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情報セキュリティマネジメント 2016年 春期 午前(科目A)10


問題文

利用者アクセスログの取扱いのうち、IPA “組織における内部不正防止ガイドライン”にも記載されており、内部不正の早期発見及び事後対策の観点で適切なものはどれか。

選択肢

コストにかかわらずログを永久保存する。
利用者にログの管理権限を付与する。
利用者にログの保存期間を周知する。
ログを定期的に確認する。(正解)

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利用者アクセスログ運用【情報セキュリティマネジメント解説】

正解の理由

「ログ(操作やアクセスの記録)」は、内部不正の早期発見と事後調査のための重要な証拠です。IPA(Information-technology Promotion Agency:情報処理推進機構)のガイドラインでも、記録の取得・保全と合わせて「定期的な確認(監視)」が内部不正の検出と対応に有効であるとされています。したがって、ログを定期的に確認することが最も実務的で効果的な対策であり、ここではが正答です。
ポイント:
  • 早期発見には「取得」だけでなく「見る(確認)」ことが必要です。
  • 事後対策(証拠の提出・原因追及)には、確認したログの保存と改ざん防止の体制が不可欠です。

解法ステップ

  1. 問題の目的を把握する:ここでは「内部不正の早期発見及び事後対策」がテーマ。
  2. 各選択肢が「検出力」と「証拠性(改ざん防止・保存)」にどう寄与するかを評価する。
  3. 「早期発見」に直結するかを優先して選ぶ(確認・監視が最も直接的)。
  4. 選んだ案が運用面や法令(個人情報保護等)と矛盾しないかを確認する。
この問題では「ログの把握・監視」が直接的に早期発見に貢献するため、定期確認を選びます。

選択肢別の誤答解説

  • ア: コストにかかわらずログを永久保存する。
    • 永久保存はコスト増、管理負担、個人情報保護法などの法的問題を招くことがあります。保存=発見ではなく、確認しなければ意味が薄いです。
  • イ: 利用者にログの管理権限を付与する。
    • 利用者が自分のログを管理できると、改ざんや削除のリスクが高まり、証拠性が失われます。内部不正対策としては逆効果です。
  • ウ: 利用者にログの保存期間を周知する。
    • 周知は透明性向上やコンプライアンスには有効ですが、「早期発見」には直接寄与しません。事後対応のための周知は補助的措置です。
  • エ: ログを定期的に確認する。
    • 定期確認は不審な挙動を速やかに検知でき、初動対応(遮断・調査)につながります。監査証跡の把握と組み合わせれば、事後調査の効力も高まります。

よくある誤解

  • 誤解1:ログを取ればそれだけで十分と思う
    • ログ取得だけでは意味が薄く、見る・分析する体制がないと早期発見は期待できません。
  • 誤解2:ユーザにログを任せれば管理負担が減る
    • 利用者管理は改ざんの温床になりやすく、管理権限は分離するのが原則です。
  • 誤解3:長く保存すれば調査は完璧になる
    • 保存期間と保存方法(改ざん防止、アクセス制御)が適切でないと証拠能力は担保されません。また法規制に注意。

補足コラム

職場での運用イメージ(簡潔):
  • 中央化:サーバや機器のログは中央のログサーバに集める(ログサーバはログの改ざんを防ぐ仕組みで保護)。
  • 自動化:SIEM(Security Information and Event Management:セキュリティ情報とイベントを統合管理し自動で検知する仕組み)やログ分析ツールで異常検知を自動化。
  • 定期レビュー:リスクに応じて「毎日・毎週・毎月」の確認頻度を決め、結果は記録して保存。
  • 権限管理:ログへのアクセスは監査担当やセキュリティ運用担当など、限定された者のみ。
  • 連携:異常検知時は速やかに遮断・調査・人事・法務にエスカレーションする運用を決めておく。
保存期間の目安(業種・規程で変わる):
  • 一般的なアクセスログは数か月〜1年程度が多い。法令や業務上の必要性に応じて定める。重要なのは「根拠ある保存期間」と「保全方法」です。

FAQ

Q1: どれくらいの頻度で確認すれば良いですか?
A1: リスクに応じます。財務システム等の重要系は毎日またはリアルタイムの自動検知、一般系は週次〜月次のレビューが現実的です。自動アラートを基本にし、定期人的レビューを補完します。
Q2: 誰がログを確認すべきですか?
A2: システム運用担当や情報セキュリティ担当、監査部門など、職務分離の原則に沿って担当を限定します。利用者本人に管理させるのは避けます。
Q3: ログの改ざん防止はどうすればよいですか?
A3: ログを中央サーバへ転送して保存、アクセス権を限定、WORM(Write Once Read Many:書き込み一回で読み出しのみ)やログのハッシュによる整合性検証を導入します。
Q4: 保存期間を短くしたいが問題ないですか?
A4: 業務要件・法令・証拠保全の観点を踏まえて決めます。短縮する場合は、重要ログのみ長期保存するなどの優先順位付けが必要です。

関連キーワード: アクセスログ、ログ管理、内部不正早期発見、ログ保全、改ざん防止、SIEM、監査証跡、インシデント対応、権限管理, IPA
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