情報セキュリティマネジメント 2016年 秋期 午前(科目A) 問36
問題文
準委任契約の説明はどれか。
選択肢
ア:成果物の対価として報酬を得る契約
イ:成果物を完成させる義務を負う契約
ウ:善管注意義務を負って作業を受託する契約(正解)
エ:発注者の指揮命令下で作業を行う契約
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準委任契約【情報セキュリティマネジメント解説】
正解の理由
準委任契約は、受託者が一定の「作業を行うこと(努力)」に対して報酬を受ける契約で、結果の完成を保証するものではありません。日本法では受託者に「善良な管理者の注意義務(善管注意義務)」が課され、合理的な注意と努力を尽くすことが求められます。選択肢のうち、この説明に当てはまるのは ウ(善管注意義務を負って作業を受託する契約)です。
一方、成果物の完成や結果の責任を負う契約は請負契約に当たるため、成果を保証する点で準委任とは区別されます。
一方、成果物の完成や結果の責任を負う契約は請負契約に当たるため、成果を保証する点で準委任とは区別されます。
(用語補足)善管注意義務:善良な管理者、つまり普通の注意力を持つ人と同等の注意をもって業務を行う義務。結果保証ではなく「適切に努力すること」が求められます。
解法ステップ
- 設問の各選択肢から「成果(結果)を保証するか」「努力(注意義務)を果たすか」「指揮系統はどうか」を判別する。
- 「成果の完成を義務付ける」「成果に対して報酬を払う」は請負の特徴と照合する。
- 「善管注意義務」の文言がある選択肢は準委任(義務は努力義務)と一致するので選ぶ。具体的には ウ を選択する。
選択肢別の誤答解説
-
ア: 成果物の対価として報酬を得る契約
→ 成果物(deliverable)に対して報酬を支払うのは請負契約の典型です。準委任は作業に対する報酬であり、必ずしも成果物ベースではありません。 -
イ: 成果物を完成させる義務を負う契約
→ 「完成させる義務」は結果責任を示します。これは請負契約の特徴で、準委任の「努力義務」とは異なります。 -
ウ: 善管注意義務を負って作業を受託する契約
→ 受託者に「善良な管理者としての注意」を求め、努力して業務を遂行する形。準委任の定義に合致します(正解)。 -
エ: 発注者の指揮命令下で作業を行う契約
→ 指揮命令下で働く場合は労働契約や派遣契約の要素があり、委託(準委任)とは区別されます。委託は独立性が保たれることが普通です。
よくある誤解
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「委託=必ず成果責任」という誤解
→ 委託には「請負(成果責任)」と「準委任(努力義務)」があるため、契約内容で区別されます。どちらかを契約書で明確にすることが重要です。 -
「発注者が指示すれば準委任でもいい」は間違い
→ 指揮命令が強いと実態は労働・派遣に近づき、法的・社会保険上の問題が生じることがあります。形式より実態を重視されます。
補足コラム
実務上の見分け方と運用イメージ
- システム開発の「要件定義→設計→納品」など、完成した成果物に対して料金を払う場合は請負が多いです。対して、ヘルプデスク運用や定期メンテナンスなど継続的に業務を行う場合は準委任が適しています。
- 契約書には「業務範囲」「期待する成果(成果ではなく作業内容)」「報酬の支払い方法」「期間」「機密保持・情報管理」「SLA(Service Level Agreement:サービス品質を定めた合意)」を明記すると役立ちます。
- 情報セキュリティの観点では、準委任であっても受託者のアクセスやデータ取り扱いについて責任の所在を明確にし、アクセス制御や秘密保持、監査ログの提供などを契約に盛り込むのが実務的です。
FAQ
Q1: 請負と準委任、どちらを選ぶべきですか?
A1: 成果(動くシステム・完成物)を求めるなら請負、継続的な作業や専門家の判断を期待するなら準委任が向きます。目的とリスク(誰が結果責任を負うか)で選んでください。
A1: 成果(動くシステム・完成物)を求めるなら請負、継続的な作業や専門家の判断を期待するなら準委任が向きます。目的とリスク(誰が結果責任を負うか)で選んでください。
Q2: 契約書に「作業を行う」とだけ書いてあるとどう判断する?
A2: 書面だけでなく実態(報酬の支払い方法、指揮関係、納品の有無)を総合して判断します。曖昧だと紛争のもとになるので明確化が必要です。
A2: 書面だけでなく実態(報酬の支払い方法、指揮関係、納品の有無)を総合して判断します。曖昧だと紛争のもとになるので明確化が必要です。
Q3: 準委任で情報漏えいが起きたら誰が責任を負う?
A3: 実務責任は契約内容と行為の内容で変わります。契約で機密保持・損害賠償の規定や保険加入を定めておくことが重要です。
A3: 実務責任は契約内容と行為の内容で変わります。契約で機密保持・損害賠償の規定や保険加入を定めておくことが重要です。
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