くのは技術的攻撃ではないから安全」と考える誤り
実際は電話やチャットでの聞き出しもソーシャルエンジニアリングです。技術的な痕跡が残らないため発見が遅れやすいです。 - 「メールのリンクだけがソーシャルエンジニアリングだ」との狭い理解
フィッシング(偽装メール)も一種ですが、対面や電話での欺きも含みます。手口は多様です。
補足コラム
職場での実運用イメージ:
総務や人事が対応する問い合わせでも「上司を名乗る人物から急いで口座番号を教えてほしい」と依頼が来たら要注意です。対処としては、必ず社内の連絡手段(社内チャットや電話の内線)で本人確認を行う運用ルールを作り、口頭だけで重要情報を渡さない仕組みを整えます。定期的な「なりすまし対策」の教育や、問い合わせ記録の残る手順(メールの公式テンプレートなど)も有効です。
総務や人事が対応する問い合わせでも「上司を名乗る人物から急いで口座番号を教えてほしい」と依頼が来たら要注意です。対処としては、必ず社内の連絡手段(社内チャットや電話の内線)で本人確認を行う運用ルールを作り、口頭だけで重要情報を渡さない仕組みを整えます。定期的な「なりすまし対策」の教育や、問い合わせ記録の残る手順(メールの公式テンプレートなど)も有効です。
FAQ
Q1: ソーシャルエンジニアリングとフィッシングの違いは?
A1: フィッシングは主にメールやウェブを使った偽装で、ソーシャルエンジニアリングは電話や対面を含む広い「人を騙す」手法の総称です。
A1: フィッシングは主にメールやウェブを使った偽装で、ソーシャルエンジニアリングは電話や対面を含む広い「人を騙す」手法の総称です。
Q2: 社内で対策すべき具体的なルールは?
A2: 例として「金銭や口座情報はメールで受け付けない」「重要情報は二要素以上で承認を得る」「問い合わせは必ず記録を残す」といった運用が考えられます。
A2: 例として「金銭や口座情報はメールで受け付けない」「重要情報は二要素以上で承認を得る」「問い合わせは必ず記録を残す」といった運用が考えられます。
Q3: 万が一情報を渡してしまったらどうする?
A3: 速やかに上長と情報システム担当に報告し、パスワードの変更や関係機関への連絡、被害拡大防止のための措置を取ります。
A3: 速やかに上長と情報システム担当に報告し、パスワードの変更や関係機関への連絡、被害拡大防止のための措置を取ります。
関連キーワード: ソーシャルエンジニアリング、フィッシング、なりすまし、パスワード窃取、トロイの木馬、踏み台攻撃、ブルートフォース攻撃

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