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情報セキュリティマネジメント 2016年 秋期 午前(科目A)50


問題文

マトリックス組織を説明したものはどれか。

選択肢

業務遂行に必要な機能と利益責任を、製品別、顧客別又は地域別にもつことによって、自己完結的な経営活動が展開できる組織である。
構成員が、自己の専門とする職能部門と特定の事業を遂行する部門の両方に所属する組織である。(正解)
購買・生産・販売・財務など、仕事の専門性によって機能分化された部門をもつ組織である。
特定の課題の下に各部門から専門家を集めて編成し、期間と目標を定めて活動する一時的かつ柔軟な組織である。

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マトリックス組織【情報セキュリティマネジメント解説】

正解の理由

設問で述べている特徴は、メンバーが職能(専門分野)と事業・プロジェクトの双方に所属する点です。これはまさにマトリックス組織の本質です。したがって正しい記述は になります。
簡単に言うと「縦の職能(例:経理、人事、開発)」と「横の事業やプロジェクト(例:製品A、地域B)」の二つのラインが交差し、二重の所属と指示系統を持つ組織形態です。
  • 職能:専門的な仕事の分類(例:購買・生産・販売など)
  • 事業・プロジェクトライン:特定の製品や顧客、地域に責任を持つ単位
他の選択肢(ア、ウ、エ)はそれぞれ事業部制、職能別組織、プロジェクトチーム(臨時組織)を説明しており、二重所属という点でマトリックス組織とは異なります。

解法ステップ

  1. 設問文のキーワードを探す:「両方に所属」「職能」といったフレーズを確認する。
  2. 組織形態の特徴を思い出す:
    • 二重所属/二重指揮 → マトリックス組織
    • 独立した自己完結経営 → 事業部制(ディビジョナル)
    • 機能別の分化 → 職能別組織
    • 期間限定で専門家を集める → プロジェクト/タスクフォース
  3. 各選択肢を当てはめて比較する。キーワードが一致する選択肢を選ぶ。
短時間で解くコツは、「所属の数」と「期間の性質(恒常的か一時的か)」を見ることです。

選択肢別の誤答解説

  • ア: これは事業部制(ディビジョナル)の説明です。製品別や地域別に利益責任を持たせ、自己完結的に経営する点が特徴で、二重所属の要素はありません。
  • : メンバーが職能部門(専門)と事業/プロジェクト部門の両方に所属するという記述が、マトリックス組織の定義に一致します。
  • ウ: これは職能別組織の説明です。購買・生産・販売など機能ごとに部門が分かれている状態で、事業横断の二重所属はありません。
  • エ: 期間と目標を定めて各部門から専門家を集めるのはプロジェクトチームやタスクフォースの説明です。臨時的で柔軟ですが、必ずしも恒常的な二重所属を伴うわけではありません。

よくある誤解

  • マトリックス組織は「ただプロジェクトチームを作ること」と同じだと考える誤解。プロジェクトチームは多くの場合一時的であり、メンバーの常時の所属先が変わらない点が異なります。
  • 二重指揮=混乱だけ、という単純化。確かに調整が必要ですが、資源の共有や専門性の活用という利点も大きいです。運用ルールが重要になります。

補足コラム

マトリックス組織は専門性(職能)を維持しつつ、事業横断で迅速に対応したいときに採用されます。しかし運用面では「誰が最終決定権を持つか」「評価や報酬はどちらのラインで行うか」などコンフリクト(対立)を解消する仕組みが必要です。現場では、共通のルールや優先順位、定期的な調整会議、明確な権限委譲が運用上のポイントになります。
情報セキュリティの観点では、責任の所在が曖昧になると、資産管理(誰が機器やデータの責任者か)やインシデント対応(どのラインが指揮するか)で支障が出ます。マトリックス環境では次の点を職場で明文化しておくとよいです。
  • セキュリティ責任者(プロセスオーナー)の明示
  • 事業側と職能側の合意によるルール作成
  • インシデント時の優先権と連絡経路の定義
短い例:開発者が「技術上の指示は開発部長から」「スケジュールはプロダクトマネージャーから」と二重に指示を受ける状況をイメージしてください。セキュリティ変更の承認フローも同様に複数ラインの合意が必要になります。

FAQ

Q. マトリックス組織は中小企業でも有効ですか?
A. 規模や文化によります。専門性を共有したいが人員が少ない場合、利点が出ることがあります。ただし調整コストは増えるため、小規模なら明確な責任分担を先に決めることが重要です。
Q. マトリックスでの評価はどうすればよいですか?
A. 職能側と事業側の両方からフィードバックを得る2軸評価が一般的です。評価基準と重み(どちらを重視するか)を事前に決めておきます。
Q. 情報セキュリティの責任はどちらのラインに置くべきですか?
A. 組織ごとに最適解は異なりますが、「セキュリティのプロセスオーナー(職能側)」と「業務オーナー(事業側)」の両方を定義し、役割分担を明文化すると運用しやすくなります。

関連キーワード: マトリックス組織、二重所属、職能別組織、事業部制、プロジェクトチーム、組織構造、責任分担、ガバナンス
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